すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

APEC/TPP論議

2010-10-30 23:56:16 | Weblog
連日のように繰り返されるAPEC/TPP論議が毎日の資源を消耗させている感じ。やっと横浜にもどってきたが、寝ていてもふと深夜に重要視点を思い出したりして、朝起きると首筋が硬くなっていたりする。それでもTPPは内容と実態が少しずつ明らかになってきて、これまでのような自由貿易推進派vs農業保護論者みたいな構図は少しずつ変化しつつある。TPP推進派もその目指すところが関税引き下げではなく、まさか郵便貯金・簡保や派遣労働、政府調達、公共事業、ファイナンス、投資、日本社会慣行までおよぶものであると聞いて、ショックを受けただろう。
一方、政府のほうは相変わらずTPP参加を表明し続けているようで、どこかでこの矛盾が露呈することになる。
しかし、何度会合を繰り返しても、TPPの積極推進論者と堂々と表明する人もいなければ、そのメリットを詳細分析とともに示して、反対派・慎重派を説得する人は出てこない。どういうことなのだろうか?誰が本当の推進者なのだろうか?自由貿易はいいことで、FTA/EPAはもとよりその最新流行がTPPだなんて馬鹿なことを考えているわけではないだろう。韓国に遅れを取るなんて慌てふためくだけでなく、TPPにのめりこむオバマ政権の苦境などもしっかり分析してほしいものだ。
せっかくの横浜帰りだが、実は朝から選対会議。地方選まで半年となり、にわかに地域も緊張や利害の衝突が表面化する時期になってきた。どこへ行っても、天候激変で風邪をひいている人が多く、ゴホンゴホンという咳にかこまれると、つい消極的な気分になる。いやいや他人のことより、今日の台風と雨でびっしょり濡れて、こっちが風邪引きそうだ。気をつけよう。

こどもの貧困根絶にむけた院内集会

2010-10-20 14:50:55 | Weblog
日弁連主催で「子どもの貧困の根絶にむけて」と題された院内集会が開かれ、参加した。日本の子どもの貧困率14.2%さらに一人親世帯の貧困率54.3%と聞くと、絶望的な状況がわかる。しかし、現代社会の差別と格差社会の中で子どもを取り巻く状況が極度に悪化していることは、欧米先進社会の惨状からずっと以前から明らかだったはずだ。集会では、子供の貧困に対するイギリス、ドイツやフィンランドの取り組み、そして就学前教育の重要性がスライドで示されたが、日本の無策の現状を考えればもうため息ばかり。
しかし、驚愕するのは、この集会に議員がほとんど来ていないことだ。確かに国会で委員会がつぎつぎと開会される時期ではあるが、これほどの重要テーマに議員の無関心という議会はいかなるものか?小生の関係するところでは、APEC・FTA/EPAの会議ともなれば、席が足りないほど関係議員が詰めかけて、はげしい議論があるのに...
これは要するに、農業関係では議員の政治生命を左右する農業票が政治的な影響力を持つのに対し、選挙権を持たない「声なき子どもたち」には政治家は子どもの代表としての意味を持たないということだろう。それなら、比例選挙では、子どもイシューなどは最初からパリティを決めて、議員を選ぶくらいのことをしないと、結局、現代の間接民主政治では、結局は子ども問題に十分な政治力が結集しないのではないか...政治家がこども問題に取り組む方向を誘導するためにも、マスコミもこどもをマーケットとしてではなく、しっかり保護するための番組をより多くしてほしいものだ。
ともかく、認識している政治家を多くして、政策を具体化させていくのは急務だが、法律家もその法律知識や司法の法的な枠組みをつかって、新たな視点でこの問題に切り込んでいくべきだと思った。

津軽三味線でクリスマスソング

2010-10-17 22:19:52 | Weblog
都筑文化芸能大会で挨拶。会場に到達したら進行が遅れていて開会まで20分はかかるだろうということ。こりゃちょうどいいと、客席の片隅に身を沈めた。津軽三味線のパフォマンスでは、「じょんがら節」だけでなく、ななんとクリスマスソングをアレンジしてやっていたが、実に軽快でよかった。民謡の天竜くだりでは、杖をついた高齢の女性が浪々と喉をきかせる。アーいいもんだなと体がリズムをとる。会場はいつも高齢者ばかりだが、こういう伝統芸能こそ若者に見せてやりたい。日本のアニメやロックが世界に評価される基礎にはまさにこうした伝統芸能の基盤があるんだと思うな。挨拶でも、「ストリートは若者の独占場所ではない。伝統芸能のみなさんこそ、都筑のさまざまなスペースでパフォマンスを繰り広げ、若者に刺激を与えてほしい...」と訴えた。今年のクリスマスイブにはセンター南の通路で津軽三味線のクリスマスソングメドレーが流れればいいな...

ドイツ学園で交流150周年祭

2010-10-16 23:17:09 | Weblog
朝に新横浜で「ふるさと港北のふれあいまつり」。年々にぎやかにまた充実してきていると実感した。鶴見川の環境保全で地域のボランティアと話し込む。民主党の「仕分け」で影響が出ているようだ。詳細を調べて国交省にも問い合わせたいと思う。昼に都筑のドイツ学園で日本ドイツ交流150周年祭が秋祭りと一体化して行われた。日本側からは林横浜市長も登場、冒頭ドイツ語で挨拶。さすがもとBMWのトップセールスウーマンだと感心した。ドイツ側はシュタンツエル大使と同時に、本国からピーパー国務大臣が来て、150周年の挨拶。ドイツとの条約(不平等条約?)を定めた日本側幕府責任者の子孫も会場に呼ばれていて、へーっと驚いた。しかし、地元の我々には挨拶もないし、最近はドイツ学園のコミュニティ関係に疑問をもつようになった。ドイツ学園が金持ちが通うぜいたくな学校...と地下鉄の中からうらやましく思うだけでなく、ドイツ文化との交流を含め、せめて地元でドイツに感心が高まる程度の活動はすべきだと思う。別の機会にドイツ大使館に申し入れておこう。
林市長にはAPEC準備が遅れていると指摘しておいた。市当局側にも、TICAD程度のローカルな国際会議ぐらいの経験と認識しかないから、日本の命運がかかるかもしれない会議との認識が生まれないのだろうと思う。いや他人事ではなく、党内もまったく同じだ。貿易自由化に関して、党内でしっかり議論して方向性を見出さねばと気が焦る。

キルギスから帰国しました

2010-10-14 15:08:57 | Weblog
昨夜キルギスから帰国しました。日程の関係で往復路がカザフからの国境超えとなり、さすがに疲労感がどっしり肩にのしかかっている感じです。
帰国後最初の会議がAPEC、FTA/EPA対策でしたが、しかしまあ、ねぼけ眼をカッと開かせる内容でしたね。これも推進派vs農業関係議員みたいな構図になりつつあり、目前までせまってきたAPECですが、一歩踏み込んだ議長国としての声明がはたして出せるかどうか、疑問を感じる展開です。
キルギス選挙は時間があるときにまとめたいと思いますが、結果的に保守派が復権したとはいえ、政権与党も敗れることがあるという意味で、民主選挙とはこういうものだとのメッセージがキリギスだけでなく、強権大統領の独裁が続く周辺国家に強烈なインパクトとなったと思います。小生はドンガン人(19cに中国から移住した住民)、ウイグル・ウズベク、クルドなどから、ポーランド、ドイツ(エカテリナ帝時代に移住)系の住民まで、まさに複雑な民族構成のトクマクで監視をしました。アメリカ・ロシア・EUそれに中国とさまざまな展開があり、中央アジアはイラク・アフガン後の国際政治の焦点となりつつあり、今回の選挙監視でもそうした緊張感をひしひしと感じましたね。
帰路にカザフで抑留者墓地に参拝し、65年を経て、民主党政権になってようやく成立したシベリア抑留者特措法成立と政府が国家責任を認めたことを報告しました。崩れゆく墓石は何も語りませんが、この思いを次代につなげていかなければならないと心に念じました。

キルギス行き

2010-10-08 11:04:25 | Weblog
政局も国会日程も不安定だったので、本当に出発できるかどうか不安だったが、ようやくすべて条件がクリアされて10月10日のキルギス選挙監視にむけて出発。横路議長からオットンバエワ大統領への親書もでて、日本からの派遣団もそれなりに形式が整ったと思う。しかし、まとも(かつ安価)なフライトはとっくになくなり、ようやく早朝から交通機関を乗りつないで名古屋の中部国際空港にたどりついた。これからアジアのハブ空港(なにか悔しいなあ)のインチョン経由でカザフスタンのアルマティに向かう。韓国は中央アジア各国にも直行便を飛ばしているのは驚くことだが、カザフの一人当たり国民所得が9000ドルというから、グローバルなビジネス展開としては当然なのかもしれない。深夜着のアルマティ空港から車で5時間かけてk深夜の国境越え、早朝にキルギスのビシュケクに到着予定だ。これまでのところ、大規模な違反や選挙妨害は報告されていないが、やはりロシアや民族派の影響が強まってきていることを感じている。選挙監視と同時に、この地域は尖閣事件後ににわかに注目が集まったレアアースの産出地なので、鉱山局などとも面談の予定。

功を奏するか金融政策?

2010-10-06 16:12:02 | Weblog
5日に日銀が政策金利を事実上のゼロ金利とし、金融資産を買い取るファンドを新設して景気のテコ入れと円高阻止に動いた。すでに政策金利は0.1%だったからそれほど思い切った利下げではないが、ゼロとすることで「もう後がない」という日銀の覚悟を示したものだろう。ゼロ金利も消費者物価の安定的な上昇が見込めるまで続けると公言するのだから、一種のインフレターゲットのようなものだ。昨夜のニュースを見ると、経済界では歓迎一色という感じで、株価も連続して上昇し、政局が荒れ、中途半端な政策しか打てなかった民主党政権が、ようやくそれなりに思い切った政策を打ち出してきたものだと思う。4兆円という補正予算も含め、沈みかけた景気をぐっと引き上げる効果があると期待したい。しかし、円高は日本だけの努力ではいかんともしがたい。11月と予想されていたアメリカFRBの追加的緩和策がさっそく打たれ、せっかくの日銀のショック療法に水をさすような結果が発生してきている。日米関係の深化が決まり文句のように言われるが、安全保障はともかく、両国の経済政策はかなり微妙な乖離を示すようになってきている。国会では連日のように、FTA/EPAそしてAPECをテーマとする会合が開かれているが、参加者はそれぞれ専門家で緊張感のある議論が続く。本当に経済のかじ取りが難しい時代になったことを痛感する。

検察審査会の起訴議決を受けて

2010-10-05 20:41:25 | Weblog
不透明な政治資金操作ということで3名の秘書が逮捕された小沢さんにもついに起訴議決が検察審査会から出され、永田町+霞が関に混乱というか、重苦しい雰囲気がたちこめている。小生の主張と立場は、すでにいくつかのメディアで掲載されているように、以前から、この問題は単なる政治資金規正法上の争いではなく、4億円もの現金が家のどこからか出現してまたどこかに消える...という前近代的な、あるい意味で「公の秩序と善良の風俗」に反する事象がもはや市民社会の基本原則から逸脱しているがゆえに、認められないというものだ。形式犯か否か、時期の取り違えのような些細な違反か否か、というような問題での争いではなく、現代市民社会では、もうこういう形での資金移動自体が認められないのだと思う。
それでも、小沢さんが一人の政治家として、政治生命をかけて己の名誉を守るために法廷で闘うのは良しとしたい。ぜひ政治とはかくあるものだという小沢哲学をもって裁判を闘ってほしいと思う。しかし、それを所属政党やグループの議員や議会制度や政府までを巻き込んでこの時期に闘うのは筋が通らない。長年、この世界で生きてきた政治家の身の処し方は当然わかっておられると思う。もうこれ以上、政治とカネの問題で国会が紛糾することなく、喫緊の課題である経済・財政の再建と外交の展開に全力を投じなければならない状況なのだ。

ドイツ統一20周年

2010-10-03 21:28:06 | Weblog
川崎体育館で行われた極真空手全日本選手権で挨拶のあと、議員会館へ。日曜だから閑散としているのは当然だが、ようやく書類の整理に気合が入る。4時から有栖川公園脇にあるドイツ大使館で統一20周年の記念レセプション。服装はスマートカジュアルか民族衣装とあるが、要するに普通のサラリーマン姿か和服ということかね。日本ではほとんど関心をもたれていないが、ドイツ統一というのは冷戦構造崩壊のまさに歴史的転換点のシンボルだ。都筑にあるドイツ学園の少年少女の国歌斉唱のあと、ドイツ大使そして本国から来た元副大臣が今日の意義について長々とスピーチを行った。副大臣がドイツ統一を誇り喜ぶと同時に、この統一が、ソ連のグラスノスチやペレストロイカを起点とし、東欧諸国の勇敢な努力によって導かれたことを強調していた。近隣諸国の犠牲や貢献にも助けられてドイツは統一され、だからこそ統一ドイツは近隣諸国の脅威や圧迫になってはならないのだ...という演説の中心課題は、つめかけたドイツ人家族や日本側の招待客の心に届いたのだろうか?
帰宅の電車の中でも、そのスピーチのことが頭を去らなかった。
昨日、今日と政治について深く考える瞬間があったように思う。昨日は同僚の横浜市会議員などが中心となって地方議会内閣制のシンポジウムがあり、元総務副大臣の大塚参議院議員や、元犬山市長の石田衆議院議員などがパネリストとなって、機能不全に陥っている(心ある人にはそう思える)地方政治の二元代表制や、シティマネジャー制度・議員の行政参加などのテーマが論じられた。名古屋市のリコール問題のように、せっかくの市民選出議員と地方議会が機能しなかったり、不要論が論じられたりするのは、戦後アメリカをモデルに導入された地方政治のあり方が、曲がり角をむかえていることを示している。本格的な地方政治改革には憲法改正が必要だろうが、横浜のように350万人もの巨大都市における地方議会のあり方を真剣に考える時期にきているのだろう。こうした問題が地域の同僚地方議員から提起されたことに誇らしい気持ちがした。