すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

クラスター爆弾禁止条約

2008-05-31 23:38:28 | Weblog
対人地雷に代わって、紛争地で不発弾を撒き散らしたクラスター爆弾にようやく禁止のための国際条約の網がかかることになった。しかしまあ、条約そして条文審議の実際の議論を精査しないと、真実は明らかにならない。クラスター爆弾といえば、ベトナム戦争時のボール「爆弾」が有名だが、それはあくまで爆弾、現在はエレクトロニクスを活用し、より高度に発達したクラスター「弾」が多用されている。日本ではそれがごっちゃになっているが、英語ではbombではなく、munition(装備)と正確に表現されている。自衛隊が持っている多弾頭ロケット弾もその一種だが、現在の兵器は多かれ少なかれ多弾頭化が進んでいる。ここまでは今回の条約で網がかけられるようになるのだが、問題はその先にある、兵器のクラスター化である。要するにエレクトロニクスを組み込んで自爆させたりするようになれば、この条約の網の目をくぐることもできるし、さらにエレクトロニクスを活用して識別機能を持たせれば、兵器の小型ロボット化も可能になる。ヨーロッパ諸国にとっては、新たな兵器を売り込む格好のチャンスとなった。アメリカ・ロシア・中国という核保有国、武器輸出大国が条約に加わらないことを考慮すると、このクラスター弾禁止条約は軍縮としてはあまり意味を持たないし、多くの保有国はまじめに廃棄するのではなく、闇ルートで販売するだろう。日本はさっそくまじめに廃棄するだろうが、それは実は「廃棄利権」があり、廃棄を請け負った軍事産業(多くは防衛庁・自衛隊の天下り先)が潤うからだ。たとえ条約があろうとも、クラスター爆弾は堂々とテロ対策なる建前で、アメリカなどによって使用される。テロリストは人間以下の存在と目されるからである。アフガニスタンで大量に発生した農民、子供の被害も、タリバンの活動地域を制圧するという「崇高な」目的があったのである。
紛争地での民間人被害は軽減されない。それどころか、今度は条約をすり抜けた新型兵器の開発・販売が一挙に進むことになろう。日本のように、新兵器開発もなく、アメリカの新製品を買い続けることを運命付けられている国がクラスター弾の廃棄と新技術製品の新たな購入というダブルパンチを受けることになる。こんな流れは数年前からわかっていたことだ。世界の流れがわからないからそれに前向きに対応できないといえばそれまでだが、ここでも日本の国際社会のトレンドに対する先見性のなさが大きな損失を生むことになった。

自衛隊機で中国支援?!

2008-05-30 23:15:33 | Weblog
そんな馬鹿なことを中国が要求するとは思わなかったが、案の定、ポシャッタ。テント輸送なら、それこそジャンボ機に腹いっぱいテントを積んで近くの空港に空輸すればいいので、別に日本機でなくても、パキスタン航空でも、アジア各地のチャーター便でも、航空貨物専門機でもなんでも良いだろう。自衛隊のC130は航続距離が短く、唯一最大のメリットは極端に短くまた不備な空港での離着陸や、地上すれすれでの物資の投下だが、そんなものは必要とされていない。
おそらく調子に乗った日本政府の誰かあるいは特定のグループが、これを機会に中国に難題を吹きかけようと企画した話なのだろう。町村官房長官の含み笑いの顔を見て、中国側が受けるはずないと思ったが、やはり裏のある話だったと想像する。ちなみに、自衛隊機を使うというのは、しょっちゅう出てくる。それは便利だからではなく、それにうっかり乗った人間に抜き差しならぬ負い目を負わせる技術なのだが、結構、気楽に活用して、術中に陥る人物は多い。
小生の体験としては、タリバン崩壊後のアフガニスタンに鳩山代表と入るときに、そういうオファーがあった。無論、定期便はなく、チャーター便は高すぎる。国連機は国連関係者や支援NGOに限られるという状況で、こちらの足元を見たオファーで某事務次官自らが党本部に来て、タイミングを見て切り出してきた。鳩山さんは言下に断り、結局、われわれは国連機にNGOなどと一緒に列に並んで乗り込んだが、うっかり便利だからと自衛隊機に乗っていれば、政治家として永遠に負い目を食らったろう。このようないやらしい「引っ掛け」手段ではなく、いつの日か、自衛隊機を活用するということが、ごく普通の選択肢となるような政治を創りたいものだ。

先進国で談合は日本とイタリアだけ?

2008-05-29 23:25:42 | Weblog
民主党のミスター年金こと長妻氏のレクチャーを聞いた。福祉予算の中で年金などの固定部分を除くと削れるものはもう医療費しかなく、結局、高齢者を犠牲にして何とか削減目標を達成しようとした構図がよく読み取れる。試料として国会図書館などが作成した特別会計、天下り、官製談合など先進各国の比較票が提示されたが、天下りなど日本しかないのがわかる。特別会計も日本は一般会計の5倍だが、他の先進国は押しなべて一般会計の数パーセント程度。いかに異状な国家会計であるかわかる。笑ってしまったのは官製談合で、日本以外にはイタリアにもあるという。それはマフィアとの談合の実例だということで、なるほどねと感心してしまった。これは別に民主党がキャンペーン用に作ったのでなく、国会図書館などが公正に作成したもの。結局日本も羊の皮をかぶった狼に牛耳られているのかね?

BONO来る

2008-05-28 23:32:34 | Weblog
TICADの市民社会セッション。小生は元モザンビーク大統領のシサノ氏をホテル側に迎えに行くが、セキュリティチェックが大変。手帳の小さな金具まで検知器がピーピー鳴る。シサノ元大統領はJICAの緒方総裁と会食なのだが、予定時刻を過ぎても現れないのでやきもきした。会場にはアフリカキャンペーンで人気のU2のボノ氏がゲストスピーカーで登場(写真)。プロモーションビデオなどを見ると格好いいのだが、実物は背の低いおっさん風で、話すないようにもメッセージ性があるわけではない。まあ、本人のカリスマ性というより、こういう歌手をこういう形で売り出そうという、巨大芸能メディアの産物ではないか?U2のアルバムは好きで、何枚も持っているが、正直言ってがっかり。
市民社会セッションには複雑な思いを持った。まず最初に、小生もアフリカ問題からはなれていて、やはり現実についていけていないなと反省した。これを機会に再度勉強しよう。一方、アフリカNGOもむかしのような体から汗のように出てくるエネルギーも主張も感じられなかった。発言はスマートになったが、先進社会が構えているミットに上手に玉を投げている感じ。NGOや市民社会が重要なのは当然だが、地域・民族・宗教紛争のアフリカで、簡単に「市民社会」なんてタームで議論できるのだろうか?日本側も、アフリカ問題はこの程度でみたいな合意のもとで、規制のコースから出てないと思う。アフリカ問題はグローバリズム、高騰するエネルギー・食料などまったく新しい次元での対応が必要だが、そこまで迫った提言も議論もなかった。ただ、ほとんどすべてのアフリカ側の参加者が、民主主義や社会制度の発展なしには経済発展は無意味だと主張していたが、この視点はぜひ日本の政府も十分に認識してほしい。援助を倍増したって、その効果が倍増するわけではないから。

いよいよTICAD(アフリカ開発会議)

2008-05-27 23:58:40 | Weblog
明日からのTICAD・IV会議を前にNGOグループが顔合わせ。事務局を含め、若い人がほとんどなのに驚く。以前はアフリカをやっている人はメチャクチャな困難を乗り越えて来て、見るからに人生の重さ、思いの深さを感じるような人が多かったが、今日の会議を見ると何か英語でやる学芸会のような感じがしたのは、小生が年を食ったせいだろうか?
アフリカ側のNGOがさかんに、通行パス(85名に3通のち9通しか発行されなかった)や本会議の情報フィードバック、NGOの意見の本会議への反映などを質問するが、事務局は努力している以外には何も答えられない感じがした。事務連絡で精一杯ということだろう。アフリカNGOも本気で怒っているというより、淡々としていて、まああきらめの表情。かって見られたようなぎらぎらした雰囲気もなかった。外務省の担当者も余裕の表情で、無味乾燥な荒っぽい事情説明ですぐ退場した。いまや日本のNGOはようするに外務省の末端のさらにまたその下請けというのが位置として置かれている立場か?最近、コンサルが増長してきて外務省ーコンサルーNGOのような上下関係が生まれているのではと危惧する。以前のような外務省とNGOのあのびりびりとした緊張関係が懐かしい。
これほど低調のNGO側であるが、TICAD自体は連日の政府の大宣伝でかってないほど大いに盛り上がっている。大手メディアは連日アフリカ特集を組んでいただき深謝。これまでの3回(15年間)の会議ではこんなに宣伝が行われなかったので、とまどうばかり。要するに極端に不人気な福田政権が支持率浮揚を狙っての大宣伝ということだろう。NGOへ通行パスが発行されなかった背景にはアフリカの元首が大挙して押しかけてきたということがあると言う。なぜこんなに来た?!それはもう、福田政権の大盤振る舞いで、食糧危機やエネルギー高騰で少しでも資金・食料援助がほしいアフリカ各国の元首からすれば、よだれのでるようなチャンスなのだろう。国内の批判をはなばなしい外交成果で帳消しにする意味もあろう。この間の胡主席と福田首相の首脳会談と同じで、国内向けのメッセージとしては意味があるのかも。まあ、そう考えると、アフリカを助けているつもりで、福田政権はアフリカに助けてもらっているのかもしれない。それでもU2のボノが来るといって喜ぶひともいるし(しかし、彼に名誉博士号を授与なんて意味あるのか?)、アフリカへの関心が瞬間風速的に高まるのもまあいいかと考えるのも一興。なんともおぞましい会議がいよいよ明日から始まる。

やっぱり「ねんきん特別便」(続報)

2008-05-26 23:41:24 | Weblog
さて、今日は問題が露呈した「ねんきん特別便」の同封指図書で指示されたように、地域の社会保険庁事務所へ出頭しようと思ったが、10時間も待たされたなんておぞましい話を思い出し、また急に仕事が重なったので、とりあえず「地域事務所に行けない人は電話する...」という指示を活用して、指定電話番号に電話した。案の定、繋がらない。「後ほどおかけ直しください」を嫌というほど聞いた後、ようやく別の音声になり、「順次お回ししますので、このままお待ちください。お待ちいただく時間は平均3分です」というありがたいお達し。しかし、またまっていてもまた同じフレーズが流れる。「もう3分待っているぞ!」と怒りをぶつけたくなるが、コンピューター合成の女性の声に反論してもね...
やっと出た本物の人間の女性は、いとも簡単に「それでは問題ありに丸をつけて、問題を書き込んで返信封筒にいれて送ってください」とのたまった。え!それならそうと社会保険庁事務所に出頭せよなどと書かないで、誤りを記入した用紙を返送くださいと、最初から指示すればよいではないか?あやうく、貴重な一日をつぶすところだった。一事が万事こういうテイタラクなんだなと、つくづく痛感した。

心ときめくフライパン選び

2008-05-25 22:28:20 | すとう信彦の料理談義
素材の歪みが出たのか、使い慣れたフライパンが焦げ付きがち、それに微妙に重過ぎる感じがして、ついに買い換えることにした。鍋などと違って、手にしっかり握るフライパンにはなんともいえない愛着がある。何かわくわくしながら、ララポートに買いにいった。なんと、セール流行で、フライパンは半額というコーナーがある。しかし、30分以上、あっちのコーナーこっちのフライパンと触っては振って感触を確かめるが、何かなっとく行かない。結局、比較的やすくなっていたティーファルのものにすることまではなんとかたどり着いたが、24CM、26CMぐらいで決められず、結局、自宅のフライパンの直径を計りなおして再考することにした。売り場の店員も何度も何度も空中でフライパンを振って、あげくのはてにあきらめて返る姿をみて笑っているのでは...まあ、しかし、道具は大事だ。妥協はなるまい。

私にも「ねんきん特別便」が来ました!!!

2008-05-24 23:32:42 | Weblog
年金の記録不備や記録消滅などを再確認する手段として、ますます税金の無駄使いという「ねんきん特別便」が、疑いのある(?)国民にDMが送られた。その内容がひどく、受け取った側はどこに問題があるかわからないから、「問題ない」と回答文書を返送...ということになる。しかし実は送った側=社会保険庁ではっきり問題がある人にこの特別便を送っているので、無回答や問題なし回答ではこまるのである...ということは知っていたが、なんで小生のところに送ってくるのかわからなかった。小生もこれまで4回仕事を変えているが、いずれも連続していて、空白期間はないはずだった。なにせ現職議員中に例の年金未加入問題が大問題となり、ちょっとでも未加入期間があるとマスコミで袋叩きになった時期があり、その時に厚生労働省の担当者にチェックしてもらい、何も問題がなかったのである。
実際に、特別便を読んでも、どこにも問題がないので、そのまま「問題なし」と回答しようと思ったが、年には念を入れてと思って、小生の最後の年金期間である私学共済の記録を調べたら、ななんと、落選後の数ヶ月が記載されていなかった!
社会保険庁としてはそんなことを把握していながら、「ひょっとしたら間違いございませんか」みたいな手紙を送ってくるのだが、その真意を疑うね。ここで問題なしと回答すれば、将来問題が露呈したときに「あんたはあの時、問題ないと回答したじゃないか」と突っぱねるための社保庁側の布石だろうか??
ともかく、修正して返信封筒にいれたが、また念には念をいれてと思って、同封の説明書を見たら、「問題のある」人は返信ではなく、直ちに社会保険庁事務所に連絡を取れ!と指示があった!冗談じゃない、テレビでは10時間待ってもまだ面談できないというニュースが流れているじゃないか?問題を把握しているなら、社会保険庁から担当者が当該人物の家に相談にくるべきじゃないか!それが世の中の一般のルールというものだろう!
まあ、今日は土曜、いくらこっちで怒っても、事務所が閉まっていては意味がない。少し頭を冷やし、月曜に社保庁事務所に電話してから(繋がるかな?)、また続編を書こう。

外務省の変質

2008-05-23 00:00:33 | Weblog
TICAD:アフリカ開発会議が横浜で開催され、小生もアフリカ平和再建委員会の運営委員として参加することになった。実はこのTICADには最初から関係があり、第二回のときはNGO側の共同代表を務めた。この会議の特徴は、市民社会組織(CSO)を国家と同等に位置づけ、ドナー国そして援助対象のアフリカの市民社会を巻き込んだかたちでアフリカの開発を議論するところにあった。第二回ではアフリカのNGOが総会で何度も、壇上にあがり、国家元首と同等の時間を使って意見を述べるまでに発展した。その意味で、世界に誇れる日本の国際会議であった。ところが今度は外務省は国家中心主義となり、なんと二十数時間かけて日本にやってきた20カ国のアフリカNGO代表、それのホスト役を務める日本のNGO、総勢80名に、たった3枚しか通行パスをださないとのこと。外務省の変質というか、劣化にはもう眼を覆いたくなる。しかし、こんなことはアフリカの友人にも見せられない。断固、闘うつもりでいる。

エスカレートする妨害!WHY?

2008-05-21 22:23:19 | Weblog
綱島駅頭で今朝も妨害があった。しばらく前から執拗に妨害をつづける男性が、今日はスタッフに阻止されて、ツバをはきかけた。まあ、政治にはこういう嫌がらせはつき物とはいえ、スタッフの気持ちを考えると穏やかにはおれない気がする。小生も経験あるが、きたないつばを吐きかけられると、一日中不快な気持ちが残る。ツバのついた衣服など洗濯せずに捨ててしまいたい気にもなる。問題はその男性が多少、障害のある方なので、対応に苦慮する。偏向した意見や非難などには、きちんと反論したりできるのだが、ただひたすら「自民党良い、おまえうるさい」「うるさい、やめろ」を繰り返すだけで会話も成立しない。ひょっとしたら演技なんじゃないかと疑りたくなる。早朝に駅頭に来るのだから、作業所にでも通っているのだろうか?この問題は、小生も熱心に取り組んできたテーマであるがゆえに(そんなことはこの分野の専門家や作業所では知っているだろうに)、この人物の言動には当惑するばかり。もし万一、誰かが弱い立場の人を利用して、民主党攻撃をさせているとしたら、そういう人物には「地獄に墜ちろ!」と言ってやりたい気分だ。