すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

天に唾する大飯原発再稼働

2012-06-16 15:42:38 | Weblog
長い3週間の戦いが一定の結末を迎えつつある。どっと疲労感が噴出してくる。ほぼ一年半の戦いで、TPPの日本加盟は一応おしかえすことができたと思う。もうすでに、TPP自体の虚構性があきらかになり、当初メンバーのチリやさらにマレーシアでも不参加の主張が出てくるようになり、ニュージーランドやオーストラリアは自分の防衛線をゆずらない。それどころかアメリカ自体が国内経済対策や大統領選挙に追われTPPなどの国際テーマに腰が入らなくなっている。こんなことは最初から予測できたことだ。「だから言ったじゃないか:I told you so!」と叫びたくなる思いだ。それだけに、こんな空しいことに費やした労苦とコストがくやしい。しかしまあ、TPPはこれからも9月のAPEC会議を含め、何かいか盛り上がる時もあるだろうから、手を抜くわけにはいかないだろう。
消費税は,
ともかく自民公明との三党協議の結果を再度、党にもどして、党の議論を再開させる手続きを執行部に認めさせることができた。消費税を将来は上げざるを得ないことには、ほとんどの議員も何らかの了解があると思うが、デフレ脱却条件や歳入庁、軽減税率など未解決・未結論のテーマは多い。何と言っても、社会保障改革は民主党そして政権交代の旗印だ。これを下すわけにいかない。来週から、一体ほんとうにどこまで妥協したのか、先送りのなれあい合意が国民の理解を得られるのか、激しい党内議論が始まると思う。

今日は仕事の整理が進まず、結局また永田町に残って議員室から雨の国会を眺めている。機密性の高い議員室の窓ガラスを通じても、官邸前につめかけた市民団体の抗議演説やシュプレヒコールが聞こえる。道路を埋める大型警察車両。沈黙する官邸。まさに寒々とした光景だ。
多くの市民の抗議、専門家の批判そして党内からの意見に耳をとじて、ついに大飯原発3・4号機の再起動を政府は決定した。7月中旬には稼働状態になるとのことだ。まあこれまでも周到に準備していたのだから、点検や機材の搬入なども急ピッチで行われるのだろうが、それは現在のような衆人環視の中でスムースに行くと考えるのは甘すぎるんじゃないか?
この早すぎた再起動は原子力推進派にとってすら、必ずしも好い結果につながらならないと思う。今回の福島原発の事故は多くの被災民避難民そして、郷土が永遠に奪われる悲劇を生みだし、本来、今後の原子力行政の方向性を定める規制庁はいまだ成立せず、事故原因すらまだ特定出来ない段階で、原発再稼働はまさに神を恐れぬ愚行だ。
思い返せば、福島の悲劇も決して最悪ではなかった。事故の収束に決定的な役割を演じた重要免震棟は事故の4か月前に完成していた!最大の脅威であり、原子力専門家のだれしもが大惨事を予想した停止中の4号機は、修理の不手際で十分な水が燃料プールに供給されて爆発を免れるという、まるで神が助けてくれたような事故だった。ここが爆発したなら、1-3号機にはだれも近付けず、つぎつぎと水蒸気爆発にいたって、首都圏までは無人の地に変わったもしれない。別に信心があるわけではないが、このようにまるで超自然的な存在が助けてくれたような事件に、われわれはもっと謙虚であるべきだと思う。
雨のなか、道路の片隅でじっと官邸を見つめている国民の気持ちを政府はどこまで理解しているのだろうか...来週からまた新たな次元の闘いが始まる。

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