すとう信彦 & his band

社会起業家(チェンジメーカー)首藤信彦の日常活動とその仲間たち

ガザ侵攻始まる

2009-01-04 10:53:46 | Weblog
空爆に続いて地上部隊の戦闘が開始された。報道では北部とあるが、ガザ市自体が北部にあるから、もう目と鼻の先で戦闘が始まったということだろう。北部境界にはイスラエル側にEREZ、パレスチナ側にBAYT HANUNの町があり、ここにあるパレスチナ人にとって唯一の外界との出口がいわゆるエレツ検問所だ。チェックポイントという意味も、そこを抜けていく恐怖感もほとんどの日本人は知らないのだろう。このエレツ検問所では、出稼ぎというか、日常出勤というか、パレスチナに職がないので当然イスラエル側で働くために出勤する人々の長蛇の列がある、そしてそうした日常生活の中でそのチェックポイントを毎日通過していくパレスチナ人の過酷な生活がある。小生も多くの紛争地で数限りなくチェックポイントを通過してきたが、これほど大規模なものはない。パレスチナ側のチェックポイントを通過したあと、遠く離れたイスラエル側のチェックポイントまで延々と歩いていかなければならない。チェックポイントも日頃われわれが税関で見るようなものではない。まるで家畜を消毒するように、檻に囲まれた長い通路を一人ずつ列をつくって進む...
数年前小生が行ったときにも銃撃があり、カラカラというカラシニコフの連射が方々であった。その都度、イスラエル兵にせかされ、流れ弾をよけて建物に入ったものだ。
今回の侵攻はかってイスラエルが得意とした大部隊が電撃的に進攻して占領するというようなものではないのだろう。数年前からすれば、イスラエルに向けて発射するロケットも高度化し、外部からの武器と技術の流入が想像される。イラク内戦で十二分に爆弾戦術を習得した技術者が参加していることも予想すれば、いかにメルカバ戦車とはいえ、市街に突入するには躊躇するだろう。そう考えると、イスラエル軍はミサイル発射地域や製造工場、幹部住居などめぼしいターゲットを急襲しては橋頭堡にもどり、圧力をかけ続ける戦術にでるのではないか。そうなれば、戦闘は長期化し、物資の流入は止まり、住民は確実にゆっくりとした死をむかえることになるだろう。国際社会が全力をかけて、一刻もはやく地上戦の展開を中止させ、停戦の道を模索、実行しなければ、国際社会自体が悲劇を座視したことになろう。この時期にこそ日本外交が独自の仲裁努力を果たすべきであるが、現在の政権にそれを求めべくもない。一刻も早く政権交代を実現させて、和平交渉に参加したい。