半農・半Xの生活

思いついたことを思いついた時に綴ります。

武器で国民の命を守れるのか

2014年07月10日 22時01分45秒 | 日記
自然は恐ろしい力を秘めている。

今回、長野県南木曽町で起きた土石流は、まさに想像を
絶する破壊力であった。
梨子沢は、国土交通省直轄の土石流危険渓流で、おそら
く整備計画を立て、流出土砂量を算定し土石流捕捉用の
砂防堰堤の規模や基数も決定されていたものと思われる
が、その堰堤を乗り越した土石流によって、甚大な被害
が発生したものと思われる。

今回の土石流の発生要因として①計画想定した土砂量を
はるかに超えた土砂によって被害が発生した。②満砂状
態の堰堤を越えた洪水によって、堰堤下流側に堆積して
いた土砂が土石流化した。③源頭部で発生した崩落は深
層崩壊だったので、想定した土砂量を超えたことも考え
られる。いずれにしても調査の結果を待たなければなら
ないが、土木技術者の端くれとして、犠牲者が出てしま
ったことを真摯に反省し、原因を究明し、今後の技術に
反映する必要がある。とにかく、今は、今回犠牲になら
れた中学生のご冥福を祈るばかりである。
 
国民の安心、安全を確保するということは、巨大な自然
エネルギーの前では、ミサイルや戦車などの武器は一切
役に立たない。智慧を使った防災・減災に基づく自然と
の対話に依るしかないだろう。これは、国の安全保障に
も通じるものかも知れない。