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パレスチナ問題って何?

2021-05-22 14:22:14 | パレスチナ

先日「停戦」した、ハマス(ガザ地区を支配するパレスチナ人の組織)とイスラエルの「戦争」。パレスチナ人は248人(うち66人が子ども、39人が女性)、イスラエル側は12人が犠牲になる、という悲劇がまた繰り返されてしまいました。
「パレスチナ問題ってややこしくて、良くわからない」という声を良く聞きます。
そこで、今回は動画などをご紹介しながら、パレスチナ問題について振り返ってみましょう。

イギリスの「三枚舌外交」から始まったパレスチナ問題

動画:高校生のための政治・経済「パレスチナ問題」




第一次世界大戦はフランス・イギリス・ロシアなどの連合国と、ドイツ・オーストリア・オスマントルコ・ブルガリアの同盟国が戦った戦争。

戦争に勝とうとしたイギリスがユダヤ人、アラブ人、フランスやロシアを味方につけるため
ユダヤ人には「パレスチナにユダヤ人国家樹立を認める」(バルフォア宣言)
アラブ人には「オスマン帝国からのアラブ独立を認める」(フセイン・マクマホン協定)
フランスやロシアには「オスマン帝国を英仏露で分割支配」(サイクスピコ条約)
と約束する「三枚舌外交」をやった。これが後の「パレスチナ問題」の原因になった。
この時のイギリスの責任は重い

国連を牛耳るアメリカがイスラエルを支援。パレスチナ人から土地を奪い、イスラエル建国

パレスチナはアラブ人が圧倒的多数派だったので、上の左図の緑の部分はアラブ人のものになるはずだった。
ところが、イギリスがパレスチナ統治を続ける余裕がなくなり、国連に「丸投げ」した途端、ガラッと状況が変わってしまう。
国連はアメリカが力を持っていて、そのアメリカに住んでいるユダヤ人富裕層がものすごい力を持っている。
そのため上の右図の緑の部分のように、逆にユダヤ人に半分以上の領土を与えることを決めてしまう。明らかに「不平等」。この時のアメリカの責任は重い。

そして1948年イスラエルが建国宣言。これに反発したアラブ側と戦争が勃発。第四次中東戦争まで何回も戦争が行われたが。アメリカのバックアップを受けたイスラエルの軍事力がアラブ側に勝り、更にアラブ人から土地を奪っていった。

平和に向かうと思われたが…
1993年にはパレスチナのアラファトPLO議長とイスラエルのラビン首相が「オスロ合意」、パレスチナの自治を認めることになった

しかし、平和には向かわず、軍事力で抑え込もうとするイスラエル側に「武器を持たない」パレスチナ民衆が「インティファーダ」(抵抗運動)に立ち上がった。

トランプ前大統領の「アメリカ大使館エルサレム移転」がパレスチナの緊張を高めた

そんな中、トランプ大統領が、今までテルアビブにあったアメリカ大使館をエルサレム(アラブ人にとっても「聖地」)に移転する、という決定を行い、大統領選挙でユダヤ人やキリスト教福音派の票固めをするためアラブ側にけんかをふっかけた。今回もアメリカが「争いの種」を作る結果になりました。この時のトランプ氏の責任は重い。

(ここまで、高校生のための政治・経済「パレスチナ問題」の動画より)

そして、さらにパレスチナ人から土地を奪う「ユダヤ人入植」問題

動画:パレスチナの100年とイスラエル−UAEの国交樹立〜コーヒーブレイクしながらわかる

この動画の中でも説明されていますが、ヨルダン川西岸はイスラエルが行政権・警察権をにぎって実質支配し、更にパレスチナ人を武力で追い出し、そのあとにユダヤ人を40万人も「入植」させる、というパレスチナ人追放の動きが続いています。

動画:ユダヤ人が「入植」と言って、パレスチナ人の土地を武力で奪い取る


ユダヤ人入植者の裁判、治安部隊のモスク襲撃が今回の「戦争」のきっかけ

パレスチナ人4家族が住んでいる住宅はユダヤ人のものである、というユダヤ人側に立った裁判所の判決が出され、緊張が高まる中、イスラム教の聖地「アル・アクサー・モスク」をイスラエル治安部隊がゴム弾・催涙弾や放水車で襲撃する、という事件が起こり、これがキッカケとなって今回の「戦争」が始まりました。ハマス(ガザ地区を支配するパレスチナ人の組織)とイスラエルの「戦争」でパレスチナ人は248人、イスラエル側は12人が犠牲になりました。

以上、今回の「戦争」に至るまでのパレスチナ問題の歴史を振り返ってみました。

なお、これに関連して次のようなビデオもあります。ご参照ください。

動画:もしも世界が一つの教室だったら(お笑い?パレスチナ問題)


動画:危機にさらされる子どもたち

動画:惨劇をSNSで世界に伝えた少女、「天井のない監獄」ガザ

動画:ガザーくり返される虐殺

動画:『ヨルダン川西岸』第1部「ヘブロン」予告編

動画:『ヨルダン川西岸』第3部「南ヘブロン」予告編

(追記)

はやくも「停戦」を破り、イスラエル治安部隊がモスクを襲撃。CNN記者も治安部隊から警棒で殴られ、銃を向けられた、という報道がなされています。

イスラエル治安部隊がパレスチナ人と衝突、ガザ停戦後 エルサレムのモスク前

中東エルサレムにあるイスラム教礼拝所「アルアクサ・モスク」の前で21日、イスラエルの治安部隊がパレスチナ人と衝突し、閃光(せんこう)弾やゴム...

CNN.co.jp

 

「被害はいつも市民」ゴミ散乱、水なし…空爆は終わったが復旧見通せないガザの現状:東京新聞 TOKYO Web

 

 

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1 コメント

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多くのパラメータ (こん)
2021-05-22 16:29:40
パレスチナ問題はイスラエルとパレスチナの問題ではなく、多くの多様性の複合的問題ですね。責任があるイギリスも、現在の米国も他人事としているようです。パレスチナの背後にはイスラーム世界が存在します。カギはエジプトとトルコですね。エルドアンの評価はイスラームでは高いので、彼もカギになります。パラメータの多い微分方程式は解くことが困難です。
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