「難民問題」について考える
世界とかけ離れて低い日本の難民認定率、難民認定は、ほぼ「0」
かつて日本の人権状況は世界でもトップクラスのレベルでした。しかし、安倍政権になって日本の人権評価は下がり続けてきました。国連から何度も日本の人権状況について憂慮するという勧告を受けましたが、日本政府は無視し続けています。
「難民」認定について、格段に厳しい状況が続いています。1990年代には数人だった難民認定数は21世紀に入っても、6人(2013年)~74人(2021年)と世界でも格段に厳しい現状です。
世界には2600万人の難民(UNHCR)がいると推定されていますが、日本が受け入れている難民はほぼ「0」といえます。難民に厳しい姿勢をとっていたトランプ大統領時代の米国でも10000人以上の難民を受け入れていました。
2021年3月に名古屋入管に収容されていたスリランカ人女性のウイシュマ・サンダマリさんが体調悪化に適切な医療が提供されずに亡くなりました。
国連から改善するよう勧告された入管内での暴行、虐待
国連の自由権規約委員会は2022年11月、日本の人権状況に関する勧告を公表し、入管施設での対応に懸念を示しました。長期にわたる独房監禁を控え、移民が虐待されないよう適切な措置を講じることを求めました。勧告は日本政府に対し、国際基準に準拠した独立した人権救済機関を設立するよう要求。入管施設で2017~21年に3人の収容者が死亡したとして懸念を示した上で、拘束されている人たちが弁護士に連絡を取ったり、適切な医療を受けたりといった基本的な保護を受けられるよう求めました。
難民条約を日本政府も批准していますが、入国管理における難民の扱いは国際的な基準とは大きくズレていると言わざるを得ません。
改善するどころか、迫害の危険性がある母国に無理やり強制送還するための入管法改悪
そのため、強制的な帰国によって迫害の危険性がある場合の送還を禁じているにもかかわらず、法務省は難民認定を厳しくして、強制送還を進めようとしています。
(現在は「難民申請中は強制送還されない」が、現在国会に出されている入管法改悪案では、「難民申請が2回認められなかった場合は、3回目の申請途中でも強制送還(殺されたり虐待を受ける可能性の高い母国に送還される)できる」とされている)
国連が推奨する「難民の定住化」などへの配慮は皆無です。
国際的に批判を浴びる「難民鎖国」ニッポン
世界の混乱によって、日本に保護を求める難民の増加は予想できることです。今後とも、日本政府が「難民鎖国」を続けるのならば、国際的な批判を受けることは避けられません。
難民への人道上の配慮、人権の保障を踏まえた、国際基準に合った日本政府の対応が重要になっています。(近)
(編集部より)
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日本は民主主義で立憲主義の国でありながら、とくに安倍政権以降、憲法違反が繰り返され、憲法改正のための憲法審査会(週1ペース開催)で、今は憲法のなかに緊急事態事項をつくろうとしている。
緊急事態事項は大日本帝国憲法にあり、国家権力(天皇)が、国家の存立を維持するために、憲法の人権保障と権力分立を一時停止して、天皇や軍の独裁を可能にした。
戦後の日本憲法には、この緊急事態条項が侵略戦争、戦争犯罪、虐殺や犠牲を生み出したとして、設けられていない。
自民党の改憲案のなかの緊急事態条項は、大日本帝国憲法そっくり(主体を天皇から内閣に変更した以外は)で、大変危険なものだ。先日、維新、国民民主、その他が合同で、この自公案に対する案を3月末までに憲法審査会に提案することになった。
このまま進行すると、内閣が絶対的権力を握る体制ができる危ない段階だ。
1936年の二・二六事件の戒厳令が軍事独裁の足掛かりになり、日本国内では「暴動」が起きるかもしれないと、朝鮮人、社会主義者、労働組合、民主団体などを次々と弾圧、虐殺した。今はまさしく当時の道をたどろうとしている。治安維持法の暗い時代だ。
軍事独裁、侵略戦争の結果、300万人の日本人の命が奪われ、2000万人以上のアジアの人々が殺された。
ウィシュマさんの犠牲を無駄にしてはいけないと思う。人権というのは、人にやさしくというレベルの問題ではない。人の命を守るために絶対必要なもの。国家や自公政権のために、人権が制限され、人の命が犠牲になってはいけない。その肝を据えて、ウィシュマさんの事件を自分の問題として、入管法改悪と向き合いたい。
緊急事態条項に反対しよう。
内閣が好き勝手に法律をつくり、気に入らないと死刑なんて、国会や裁判も停止している緊急事態下ではできる。
ウソや恫喝、カルトとべったりの支持率30%の壊れかけた政府が、緊急事態条項に手をつけるだけで、恐ろしいではないか。