住みたい習志野

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Narashino Geography 30 日本の地域区分

2021-05-16 02:38:45 | 地理学

日本の地域区分

地域区分というと、関東や東北というように当たり前のものと思われますが、どのように地域区分を行い、なんと呼ぶかは長い議論があります。


例えば中部地方、東海地方、中京圏、近畿地方、関西圏などは微妙に違います

  東海地方


  中京圏(名古屋周辺)

関西地方に三重県が加わると近畿地方

ただし、これらの地方区分は代表的な区分の仕方であり、天気予報、経済圏など、使われる分野によって地域区分のエリアが異なってきます。

例えば、「近畿地方」は、

(冒頭の地図の)八地方区分では 
三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の2府5県

都市圏(近畿圏)では 
福井県、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の2府6県(近畿圏整備法に基づく)

近畿経済産業局や近畿地方整備局の管轄では
福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県の2府5県

天気予報では 
滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県の2府4件

というように複雑怪奇です。

同じ島根県でも東の「出雲(いずも)」と西の「石見(いわみ)」は「一緒にされたくない」?

また、県単位での区分は県内にいくつかの地域が伝統的にある場合はアイデンティティの問題が生じます。島根県に行ったとき現地の知り合いに「出雲の国」と言うと、「ここは『石見』です」とムッとされたことがあります。
明治より前の時代には別の国(藩)だった、という事情もあるでしょうし、中心と辺境や歴史的かかわりで「一緒にされたくない」という感情もあるようです。

習志野市誕生の波乱万丈物語

習志野市が誕生するまでにも波乱万丈の物語があったそうです。
このブログ「住みたい習志野」に載った
「習志野歴史散歩:習志野市の市域が決まるまでのお話」
習志野歴史散歩:習志野市の市域が決まるまでのお話 - 住みたい習志野
によると、こういう話のようです。

➀昭和10年代に、時の津田沼町長が「大習志野市構想」を打ち上げ、津田沼町と幕張町、犢橋(こてはし)村、大和田町、睦(むつみ)村、豊富(とよとみ)村、二宮町の7つを合併して、現在の習志野市・千葉市・船橋市・八千代市にまたがる「習志野市」を作ろうとしたが、戦争で立ち消えになった
戦後の町村合併の中では船橋市に吸収されそうになったが、当時の津田沼町長がこれを拒否した。
➂その後津田沼・幕張・犢橋(こてはし)の3町村を合併して「習志野市」にすることに決めた。しかし、幕張町のうち実籾(みもみ)は津田沼町との合併を臨んだものの、幕張町の他のエリアと犢橋は離脱、千葉市に吸収されてしまった。合併をめぐる動きの中で、賛成、反対をめぐってハンガー・ストライキや「血を見る騒ぎ」もあった。(写真は県庁前でのハンガーストライキ:習志野市役所HPより)

➃人口が3万人いないと「市に昇格」はできないので、一時的に長作や天台の「人口を借り」て習志野市が発足。「大習志野市」ではなく、言わば「小習志野市」として誕生
「平成の大合併」の時には船橋市か千葉市に吸収される案もあったが、結局合併の波は習志野市まで及ばず、習志野市は今も存続している。
(以上がだいたいの経過のようです。習志野市誕生物語、波乱万丈ですね。)

「平成の大合併」では、四街道市も千葉市に吸収されないですんだ

「平成の大合併」が進められたとき、四街道市が千葉市に吸収されるという動きもありました。このときは四街道市で反対の声が上がり、財政が安定している四街道が千葉市四街道区となることにはメリットがないということで、合併は立ち消えになりました。

1964年の千葉県

2020年の千葉県

(上の2枚の画像は、山川出版社の「くらべて楽しむ地図帳」から)

山梨県は関東に含まれず、新潟県は東北に含まれない

関東というと、山梨県が含まれず微妙です。新潟県も東北には含まれず、北陸地方か中部地方に位置づけられます。

関東と関西はどこからどこまで?それぞれ何県あるの?「関」の意味とは?

国内の地方区分でも、「北海道と沖縄を独立した地方に」など、さまざまな見解がある

国内の地方区分でも、さまざまな見解がありますが、一般的には、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州(沖縄を含む)の8地方区分が一般的です。そのほかにも、北海道島、本州島、四国島、九州島の四つの島で日本列島を考えることもできます。また、北海道と沖縄は、先住民がいた北海道と王国が存在した沖縄は、独立した地方として扱うのがよいという意見が強くあります。

本質的なことを考えると、地方は全体の一部なのか、地方が集まって全体を成立させているのかという、部分と全体の問題があります。地理業界でもあまり議論されていませんが、重要なテーマだと思っています。

世界の地域区分

世界の地域区分は、大きくは大陸別にユーラシア、アフリカ、北アメリカ、南アメリカ、オーストラリア、南極の6つに区分するのが一般的です。


ユーラシアはヨーロッパとアジアに分けられます。ロシアはヨーロッパとアジアにまたがっており、ウラル山脈を境に、東はアジア、西はヨーロッパ、と区分されます。

アジアはさらに東アジア、東南アジア、南アジア、西アジアと中央アジアに区分し、さらにロシアを分けています。

日本は地図の真ん中にあるのに、なぜ「極東」と呼ばれる?

日本は東アジアに属し、ヨーロッパから見て東の果てとなるので「極東」という言い方もあります。西アジアを中近東と呼ぶのもヨーロッパ中心の世界観です。

みなさんが思い描く世界地図はどのようなものでしょうか。日本では太平洋を中心に置いた世界地図が一般的に使われています。


しかし、世界の多くの人は大西洋を中心とした世界地図を使っています。

世界標準の世界地図

アラブの世界地図

ロシアの世界地図

中国の世界地図

この世界標準の地図で見れば、確かに日本は「極東」に位置していますね。

イラクがどこにあるか知らない学生たち

2004年から2005年にかけて、大学生(約3700人)と高校生(約1000人)に、国の位置について調査したことがありました。イラク戦争のころで新聞には「イラクどこ?大学生4割が不正解」という見出しで紹介されました。

(朝日新聞2005年2月23日号)

地理学習の必要性を訴えるため日本地理学会地理教育専門委員会で行った調査ですが、半分近くの学生がイラクの場所を知らない、というのにはビックリしました。

東大生もアメリカの位置がわからない?⇒米国は「右上」と”暗記”

このとき、東大の学生でもアメリカ合衆国の位置を間違えるので驚きました。このとき使った世界地図は“世界標準”の大西洋中心の世界地図だったのです。どうやら、東大の学生でも米国は「右上」というふうに“暗記”しているようなのです。こういう世界認知のゆがみは、さまざまな場面で世界の理解を歪(ゆが)めています。(近)



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