(ANNニュースより)
UNRWAへの資金拠出「一時停止」 現地活動の団体らが政府へ撤回要請
日本政府がUNRWA(=国連パレスチナ難民救済事業機関)への資金拠出の一時停止を発表したことを受け、現地で活動する団体や中東問題の専門家らが撤回するよう求めました。
慶応義塾大学 法学部 政治学科 錦田愛子教授
「(この支援は)ガザの人々の生活を支える命綱です。これがなくてはまともな人間的な生活を送ることができません」
NPO 日本国際ボランティアセンター 今井高樹代表理事
「(日本は)必ずしもアメリカに追従するかたちではない、独自の外交方針でやってきたのがこれまでだった。今までの中東への日本の外交方針を守っていただきたい」
UNRWAの複数の職員が、去年10月のハマスによるイスラエルへの攻撃に関与したとの指摘を受け、政府は先月29日、UNRWAへの資金拠出の一時停止を発表しました。
これに対し、現地で活動する団体や大学教授らが都内で会見を開き、拠出金の停止は国際法違反の集団的懲罰にあたる可能性があるとして、撤回を求めました。
UNRWAはパレスチナ難民の救済を目的として1949年に設立され、難民キャンプの整備や教育や医療などの支援活動に取り組んできました。
アメリカやイギリス、ドイツなどがUNRWAへの資金拠出を一時停止した一方、EUやノルウェーなどは支援の継続を表明しています。
(AFP BBニュースより)
UNRWA、ノーベル平和賞候補に
イスラム組織ハマス(Hamas)によるイスラエル奇襲に職員が関与していた疑惑の渦中にあるパレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)がノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)に推薦されたことが2日、明らかになった。
ノルウェー議会外交委員会の副委員長を務めるアスムンド・アウクルスト(Asmund Aukrust)議員(労働党)は日刊紙ダーグブラデットに対し、「パレスチナなど中東全域に不可欠な支援を提供してきた長期にわたる活動」を評価し、UNRWAを推薦したと説明。「この活動は70年以上にわたり極めて重要であり続けてきたが、この3か月はいっそう重要性を増している」と述べた。
(UNRWAホームページより)
ガザ地区:100日間の人々の死、破壊、および避難
ガザ地区:100日間の人々の死、破壊、および避難(フィリップ・ラザリーニ事務局長より)|UNRWA国連パレスチナ難民救済事業機関 日本語特設サイト
これまでの100日間の多くの死、破壊、避難、飢餓、喪失、そして悲しみは、私たちに傷跡を残しています。
壊滅的な戦闘が始まってから100日が経ちました。ハマスおよび他のグループがイスラエルの人々に対して行った恐ろしい攻撃と同時に、ガザ地区では人々の死や避難を強いられる状況となりました。人質とその家族にとっては100日間の試練と不安の日々です。
過去100日間、ガザ地区全域への持続的な空爆によって、一時的に人口の多くが安全といえない場所に立ち退かざるを得ない状況が引き起こされました。これは1948年以来、パレスチナ人にとって過去最大の避難を強いられた状況です。この戦闘はガザの全人口、200万人以上に影響を与えました。多くの人々がこの先生涯苦しむような身体的および心理的な傷を負っています。ガザ地区のほとんどの人々や子供たちは、深いトラウマを負っています。
過密で不衛生なUNRWAの避難所は現在、140万人以上の人々の「家」となっています。彼らは、食べ物から衛生、プライバシーなど、何もかもがありません。人々は非人間的な環境下で生活し、病気が蔓延し、特に子供たちの間で広がっています。彼らは生活ができないような状況を生き抜いていますが、それと同時に飢餓へのカウントダウンは、速いスピードで進んでいます。
ガザの子供たちが置かれている、危険で困難な状況には特に心を痛めつけられます。子供たちの世代全員がトラウマを受け、癒えるには数年かかるでしょう。何千もの子供達が死亡し、傷を負い、孤児になりました。何十万人もの子供たちが教育の機会を奪われました。彼らの未来は危機に瀕しており、長きにわたって続く影響があります。
ガザの危機は人為的災害であり、人間性を否定するような発言や、食糧、水、燃料などが戦争の道具として利用されることで状況は一層悪化しています。また、非常に煩雑な人道支援物資の搬入手続き、戦闘の継続など物資配給の安全・統率性に対する無数の障害に主に起因し、この地での人道支援は急速に世界で最も複雑で困難なオペレーションとなりました。人道支援物資自体も、迫りつつある飢餓を避けられるほどの十分な量を確保できていません。商業物品の流入も許可されなければなりません。
一般市民を保護し戦闘のあり方を規制するはずの国際人道法は、しばしば無視されています。市民や、病院・UNRWA施設の避難所を含む非軍事施設はこの3ヶ月間で度々攻撃され、数百万人の死者と数千人の負傷者を生みました。UNRWA施設は常に保護されるべきであり、市民に対する保護の提供を全うしなければなりません。また、いかなる勢力によっても軍事利用されてはなりません。
度々の呼び掛けにもかかわらず、人道的戦闘停止は未だ実現されず、ガザの人々の殺害、食糧や医薬品、水、避難所などの安全な提供はできていません。冬が到来した今、特に野外で避難する人々の生活は一層耐え難い状況です。
私自身のUNRWA同僚146人を含む人道支援者は、その他医者、ジャーナリストや子どもたちと共に殺され、誰一人として代わりのある人などいません。全ての居住地区、宗教施設、歴史的建造物は破壊され、何世紀に渡る歴史と文明と人々の記憶が壊滅しようとしています。
ガザ地区の人々にとって、この100日間は100年のように感じられました。
今こそ、人間の生命の価値を取り戻す時です。
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