隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1545.弁護側の秘密

2015年10月01日 | リーガル
弁護側の秘密
読了日 2015/04/21
著 者 小杉健治
出版社 双葉社
形 態 文庫
ページ数 332
発行日 1987/04/25
ISBN 4-575-50123-9

 

上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。

 

月(9月)28日に病院に行ってきた。9月初めカミさんの病院通いに付き合った時、何の気なしに待合室に備え付けられた血圧計で測ったところ、204/130とかなり高い数値が示されて、血圧など気にしたことがなかったが、あまり高いので驚いた。別に具合の悪いところもないし、何の自覚症状もないから、それほど心配はしなかったが、帰宅後、自宅の簡易血圧計で再度計ったら、やはり上は200超の数値で間違いないことが分かった。
そこで、その後1か月にわたって日に3回ほどの血圧測定を続けた。上が130~140程度と比較的普通の数値のときもあるが、相変わらず200を超える時があった。そうなると心配になって、病院に行って診てもらおうということになる。

 

 

午後の診察は2時からとなっていたので、早めに1時過ぎに家を出て1時半前に病院についたのだが、なんと待たされること2時間半余り。診察が始まったのは4時少し前だった。そんなこともあろうかと、読みかけの文庫本を持って行ったから、待つのもそれほど苦痛ではなかったのが幸いだった。
1か月の血圧測定表を持参してドクターに見せたが、ドクターは首をひねって、「低い時もあるからやたらに降圧剤を飲むのも危険だな」と言う。具合の悪いところはないかなどといろいろ聞かれたが、血圧の高くなる要因には一つも当てはまらない。
心電図を見たり、血液検査のための採決、尿検査のための尿採取、X線撮影などを行って、後日検査結果を聞きに行くことになった。降圧剤はブロプレス錠 2mgという錠剤が14日分処方された。毎朝食後1錠服用することとなっている。
今まではいつでも、血圧は正常の範囲内だったから、気にしたこともなかったが、どうした具合か?全く心当たりもない。数日後の検査結果を待つしかない。心配しても始まらないか。歳をとるといろんなことが持ち上がるものだ。

 

 

て、四年前の2011年から著者の作品を読み続けて、本書で20冊目となった。幾度となく同じことを書いてきたが、僕は若いころ夢中で読んだE・R・ガードナー氏のペリー・メイスンシリーズで、リーガル・サスペンスの面白さのとりこになった。弁護士だったガードナー氏が、スリルに満ちた法廷場面を描けるのは、当たり前のこととして受け止めてきたが、小杉氏のように司法の世界とは無縁の人が、リーガルサスペンスを続けて発表していることに、感心するやら驚くやらで、全作読んでみようなどと思ったのである。
だがそんな著者も少し前から、時代小説が多くなって最近はリーガル・ストーリーは書かないのかと思ったが、それでも少しずつは続いているようだ。裁判小説や法廷ミステリーを書く作家はほかにもいるのだが、著者の作品を好んで読むのは複雑な人間模様や、過去にさかのぼる事件の元とか読み応えのある物語のせいだ。

 

また、検事や弁護士といったキャラクターの魅力にもよるのだろう。著者の作品にも同じ主人公を配したシリーズともいえる作品がいくつかある。検事・沢木正夫が活躍する作品には、テレビドラマになっているものもあり、他にも原島という弁護士を主人公とした作品もいくつかある。
従来僕はそうしたシリーズ作品を結構数多く読んできたような気がする。それというのも、やはりおなじみのキャラクターが活躍することへの安心感―つまりつまらない作品ではないだろうという思い―がありからだろう。そうした思いは作家に対しても同じことで、この著者の作品だから面白く読めるだろうということになって、おなじみの作家の作品がどうしても多くなる。
僕はこの読書記録を始める時に、一つは幅広い作品に接したいという思いもあって、出来るだけ多くの作家の作品を読もうということも、目標の一つだった。だが、とにかく面白い作品が読みたい、という気持ちも強くついつい同じジャンルの、同じ作家の作品を多く読むことになってしまうのは、仕方のないことか。

 

の文庫には著者のあとがきがあり、17年勤めたソフトウェア会社を退職して、専業作家になった旨が書かれている。そうした時期に書かれたのが本作だということだ。その昭和60年といえば、すでに30年も前のことである。著者の初期の作品は、力のこもったストーリーで司法の世界の難しさを描く。
かつて国選弁護人・清原は被告に対して、不利な弁護をしたとして、弁護士会から糾弾された。7年後、水木邦夫弁護士のもとを訪れたのは、その清原の娘・郁子だった。彼女は父親が弁護を放棄した被告・奈良林が無実だったのではないか、というのだ。果たして・・・・。スタートから先行きの読めない展開を示して行く。

 

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿