東京バンドワゴン ヒア・カムズ・ザ・サン |
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読 了 日 | 2015/06/21 | |
著 者 | 小路幸也 | |
出 版 社 | 集英社 | |
形 態 | 単行本 | |
ページ数 | 300 | |
発 行 日 | 2015/04/30 | |
ISBN | 978-4-08-775424-7 |
当は2-3年後に文庫化されてから読めば、安上がりなのはわかっていながらも、なかなかそれまで待てないのが僕のダメなところだ。このシリーズは毎年4月末に発行されて、その前の前の巻が(確かなことは忘れた)文庫になると決まっているようだ。
何年か前に番組はなくなっているが、NHKのBSで放送されていた「週刊ブックレビュー」で誰かが紹介していたのを見て、初めてシリーズ第1巻を読んだのは、4年も前のことだった。その第1巻で昔ながらの下町の風情に郷愁を感じて、(幼いころ僕も東京の下町に住んでいた)ファンとなった。
もともと著者の作品は最初に読んだ「高く遠く空へ歌ううた」などで、癒されるような独特の雰囲気を感じていたから、このシリーズでなお一層続けて読みたいという欲求が高まったというわけだ。長く続く作品はどうしても、マンネリズムに陥りやすいが、僕はこういう作品こそ、いい意味でのマンネリズムを歓迎したい。つまり、いつ読んでも同様の世界に入ってその雰囲気を楽しめるということだ。
1昨年は日本テレビでドラマ化され、10回にわたり放送された。多少は原作との雰囲気が異なるところもあるが、ドラマはそれなりに昔ながらの下町の風情を感じさせてくれた。原作で一番心地よく感じるのは、堀田サチの語りだ。いつも巻末に、「あの頃、いつもたくさんの涙と笑いをお茶の間に届けてくれたテレビドラマへ」というフレーズが記されているが、“あの頃”に活躍していたお母さん女優に、京塚昌子さんがいた。
僕は、いつもこのシリーズを読むときに、彼女を思い出す。1994年に64歳で惜しくも亡くなったが、多分あの頃テレビドラマを見ていた人の心に残っているのではないか。
1昨年のドラマではその堀田サチが出てこないというのが残念なところだった。
れにしてもいつまで続くかわからないが、多くの根強いファンに支えられて、著者もなかなか終わることができないのではないか?などと余計なことを考えてしまう。それでも一読者としては、できる限り長く続けてほしいと願うのだ。
そして、またドラマにならないかとも思っている。NHKの朝の連続ドラマのように短くてもいいから、長い期間続けてほしいと思うが、それはちょっと無理だろうな。
# | タイトル |
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夏 | 猫も杓子も八百万 |
秋 | 本に引かれて同じ舟 |
冬 | 男の美学にはないちもんめ |
春 | ヒア・カムズ・ザ・サン |
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