隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0944.四季 春

2009年01月04日 | ファンタジー
四季 春
読了日 2009/1/4
著 者 森博嗣
出版社 講談社
形 態 新書
ページ数 265
発行日 2003/9/5
ISBN 4-06-182333-7

 

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間に2冊ほどの他の作品を入れながら、モリ・ミステリを読むというパターンが定着しつつある。それは、有限である僕の読みたいモリ・ミステリを短い期間で読み終わってしまわないための方策だ。ということで、予定では今回「Φは壊れたね」を読むつもりでいたのだが、前回の犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズ最終作「有限と微小のパン」で、真賀田四季への想いが抑えがたくなって、寄り道をすることになった。

 

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天才プログラマへの成り立ちがどのような経緯を示すのかが、本書の内容なのだが、タイトルからも想像出来るように、四季のシリーズ4部作となっており、その第1作である。彼女の少女時代を描いた1作目は、多重人格の織り成す幻想的と言ったらいいか? 不思議な感覚のストーリーである。
真賀田四季については、成人してからの真賀田四季博士の事件を描いたすべてがFになるで、その生い立ちなどが簡単に紹介されているが、本書では当然のことながらまだ彼女の両親である、真賀田佐千朗博士と美千代博士も、さらには叔父の新藤清二・裕美子夫妻も登場する。つまり、「すべてがFになる」までの遠くて近い過去の物語だ。

 

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前半の舞台となるのは新藤清二が院長を勤める新藤病院が舞台となっており、病弱だった幼少の四季(僅かにネタを明かすことになってしまう表現だが・・・)の現象を示す描写がある。この病院内で、若い女性の看護士が殺害される事件が発生する。だが、事件そのものはミステリーとしての重要な要素を示すものではなく、四季の一要素を語るファクターとして描かれているところが、今まで読んだS&Mシリーズと違って興味を惹かれるところだ。
一応13歳までの真賀田四季を描いており、そこまでという点では完結らしいのだが、やはりこれは、「冬」まで読まないと真の完結にはならないのだろうな?

 


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