隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

0368.猿若町捕物帳 ほおずき地獄

2003年04月04日 | 時代ミステリー
猿若町捕物帳 ほおずき地獄
読了日 2003/4/4
著 者 近藤史恵
出版社 幻冬舎
形 態 文庫
ページ数 210
発行日 2002/10/25
ISBN 4-344-40284-7

 

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先月末に読んだ、猿若町捕物帳シリーズ(365.参照)の第2弾である。
江戸・南町奉行所の同心・玉島千蔭は、中村座の狂言方、桜田利吉からほおずきを落として姿を消す幽霊が、吉原に出るという噂のあることを聞く。そんな折、千蔭は吟味方与力・青野籐右衛門から、姪のお駒という娘との縁談を薦められる。そして、殺人事件がおき、そこには、ほおずきが残されていた。
玉島千蔭は、中村座の女形・巴之丞と花魁・梅が枝の協力を得て、事件の解明へと乗り出す。

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今泉文吾シリーズでもそうだが、ストーリーを形成するファミリーの作り方が、うまい。好感の持てる仲間たちによる行動が、物語をいっそう面白くしている。
僕は、作家たちの書いた本を読んで、ただ言いたい事を言っていれば良いのだが、一つの物語を紡ぐというのは、結構大変な作業なのだろうと想像する。でも、僕はこの著者には、天才肌のようなものを感じる。まあ、作家というのは、おおむね無から有を生み出すのが仕事だから、皆、大なり小なり天才的な面があるのだろうが・・。
というようなことを考えていたら、昔のことを思い出した。

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会社勤めをしていた頃の話だが、僕が30歳から45歳までの15年間勤務していた会社は、一介の商社マンだった当時の社長が脱サラで始めた会社で、現在では、店舗数百数十店に及ぶホームセンターを経営する一部上場企業だ。
そこまでになるには、勿論社長をはじめとする経営トップ陣の不断の努力と、精進があったことは間違いないのだが、また、時流に乗った経営ということもあるだろう。
だが、一つには、トップに天才的な経営感覚があっただろうということも推測されるのだ。さらに話を進めると、会社の方針として、社員教育が徹底しており、社内外での研修・セミナー等が数多くあった。
その中心を占めていたのが、東京青山に本拠を構える経営コンサルタント集団に加盟していることだった。小売業・チェーンストア業界では知らぬ人なしというくらいの高名なグループで、わが国で主だったスーパーストアは殆どこのグループに加盟して、そこでの社員研修を受けていた。いや、社員研修に限らず、トップ研修をさえうけていた。
そこで、なぜそのグループに多くの企業が加盟して、研修を受けるのかといえば、そのグループのカリスマ的存在の主宰者・総帥にある。
僕は、天才というとこの人を思い浮かべるのだ。僕も社員だった頃は、何度となくセミナーを受講したが、それから二十年以上たった今でもオーラを発しながらの講義を懐かしく思い出す。
アメリカでのチェーンストアの展開と成功をいち早く、マニュアル化への取り組みをして、わが国の流通革命の一翼を担ってきたとも言える天才肌のコンサルタントである。

天才から読書とは関係のない話になった。

 

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