隅の老人のミステリー読書雑感

ミステリーの読後感や、関連のドラマ・映画など。

1614.精霊の守り人

2016年03月28日 | ファンタジー
精霊の守り人
読了日 2016/03/28
著 者 上橋菜穂子
出版社 新潮社
形 態 文庫
ページ数 360
発行日 2007/04/01
ISBN 978-4-10-130272-0

 

上の著者名をクリックすると、今まで読んだ著者の作品一覧へ移動します。

 

る25日金曜日、月に一度の検診日で薬丸病院に行ってきた。前回の「迎撃せよ」のところでは、息子のことを書いたので、長くなるから通院については書かなかった。僕の血圧の高い状態は昨年秋からのことで、取り立ててどこか具合が悪いということではないが、血圧が高いということはいろいろと不都合をもたらす要因となるから、毎日朝晩の血圧測定と内服薬は欠かさず行っている。加えて、月に一度血圧管理手帳を携えて、医師の検診を仰ぐということが続いている。
薬を飲んでいるせいか、以前ほど高い数値が現れることはなくなったが、まだいささか不安定な状態で、薬の成果が表れないのを、ドクターも不振に感じているようだ。そこで、今回は3種類の降圧剤の内一つを少し強めのものに変えてみようと言う。
6カ月弱記入できる血圧管理手帳も2冊目となるなど、こうした状態はもう半年を過ぎたのかと、少し憂鬱になるが元来楽天的な僕は、そのうち何とかなるだろうと、気楽に思うことにしている。次回の通院は4月22日となった。

 

 

上橋菜穂子氏が2014年、国際アンデルセン賞を受賞したということで、テレビ他のメディアで大きく取り上げられたのが、つい昨日のような気がしている。そして、3月19日からNHK総合テレビで、本書を原作とするドラマが始まった。全22回にわたるドラマだが、2018年にかけての放送で、シーズンごとに数回に分けて放送されるようだ。
第1シーズンは4月9日までの全4回だそうだ。本を読みながらドラマを見ているが、おおよそは原作に沿って作られているが、細かなところで少しずつ変わっているところもあり、その辺りも興味を惹かれるところで、本格的なドラマ作りに力を入れている様子が、通り一遍ではないドラマ作りの姿勢がわかる気がする。
従来わが国ではこうしたファンタジーの映像化はあまり例がない。海外の、特に英国で制作され世界中で人気を沸騰させた、「ハリー・ポッター」シリーズに触発されたわけでもないだろうが、根強い人気を、特に海外の数か国で翻訳されている、上橋氏の作品はこの“守り人”シリーズだけでも12巻もあり、ドラマがどのように発展していくのか大いにそそられる。

 

 

がこの作品に惹かれる一つの要因は、女性が主人公と言うところだ。女性の著者が女性の読者を対象に?、女性・主人公の活躍を描く、というとその昔一世を風靡した3F作品を思い浮かべるが、本書がそれと違うところは、老若男女を問わず楽しめるエンタテインメントだというところだ。
お茶の間で家族そろって楽しめる、そんなテレビ番組が数無くなっている今、このようなドラマが生まれたことは、大いに歓迎すべきことだろう。
本を読んでいると、舞台となっている国や村などの、謂れや仕来たりや人の繋がり等々が絡み合って、そうしたところがどこかにあり、あるいはずっと昔にそんな国があったような、懐かしささえ覚えることがあるのだ。
先頃引退したアニメ界の大御所・宮崎駿氏の「風の谷のナウシカ」と、ある意味共通したところも感じられるのも、要因の一つか。だが、この作品が最初に刊行されたのは平成8年と言うから、20年も前のことだ。
それが今頃になってテレビドラマ化されるのは、やはり、そんな時期が来たということなのか?

 

 

バルサというが短鎗を巧みに操り、群がる敵と戦う場面はドラマの綾瀬はるか嬢の、ダイナミックである種華麗な動きを見ているから、本の場面も想像できる。
ヨゴと言う国の第二皇子チャグムに何か恐ろしいものが宿っている、と言うことから帝は事故に見せかけて、皇子を亡き者にしようとたくらんでいるというのだ。皇子の一行が高い吊り橋を渡っていた時、突然牛車を引いていた牛が暴れて、投げ出された皇子が河に転落した。
たまたまそれを見ていたバルサはとっさに河に飛び込んで皇子を救い上げた。そんなバルサに二の妃(第二の妃)は、「皇子を連れて逃げてほしい」と依頼するのだった。そして、皇子チャグムを伴ったバルサの逃避行が始まる。

女用心棒・バルサのとてつもなく強さを表す戦う場面も良いが、いろいろな人たちとの関わりや絆と言ったものが、この冒険物語を引き締めて一層面白くしている。テレビドラマは昨日27日の日曜日でまだ2回だが、この先の展開がどのように描写されるのかを大いに期待している。

 

 

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿