杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

椿さん界隈

2010年02月23日 | 日記
もうカレンダ-がめくれたので昨日になったが ?
椿さん最後の22日夜、南環状線沿いの大駐車場へ車を止めて、
久しぶりに朝生田辺りから西石井町~椿神社のある居相町へと、
歩いた。
・・・・・・・・・・
この町は、私が八幡浜市から昭和55年に出て来て・・・
初めて事務所を借りた町である。

今と違って、まだまだ農地がまばらに点在して高層マンション
等の無い、のどかな田園風景が残っていた時代だった。
初めの頃は、未知の土地に対する不安より、志に燃えて自分を
奪い立たせようと意気込んでいた時代だった。

それもつかの間、厳しい松山の現実を肌で感じる苦闘の時代が
牙を研いで待っているとは知る由も無かった。
個人的な身内の問題で足をとられ、家族に苦労を強いる月日の
始まりがそこに来ていた。
私の人生にとって、失われた迷走の10年間である。

八幡浜時代、多くの人達に助けられ商売も順調に来ていただけに
松山の貧乏生活は、ひとりの男の人間としての、ぎりぎりの忍耐力
を試される地獄の日々でもあった。

私が、先般請け判で(連帯保証人)地獄の釜の一歩手前まで落ちつつ
あった人のことに触れたが ?
それと別の意味で、私に苦闘、苦悶の日々を運命は与えたのである。
大人に成るということは ? ある意味で、子供時代から共に育って
来た肉親との決別を余儀なくされる・・・
悲劇の幕開きを知らされることなのだと悟った。

同じ肉親でも、顔かたちが違うように、考え方、生きる覚悟全てに
おいて別の人格なのだと思い知らされた。
私の人生において、心の中で振り切った肉親との決別でもあった。
他人ではなく肉親との信頼関係の崩壊ほど心を傷つけるものはない。

これが私の、人生なのだと悟った時、自分の家族に対する万感の
思いは、男として頭を垂れる以外なかった。
一生掛けて償い続けなければ成らない家族への懺悔である。
・・・・・・・・・・
夜の椿さん界隈を久しぶりに歩いた・・・

昼間は、車でやや広めの道路を通ることはあるのだが ?
細い路地、新しい幹線道路を横断して再び路地に入る、
家々の明かりが強弱に揺れる・・・。

私の知らない家族が居る ?
それぞれの生活を抱えて日々が明け暮れている ?
身体の弱い家族を抱え、歯を食いしばってがんばっている ?
明日の米を心配して子供が親の顔色を伺って身をすくめる ?
家族団らんの絶えない幸せ家族 ?
これでもかこれでもかと貧乏に振り回される家族 ?
私は、一軒一軒の家々を見ながら、
思いを巡らせて歩いた !?

人間ひとりひとりの力は微々たるもの・・・
政治がきちんと機能しないと、個人の幸せは吹き飛んでしまう。
しゃぼん玉のように飛んで消えてしまうのである。

椿さんは・・・
昼間ほどではないが、それでも多くの人で溢れていた !?
私は、なつかしい思い出を辿って・・・
表参道から裏参道をひとりで、人ごみに身を任せながら屋台を
眺めて歩いた。

焼きそば、天津甘栗、いか焼き、たこ焼き、やきりんご、甘酒、
とうもろこし、東京ケ-キ 等々 ・・・・・
食欲をそそぐ、沢山の人々がサイフを開けて買っていた。
最後の 追い込みで、呼び込み人の掛け声も熱を帯びていた !?

若い者、若い女性、年季の入ったおじさん達、おばさん達・・・
ここにも生活に汗をかく人たちが居る、
社会は、それぞれの持ち場で働く人々で成り立っている。

本堂の石段下で、同級生の Yっさん夫婦と出会った !
昨夜の参拝予定だったが、今晩に変更したとのことである。
奥さん交えて周囲の雰囲気に飲まれながら声を張り上げて談笑した。

いろいろな人が、市内から市外から、道後温泉に泊まって参拝する
県外の人も居るかもしれない。
それぞれの世界を、さまざまな想いを持って歩いているだろう ?

「がんばってますか ? 幸せですか ?」
( 良い人生でありますように !?)
私は、すれ違う人々に心の中からエ-ルを送っていた。

人ごみを離れて、駐車場への帰途についた。
なつかしい町の軒下を眺めながら、その路地先に視線を這わせながら、
私の苦闘時代を知っている町並みを歩いた。

二箇所ほど、交通事故現場を通りかかった・・・
私が先般経験した現実である !?
若い青年たちが戸惑いの表情で、現場検証のための警察車両を
待っていた。
「 椿さん、苦い思い出になったネ ?」
「 でもくじけちゃいけないよ !?」
「 きっと良いこともあるからね。」
「 彼女との仲が、より一層強くなったかもしれないよ !?」

途中、土地家屋調査士先生から揉め事の立会いの連絡が入った。
私の都合に合わせて対立する両者の出会いの場がセッテングされる。
私が居ないと、他の者では仲裁は出来ない・・・。

人の心の弧線に触れないと、この問題は解決しない。
どれだけ、相手の心に暖かさを届けられるかである。

私は、どんな人でも 宇宙船 地球号の乗客仲間だと思っている。

「 宣候 」 ( よ-そろ- ) ・・・。。。

                  合掌

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