杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

金山出石寺

2010年01月10日 | 日記
何年ぶりかで ? 想い出の金山出石寺へ初詣に出向いた。

山頂付近までは、柑橘の採り入れが終わった後の、
のどかな、普通の農村風景が続いていたが・・・?

(あれっ ! 道路脇に雪が残っているな ? )
同乗者と話しながら更に車を進めた。

ところが、予想を遙かに超える景色の変化を見ることになろうとは、
知る由もなかった ?
道路一面、真っ白い雪が残って車がスリップして進まなくなった。
周囲の土手、樹木が生い茂った自然林一帯も雪がまばらではあるが、
積もって冬景色そのままである。

地元のお百姓さんの軽四トラックは慣れているせいか ?
ゆっくりとだが安定した走りで登って行く、
私の車は、スリップして進まなくなったので、
雪のない外カ-ブの路肩へゆっくりと寄せて駐車した。

私に見習って2台の車が前後に駐車した。
其の後は、雪道を約15分ほどかけて歩いて登る羽目になった。

数組の家族連れの参拝客がすれ違いに降りてきた、
みなさん、ゆっくりと用心をしながら歩いている。
我々と同じく参拝途中の数組も白い息を吐きながら登って行った。

お寺について、山門の鐘を突いた。
身の引き締まる冷気をついて、厳かに出石寺の鐘が辺りに
鳴り響いた ! ?

ロ-ソク、お線香をあげて、お参りを済ませた・・・。
一息ついて周囲の景色を眺めた・・・。

八幡浜方面は、寺の周囲の樹木に遮られて見えにくかったが ?
大洲盆地・市街地は霞の中に光り輝いていた。

お札売り場で、家族の交通安全のお守りを買って・・・
売店で、お土産を求めた。

山門から駐車場へ続く石段を見下ろすと、お大師さんの像が・・・
山門、頂上に向って佇んでおられた。

・・・・・・・・・・

振り返ること45年前、後輩達に山門まで見送られて・・・
1週間の山篭りに入った。

石段の一番上段、今まさに立っている段は、
お寺で下働きされていた地元のHさんと、道着姿で雑談した場所。
なつかしい、はげましの言葉、心に留めたい言葉を頂いた場所 ! ?

朝は、和尚さんの読経のお勤めについて回り、精進料理を頂いて、
お寺周辺の山々、谷、八丁坂を素足・道着姿で駆け回ったのである。

樹木の幹を相手の鍛錬、忘れがたい思い出である・・・
私は、生まれて初めて遭遇したのだが、石段の上り口の脇で、
黒い蛇(カラス蛇)を見ることになった ! ?

殺生は駄目なので、遊び心もあって
しばらく鎌首をもたげた黒蛇さんと睨めっこ ?

黒蛇は、追いかけて来て、飛び掛って来ると聞いていたので、
視線を外さないでの数分間だった。
その内、蛇さんは気疲れされたのか、踵を返して横の土手の方へ
鎌首をもたげたまま消えて行った。

夏の出石寺は、近隣企業の社員研修の場でもあって、
私の知り合いの会社員も団体でやってきた。

「Uさん ! がんばってよ ! 身体気をつけてな ! 」
1泊2日か、せいぜい2泊3日の彼たちは私に言葉をかけて、
お寺から下りて行った。

その当時の老住職さんは、名前の知れ渡った有名な和尚さんで。
心に沁みる御説法を頂いた。
私の人生に、かけがえのない経験と想い出を頂いた1週間だった。

「忘れてはならない青春の1コマである。」

1週間後、後輩達が嬉々として迎えに来てくれた。
その間、私のアパ-トは後輩達の無礼講の場となっていたことは
云うまでもない。
其の夜は、10名近くの青年達が、私のアパ-トで祝杯を挙げた。
男同士の友情は、何物にも代え難い ! ?

「私の、忘れてはならないあの日である。」

・・・・・・・・・・

お寺さんへお参りする人々は・・・
みなさん、それぞれ声を掛け合ってすれ違う ! ?
それは、老若男女問わず同じである。

市井においても、このように穏やかに挨拶できる環境であれば、
日本の国も捨てたものではないのだがと ! ?
私は、しみじみ思いながら山を下った。

雪景色から~蜜柑の採り入れが終わった後の寒村風景が・・・

目の前に広がっていた・・・。。。

                     合掌


愛媛県大洲市長浜町 金山出石寺境内にて。
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