私は子供のころから音もなく降る雨が
好きでした。
台所の上の四畳半の和室が僕の部屋。
我が家の裏は
家の前の広場を造成する為に土を取った
跡の崩れた山肌。
ところがこの崩れた斜面が子供にとっては
格好の遊び場になっていたのである。
子供の知恵、子供なりに自然にうまく溶け
こんで自然をも味方に引き入れる能力を
表していた。
大勢の兄弟姉妹の中で下から3番目の私に
居場所といえば、祖母が亡く . . . 本文を読む
四国がんセンタ-で内視鏡検査を受けた。
帯状疱疹に、罹ったり、睡眠不足等もあって
体重減少に見舞われたこの数ヶ月だったので
厳しい検査結果が出るのではないかと覚悟
していた。
前回と違って今日は私とご婦人の2人だけの
検査となった。
私のことだから心配で緊張されている婦人に
お声をかけて気持ちの動揺を除いてあげた。
地獄に仏とはこの事だったらしく、
逆に、ご婦人は雄弁に話しかけてきた。
下 . . . 本文を読む
世の中には、いろいろな人々がいる、
自分だけの、自分の家族の幸せだけを
考える人。
人の不幸を我がことのように心痛めて、
手を差し伸べて共に泣くことの出来る人。
私利私欲に走り、他人の不幸は蜜の味、
我がテリトリだけの栄華を求めて国を
亡国へと走らせるエリ-トたち ?
この国の形って何ですか ?
この国に誇れるものは有るのですか ?
今朝のテレビで観る教職員の会場での野次
あれでも教育者 . . . 本文を読む
公と私を厳然と使い分けたい私には
何かと悩ましい問題が立ち塞がる、
今までの経緯上、共に同じ方向の同士として
共闘出来ない立場に置かれてしまった場合、
この、公と私の間で思い悩むことになる。
私が出した独りよがりの結論は ?
先達を見習ったらどうだろうかと云うことで
ある。
私が知り得る範囲で、我が組織にはふたりの
議員さんが居る。
社会的にも尊敬され、行政へのチェック機関と
しての役割 . . . 本文を読む
若い会員さんと落ち着いた喫茶店で
お会いした、
右も左も判らない暗中模索の新人さんで
ある。
暗闇で一筋の明かりほど嬉しいことはない、
一言優しい言葉を掛けて貰うだけでどれ程
救われることか我が身の経験でよく分かる。
近年競争率の厳しい試験合格組さんである。
「よく頑張りましたね !」 私の慰労に
清々しい笑みを見せた。
こういう会員さんが、これからの組織には
必要であり、
じめじめとした . . . 本文を読む
生活に追われ、歳を取るほどに武道から
遠ざかって行ったが、
ただひとつ、頑なに続けていることがある、
それは貫手 !
空手の技のひとつ。
多分終生、死ぬまで使う事はないが、
万が一、生き死にの場面に遭遇したら、
無意識の内に使う技だろうと思っている。
若かりし頃、私の無二の親友が
「Uさん、貫手は効きますよ !」
当時肉体労働の現場で、
現場監督をしていた友は荒くれ共を指揮して
いた。
. . . 本文を読む
其処は町外れの一角に有る公園のようで、闇の中に
静まり返っていた。
私は、ポツンと佇んで物思いに沈んでいた。
3つの人影が無言のまま近寄ってきた、ところが
どういう訳か体の自由が利かない。
十メ-トル先の幹線道路の車のライトが一瞬 帯状に
伸びてきた、
キラッ! 何かが光った・・・!
シュッ・・・! 頬の数十センチ先を切り裂くような
音と共に何かが空を切った。
(これはやばいな ! . . . 本文を読む
私は今、自分の人生とは何だったのか、
多忙の中の思索の時間に思いを巡らしている。
生まれた環境と育った道程、
袖すりあった人々との縁、
喜怒哀楽と出会いと別れ、走馬灯のように、
脳裏をよぎっている。
心ならずも別れて行った人が居るかと思うと、
思いもよらぬ出会いがもたらされたことも有る。
運命と云うには計り知れない不思議である。
親から子を経て、そして、その子や孫に至る、
血の流れ、系統の存 . . . 本文を読む
「家に犬か猫を飼っていますか ?」
「飼っていません !」
「奥さんが嫌いなの ?」
「いえ! 妻はラブラド-ルを飼いたいのですが
いろいろな事情で まだ飼っていません !」
「飼いなさいよ ! 子供の情操教育に良いですよ ?」
「子供達にスポ-ツを教えていますので
今のところ時間がないのです !」
「私は、動物愛護センタ-で処分される直前の犬か
河川敷で捨てられている犬を引き取っ . . . 本文を読む
昨夜のWBCミニマム級チャンピオンの井岡一翔(井岡)
と、WBA同級王者の八重樫東(大橋)による、日本人
同士で初の両団体の王座統一戦12回戦は(20日、
大阪市・ボディメーカーコロシアム)井岡が3-0で
判定勝ちしたが、予想にたがわぬ良い試合になった。
日頃テレビで拝見している井岡選手の周囲に対する礼儀
正しさに好感を持っていた私だが、
一方の八重樫選手を見るのは初めてだった。
一言、素晴ら . . . 本文を読む