杉の子のひとりごと

私の交友録などを中心に,思いを綴っていきます。

I君とのお茶会

2012年02月29日 | 日記
のどかな昼下がりである。 私は、ひとりの男を懐かしがっていた、 年齢は私よりずっと下だが、親戚筋に当る 彼は故郷を出てこの東温市に居住して居る。 ケイタイ電話をかけてみた、 近くの図書館に居るとのことだった。 私の家より4~5分の距離、早速待ち合わせの 約束を取り付けて、馴染みの喫茶店で待ち合わせ と為った。 しばらく見ない内に頭はすっかり白髪になっていた。 私の甥と同級生、 子供の頃よ . . . 本文を読む

親子二代

2012年02月28日 | 日記
30年以上前の話である。 私の家の前を、ふたりの兄と妹が歩いていた、 小学校に入ったばかりの兄ちゃんと保育園に 通う妹であった。 妹を労わるように兄は優しく手を引いていた。 2人の父は、その少し前に急死したのである、 母は県都から嫁いで来て、夫婦は仲むつまじかった。 小さな飲食店を経営する気心の合った店主Bが、 ひとりの恰幅のいい男を連れてきた。 一目見て、私は分った ! 東京は、有 . . . 本文を読む

手加減

2012年02月27日 | 日記
パトカ-と黒塗りの車がサイレンを鳴らして やって来た、 キ-ッ ! 急ブレ-キの音とともに刑事が 4人、店内に雪崩れ込んで来た。 ウェイトレスのSちゃんが110番回して10分、 Y署刑事課の屈強な男達が飛び込んできた。 底の割れたビ-ル瓶を握って猟師のA、相手は 見るからにその筋の伊達男がふたり ! 始まりはこうである ? ボックス席に見知らぬ男が2人、カウンタ-に 地元の底引き網漁船の乗組 . . . 本文を読む

七色の虹

2012年02月26日 | 日記
夢の中で・・・ ふたりのガキが歩いていた。 終戦直後の空襲で焼け果てた焦土の街に オイラはダチと歩いていた。 焼け出された犬が悲しげに彷徨っていた。 「お前も、おとう、おっかあ とハグレタかい ?」 オイラもみなし子だい !」 昭和20年の夏は、やけに暑かった。 ・・・・・ 時代は、国民等しく貧乏からの出発だった、 再建の槌音が、あちらこちらから鳴り響き、 焼け野原が、見る見る内 . . . 本文を読む

悲しみの連鎖

2012年02月25日 | 日記
日常の生活を少しだけ変えてみる、 いつもの環境から外に目を向ける、 何気ない日々の生活が新鮮なものに変わる。 香川県行政書士会のADR研修に参加した、 連合会から講師の先生方が見えられて、 引き込まれる熱演が展開された。 いわば模擬調停である。 弁護士会から参加されていた弁護士先生が、 その熱演に感嘆の声を上げられた、 「本物の役者さんのようで面白い !」 日常から一歩外に出る、 そこには . . . 本文を読む

やるか!

2012年02月24日 | 日記
バシッ! 空気を切り裂いて右のフックが炸裂した。 テンプルに見事にヒットした、男は声も無く崩れ落ちた。 一瞬の出来事である。 肩幅のがっちりとした中肉中背のAは、私の顔を見て ニャリと笑った。 港町の土曜夜市が終わりかけて、下道の飲み屋街の 賑わいが迫っていた、 私とAは、相方のBと3人で、バ-Nに向かって歩いて いた、 暗がりの向こうから若い4人連れのチンピラ風が姿を 現した、 我々は、 . . . 本文を読む

天網恢恢

2012年02月23日 | 日記
「天網恢恢、疎にして漏らさず」 私が人を励ます時に話す言葉がある、 「お天道様はお見通し、真面目に頑張っていれば良い ことがありますよ。」 山口県光市の母子殺人事件に関連して被害者の夫であり 父親でもある本村 洋さんの取調べを担当して尚且つ 支えてくれた刑事さんが言ってくれた言葉、 「天網恢恢、疎にして漏らさず」 「天は、きちんと見ていて、悪い人をその網から 漏らさず、必ず罰をあてる」 . . . 本文を読む

恋人たちの場所

2012年02月22日 | 日記
忘れられない映画がある。 恋人たちの場所 1968年 アメリカ映画 MGM配給 監督 ヴィットリオ・デ・シーカ 主演 マルチェロ・マストロヤンニ   フェイ・ダナウェイ この洋画は、私が杉の子を開店した後に、洋画専門館で 上映されて、ひとりで観たものである。 イタリアのエンジニアと第一線のファッション・デザイナ- 彼女は不治の病におかされ、余命いくばくもない身だった。 まだ若 . . . 本文を読む

死刑判決

2012年02月21日 | 日記
山口県光市の母子殺人事件の発生から13年、 5回の判決を経て被告の死刑が確定する事になった。 長い年月であった、 被害者家族の苦しみは我々にとっても胸の苦しくなる 思いだった。 ご主人本村洋さん厳しい表情を崩す事はなかった。 新聞、テレビで観る、事件のあらましと裁判の進展は 弁護団の弁護方針の奇異さもあって国民の注視を浴びた。 人の命が失われ、また極刑判決により加害者の命が 絶たれる事になる . . . 本文を読む

姉に想う

2012年02月20日 | 日記
姉は過ぎ去りし過去を昨日の事のように、 語り続けた。 数十年前に亡くなった妹の事を、 私にとっては姉になるのだが、涙を流して 語っている・・・ 「お墓に入れてやっての ! 可哀想に ? 入れてやったのよ ! ・・・・・」 辛い別れになった姉は、 不治の病に苦しんだ末、薬石効なく旅立った。 姉は、それを昨日の事のように話すのである ? 下の姉と一緒に、その語りを聞いている内に、 あの辛い闘病 . . . 本文を読む