「ねこ駅長」を眺めて和む。

和歌山電鐵の終着駅・貴志駅。
そこに一匹の猫が住みかにして久しい。
「おもちゃ電車」を待つ間、その猫－今では「ねこ駅長」という官職まで持っている－「たま」の様子を眺めてみようと思う。


駅に戻ってきた時の「たま」の様子。
与えられたゲージの中で惰眠を貪っている。

このまま眠ったままなのかな・・・と思って見ているとノソリと起きてきた。
そしてちょこんと座ってすまし顔。

一度起きてきた猫が大人しくしている試しはない。
早速動ける範囲を動き始める。
首輪につけられたリードで行動範囲が制限されているのが少々痛々しい。
というより首輪にリードという格好が「猫らしくない」。
当の本猫（？）はその辺りをどう思っているのか、人語を解するなら聞いてみたいところだ。

そうこうしている間に「たま」は改札口に上ってお座り。
駅構内の売店の小母さんから餌を貰ってご満悦の様子。
「おもちゃ電車」が近づいてくるにつれて、駅を訪れる人の数が増えてきた。
その中に「たま」目当てにカメラを構える人もいたのには驚いた。

そろそろこちらも動くか、と腰を上げて再び駅の外へ出る。
構内の踏切から「おもちゃ電車」がホームに入線してくる所を狙う。

真っ赤な電車がゆっくりと駅に近づいてきた。
連結面の窓が埋められているのがわかる。
そこにちょっとした違和感を覚えた。
この部分だけ捉えると長距離電車のようにも見える。
違和感は乗ってみれば解消されるだろう。
そうした理由はちゃんとある筈だ。

「おもちゃ電車」に乗ろうと再び駅に戻る。
「たま」は降りてくる乗客をじっと眺めていた。
あたかも駅長のように。