Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

大雪の名古屋駅で足止めされる。

2005-12-26 04:07:45 | 鉄道(JR)
22日、東海地方に降り続けた大雪は公共交通機関とその利用者に少なからぬダメージを与えた。
そして、この日の夜、上京を目論んでいた自分もダメージを受けた一人である。

という訳で、22日の夜「ムーンライトながら」に乗るべく名古屋駅に着いた。
いつもなら23時過ぎに名古屋駅に着くところを、今回は雪による遅れを警戒して時間に余裕を持とうとし、結果としていつもより早い23時前の到着となった。

駅の構内放送に耳を傾けると新幹線の延着を告げる放送が立て続けに流れている。
曰く「延着160分、払戻対象列車です」等々。
在来線の方はというと、こちらも凄まじい惨状を呈していた。
23時前というのに、駅の列車案内には20時代の列車が表示されている。
JR東海のホームページで見た運転状況よりも格段に悪い。

ちょっと気晴らしに外へ出てみる。
雪はまだ降り続けていた。


という状況だから、「ムーンライトながら」が22日中に来るかどうか怪しくなってきた。
駅員に運転されるか否か確認し、運休なら今すぐに引き返す。運転されるなら・・・待つ事にした。
有人改札は接続列車を聞く人、精算を求める人で人だかりができていた。
少し落ち着いた頃、話を聞いてみると「運休はしない。動かすことは動かすが、時間は未定」との事だった。
一応「ムーンライトながら」は運転される。問題は「いつ名古屋に到着するか」という事だが、23時30分過ぎの時点では「大垣を出ていない」との事だった。

かくして、日付が変わる。
改札口前で待つのも疲れたし、ホームの様子はどうだろうか・・・と思い青春18きっぷに日付印を押して貰う。
ホームに上がると、「これ、本当に名古屋駅?」という状況になっていた。

117系の屋根には雪が積もっていた。本当に名古屋の電車とは思えない光景だ。
駅の列車案内を見ると19:30発の米原行快速だ。
しばらくして、米原行快速はやっと発車していった。パンタグラフに付着した雪が放つ火花がバチバチと音を立てる。
そんな音をお供にゆっくりと西へ消えていった。

比較的混乱が少なかった中央線と関西線では、最終列車が発車しようとしていた。しかし、遅延している新幹線はまだこの後も到着する。
そこで、中央線と関西線に救済列車を一本ずつ設定して対応する事になった。
これが発表されたのが0時40分過ぎだと記憶している(寒くて意識が朦朧としていたから、その辺り正確かどうか自信がない事をお許しいただきたい)。

改札で状況を聞くも、「まだ大垣を出ていない、先行している列車を通してからの発車となるため、発車時刻のメドはついていない。しかし、必ず走らせる」との事。

ちょっとアタマを冷やすか・・・と再びホームに上がると、「富士・はやぶさ」が到着していた。
しかし、発車する様子はなく、抑止がかかっているようだ。
時計を見ると、1時30分を回っていた。もうこの時点で既に3時間遅れ。
持参していた三脚を立ててバルブする。


お次は後ろの「富士」を撮る。

改めて問いたい。ここは本当に名古屋か?

中央線ホームでは雪まみれになった211系が停車していた。

何度も書くが、とても同じ名古屋とは思えない雪の降り方だった。
その傍らで何時間も遅れて列車がホームに滑り込んでくる。
いつもなら沢山の乗客を詰め込んでいる車内だが、流石に大雪の後、しかも時間が時間だけに乗客はまばらだった。

三度、改札に戻り状況を確認する。
「まだ大垣を出ていない」とのこと。
もう、その言葉は聞き飽きた・・・と言いたくなるのをじっと堪える。
まだ名古屋に到着していない列車は多い。
その後にようやく「ムーンライトながら」がやってくる。

ホームに三度上がると、突然大阪からの寝台急行「銀河」が入線してきた。

機関車は勿論、後ろの客車も雪まみれになっている。

しばらく停車した後、東京へ向けて発車していった。
東京には「銀河」の方が先行して到着するのだろうか。

腕時計の針が2時近くを指すようになった頃、ようやく「ムーンライトながら」の状況が構内放送で流れるようになった。
曰く、木曽川駅を発車した、稲沢駅を発車した、先発する列車が出た後入線してくるとのこと。
ようやく、この雪の王国から脱出できると思うとそれだけで安堵してしまう。

そして、2時28分。
約2時間30分以上遅れて「ムーンライトながら」は名古屋を出発した。
いつもなら青春18きっぷ利用者を中心にごったがえしている車内もこの日はガラガラだった。
青春18きっぷに日付印は入れてあるので、後は寝るだけ。
熱田駅で「サンライズ瀬戸・出雲」が停車している所を見たのが、23日未明の最後の記憶となった。
「あとは野となれ山となれ」という訳ではないが、とにかく列車に乗れただけで満足だった。

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