Simplex's Memo

鉄道と本の話題を中心に、気の向くまま綴ります。

路面電車廃止後の岐阜市内をクルマで行く。

2005-04-16 21:15:14 | 鉄道(岐阜の路面電車と周辺情報)
15日の毎日新聞にこんな記事が掲載されていた。
内容は岐阜の路面電車の架線撤去が11日から始まったというもの。
撤去作業は交通量の少ない深夜から未明にかけて実施し、今月中に美濃町線と市内線の中心部計約6キロ分の架線を撤去する。郊外部分については6月中に全線撤去を終えたいとしている。

そんな記事を目にした翌日、所用があってクルマで岐阜方面へ向かった。
国道156号線から岐阜市内に入る。
入舟町の交差点で国道156号線を左折し、横道に入ると市ノ坪から出てくる田神線の線路を見つけた。
ならば、田神線の線路に沿って走ってみようと思う。
電車が走ることのない軌道の真ん中には白線が引かれ、車線が増えたことを教えてくれる。
そして、路面電車が消えたことをこれほどわかりやすく示すものはない。
それにしても朝方の道路は空いていて走りやすい。

東興町の交差点を左折。
ここから美濃町線の軌道に沿って徹明町方面へ走る。
この区間もここまで走ってきた道同様に走りやすくなっている。
もっとも、路面電車が走っていた当時もあまり混雑している道路という印象はなかったが・・・。
赤信号で停車した時に線路を見ると銀色の輝きは失われておらす、さび付いてない。
車がしょっちゅう線路の上を走っているためだろうか。

徹明町交差点を直行し、今度は岐阜市内線の軌道敷の上を走る。
先行する車は道路をペンキで区切っただけという徹明町の電停跡もおかまいなく通過していった。
自分は電停の白線を習慣的に避けてしまった。
朝早くということもあって、店舗のシャッターは下りている。
これが日中もシャッターが下りて、しかもその数が増えていくとなると町としては末期的な状況だと思う。

千手堂交差点を左折して忠節橋へ。
路面電車が走っていた時は「よく混む道だ」と思っていたが、時間が早いせいかスムーズに走れた。
対向車線を見ると、車が早田の電停跡の上を容赦なく通過していった。

忠節へ入る線路と別れて、車を北へ向けた。
これで廃線跡めぐりはおしまい。

路面電車で何度も通った道だが、車で走ってみると殆ど印象がない。
車だと前ばかり見ているためだろうか。
まして、空を見上げるなんて芸当はサンルーフでも装備しているか、オープンカーでもない限り無茶な話である。
架線撤去工事がどうなっているか、確認する余裕などある筈がなかった。

いずれにせよ、路面電車がなくなった事で車は走りやすくなっていること、通行に支障が生じていないことは確かだと思う。
そして、路面電車の痕跡を消す作業が始まったが、ほとんどの人は「もう終わったもの」と気にしていないように思えたのは自分の考えすぎか。

先に触れた記事では軌道敷の撤去は名鉄が道路管理者の岐阜市と協議する予定で日程は未定というが、仮にNPOによる路面電車の復活が成ったとしても、クルマでの移動が便利という意識が出来上がっている市民の意識を変えることは難しいのではないか。
もっとも、NPOの動きが海の物とも山の物とも知れない状況では無意味な仮定かもしれないが。

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