森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

論争なき業界とgood bye

2007年11月26日 22時50分32秒 | 過去ログ
日曜日、コースを終え、
いそいそと、奈良のみなさんと東京を後にする。
東京駅は連休ということでごった返し、
やっとのことで新幹線のチケットにありつける。

新幹線の中は、ここ最近の疲労で、睡眠。
京都駅に17時ごろつけば、そこは人の山々。
まさに、祭り。
祭りで無いのに祭り状態。

「そうだ京都へ行こう」の紅葉キャンペーンで人だかり。
近鉄のチケット前には長蛇。
ちなみに写真は大学前の公園の1週間前の紅葉。

「はあ~~」連休中に仕事をするのは、
もう何年続いているのだろう。
観光地に連休に向かうのは、いつも切ないが、これも今の運命。
それを大事にしたい。

この社会に貢献していればいいのだが、
それが上辺だけの感覚が否めない。
免許取得後の人間にいくらその重要性を説いても、
それも脳、難しい。
世界が転覆しないと、わからない。

学校教育が変わるのも、
もうその転覆を待たないといけないのかと思うと、
科学にいる人間としては少々つらい。

それもこれも、「論争なき学会・研究会」に問題があると思う。
「仮説」とは「論争」を巻き起こすための手続きである。
PT,OT,ST学会に果たして仮説がいくら提案されているのだろう。
それは、他の小さな研究会、むろん認知研究会にも同じことがいえる。
イギリスだろうが、アメリカだろうが、イタリアだろうが、
そこに絶対はない。

「論理」で「仮説」を「批判」してもらいたい。
それが、学問だし、「検証」作業である。
それも「実証」に向けて。
最初から、あきらめてはいけない・
最初から「すべて」を解釈のバイアスにかけてはならない。

自らの脳はいつも何らかの履歴、つまりバイアスを受けている。
それが、ヒトの意識の問題の難しさを作る。
しかしながら、そこにすぐに逃げてはならない。


しかし、この業界が、「論理的」かつ、
その論理から生まれる「仮説」に対して、
真っ向からの「論争」が起こることがくるであろうか。


「論争」をさけ、「融和」あるいは、「無視」、
あるいは「防御的攻撃」が始まっているように思える。


喧嘩両成敗とはいうが、
喧嘩するからいけないのだ(所詮同じ土俵に存在するからいけないのだ)。


圧倒的な「論理」を示してほしいものだ。


しかし、自分が引退するころの、この業界の絵図が予測できる。

現状は相当に厳しい。

「負けてしまいそうだし」、
負け戦に挑むのなら、
いっそうのこと「good bye」したほうが、
自らの精神にはいいのかもしれない。

20年後の自分、その自分は想像がつかないが、
20年後の所属するこの業界、それは、negativeな想像が膨らむ。
「未来」とは「創造」「創発」から生まれる。


そんなことを感じていた。


本日は、朝早く大学に出て、
「人間発達学」子どもの身体図式の発達、
脳のなかの身体、
自己とは何かの序説を述べた。

ラスコーの洞窟画を考えたが、
他者の存在なくして、
自らの顔を知る(視覚と体性感覚の統合)のためには、
「水(水溜り、池)」が必要だったのかもしれない。
それを言うことができなかった。

ターザンの一場面である。


「人間発達学」は、いよいよ、皆さんの解釈を問いはじめる。
なんとなくわかるけど、わからない、という感じで講義を進める。


あとは、自らがどれだけ、勉強するかだ。

ここからが「脳を鍛える」「脳をはぐくむ」「脳に柔軟さ」を与える。

とっさのときの、差がここから出るはずだ。



午後は「神経系理学療法学」
ataxiaのweight bear、フレンケル体操の科学的な意味、批判的吟味、
現代科学として、いったい何が足りないのか、を考えた。

固い老人脳の学生は、もうついてこれない。

これからが、現代僕の脳だ。

複雑系へようこそ。

その後、3時間卒論ゼミ。

ラストの6名の発表を聞く。

脳を研究している以上、スライドの作り方(視覚)、
原稿の作り方(言語)、
ポインタの使い方(体性感覚)のすべてをマッチングできるだろう。

脳を科学していると、プレゼンは上手くなって当然じゃないか????

プレゼンを聴きながら、遅い食事。

聴いている最中に「群馬大学」から懐かしい先生から電話が。

来年度から大学院のお世話をするかもしれない。

以前、臨床のとき、代謝循環器疾患である慢性腎不全患者の運動負荷や、
運動に伴う血液・生化学的所見の関係を研究している時代にお世話になった。

今は脳神経系を研究しているが、
時代が変わればヒトの思考は変化する。


ヒトとの出会いがなければ、今も代謝を研究していたのかもしれない。

そうすれば、出会いもまた違ったのだろう。









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