森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

日記:動物としての人間

2011年09月08日 15時41分46秒 | 日記
体調不良により,
ブログの更新が滞っていました.
やはり心と動きは一元的なものですが,
時として脳は麻薬がかかったように身体を痛めつけてしまいます.
錯覚というものは身体の疲労や痛みを奪ってしまうのです.

身体こそが生物としての原点.
だからこそ,脳は身体の産物でしかいないし,
むしろ,その表現はおかしく,
身体そのものでしょう.

動きが生命をつくるように,
動きが脳をつくるのです.

動くからこそ,意味を持つ.
だから,それは臨床においてもそうだし,
教育においてもそう.
知識を入れまくっても,
行動を起こさないと意味を持たない.
現代の人間は,あまりにも情報過多な
バーチャルな世界に生きていて,
動くということを忘れています.

それは授業もおなじです.
入力しようと学生に目くじら立てずに,
自らが動くことで,学生に動きの動機を喚起させるようにしなければならないと思うのです.
動くことが原点.
動物の起源である動くということ.

さて,この更新が滞っていた3週間ほど,
沖縄で講演をして,
懇親会をして,酒を飲み,
そして初ヨットにも乗り,
地元の船長とも話し,
そして友人貞松氏のおもてなしを受け,
去年の11月に出会った貞松氏を生涯の友と思えるようになり,
そして台風から遠ざかるように沖縄を離れました.

翌週は大阪でシンポジウムに立ち,
これまた台風を避けるように福岡に行き,
福岡で5時間の講演をして,
ここでも友人と心地よいひと時を過ごしました.

いずれにしても,身体は疲弊しても,
心が躍れば,それを感じません.
これがよきにもあしきにも自己に作用しますが,
それこそが,私の一人称の人生.
NHKスペシャルに対して様々なご意見がありますが,
私にとっては,患者さんの心から「治りたい」という意欲に対して,
なんとかいい方向に導いていきたいという欲求がわくのです.
ロマンティックリハビリテーションを喚起するのです.
それこそ,レナードの朝のセイヤー医師のような臨床家のために,
私が情報屋となり,それを提供し,
そして臨床家こそがその情報を取捨選択し,
治療のための意思決定をしてもらえればうれしい限りです.
意思決定こそが人間に持ち得ている行動,
意思決定をする.
すなわち,それに基づいて動く,
これこそが動物としての人間の行為なのでしょう.