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森岡 周のブログ

脳の講座や講演スケジュールなど・・・

感情のバランス

2007年09月15日 08時48分36秒 | 過去ログ
高知大学の4日間の講義が終わった。
4日間で15コマ行う集中講義だったので、1日4コマ程度の講義となる。
6時間を4日間とは、やっているものも疲労するが、聞いているものも疲労する。
これは肉体的なものだけでなく、精神的なものである。
それには注意が大いに影響する。
その注意を操作するのが知覚であり、講義・演習・実習実験の使い分け、臨機応変によるその使い分けが求められる。

それは五感の使い分け、統合に関係している。

リアルタイムに修正可能な部分もあったが、修正不可能な部分もあった。
これも学生との相互作用である。
難しいですよ、教育は。

歩行分析の実習・実験を行ったが、正常歩行でも違いを徹底に見抜く力が必要である。
そのためには、差異はないのか、自らの仮説との照合が求められる。
しかし、その仮説がまちがってしまってはもともこもない。
つまり自らの脳によるバイアスである。
この際、正常であってもAとBの違いを見抜いていく眼力が必要である。
その際、どこに注意を向けるかで、分析が変わってくる。
観察者の視点にいつも影響される。

リハビリでは異常歩行と正常歩行とばかり比べているばかりである。
その距離はおおきすぎる。
あまりにも大枠過ぎないだろうか。
それはいつもバイアスがかかる。
片麻痺はそうに違いないという。

そう観ている脳はあなたのバイアスかもしれない。
そうにしか見えない脳になっている。

もっと正常歩行を徹底に観察し、視点を増やしてほしい。
正常歩行にも多様性があり、それが生体であり、脳である。

いずれにしても、スポーツ科学コースの学生たちは新たな発見があったようで、いろんな感想を聞かせてもらった。


4日間の講義だけでなく、4日間の午前様。
そちらが体を蝕んでいるようだ。
毎日宴会は高知ならではであるが、コミュニケーション脳としては喜びと疲れがある。
コミュニケーションは脳にとって喜びになるが、その分、活性化が常に起こるため、疲労となる。

この際、感情のバランスが大事だ。
支え、支えられるという。
支えてばかりだと、それは疲れる。
年輪を重ねた人たちは、支えるほうが多くなり、それがもとに、無関心になるだろう。
年輪を重ねてもなお、コミュニケーション脳をいつも活性化している人はバイタリティあふれているが、それが本当の幸せかどうかもわからない。

バランスも大事だが、バランスを崩壊させなければ、現状打破できない。

新しい地平を拓いていく人は、ある程度のリスクを負ってでも、バランスを崩壊させているのだろう。

バランス感は、心の安定を生み出すが、それに乗り続けると、自らの存在という価値が薄れる。

生きていくということは、いつもそういう岐路にたつものだ。

それを意識できているものは、時代に生きている実感があるのだろう。


前日欠航になったボンバルディア機で帰り、荷物の入れ替えだけに奈良に帰ってきた。


朝日リハのレポートを見て、今から大阪で、ベーシックコース講義である。

コース講義の準備する時間はない。


私の脳だよりだ。