天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

マニ44 「カートレインユーロ名古屋」

2013-09-09 | 車両【国鉄・JR】
早朝の新大阪駅で撮影している時、北方貨物線から名古屋方面に向けて一筋の白い矢が走り去りました。それが、私が初めて見た「カートレインユーロ名古屋」でした。
時刻表には掲載されていましたが、関西地区は全て通過扱いでしたので時刻を把握しておらず、シャッターチャンスを逃して悔しい思いをしたものです。
その後、北方貨物線経由から大阪駅経由に改められ、大阪駅で運転停車が行われました。その時にじっくり観察したのを覚えています。

模型では1997年頃だと思いますが、グリーンマックスから「カートレインユーロ名古屋」色として塗装済みのマニ44が発売されました。完成品では無く、通常の板キットに塗装が施された商品でした。編成を揃えようかと思いましたが、TOMIXから発売されていた「ユーロライナー」の旧製品はほぼ白色に近いボディで、KATOから発売されたEF65の「ユーロライナー色」は青みがかった灰色、そしてグリーンマックスのマニ44はかなり青みが強い塗装で、この編成の特徴である「編成美」を演出できるものではありませんでした。
さらに、マニ44は車高がとても高く、これもマイナス要因でした。



2011年になって、グリーンマックスからマニ44が完全新規の完成品として発売され、しかも「カートレインユーロ名古屋色」も発売されることになりました。告知ポスターには「車高を見直し…」という文言が見られたので、大変期待して購入しました。
しかし、製品を取り出してみると、肝心要の車高はあまり下がっておらず、TOMIXの「ユーロライナー」と並べるとその差は歴然でした。新規製品で良くなった点は、窓ガラスがはめ込み式になった事と、妻面がややシャープになったことくらいでしょうか。



旧製品のマニ44であれば、台車を取り付けるリングの部分を加工し、ボディ内側のリブを削れば車高が若干下がると模型サイトなどで多数紹介されていますが、この新製品はボディと台車上部の間に隙間がほとんど無く、その手法は使えませんでした。
台車の上部を削り、床パーツをボディにめり込ます方法ならば何とかなりそうでしたが、下回りの見た目は格段に悪くなります。
「カートレインユーロ名古屋」の編成を組みたいがためにTOMIXのユーロライナーも機関車も全て新たに購入したのに、随分な裏切られようです。加工する気も一気に醒めました。



あれから2年が経ち、京阪80形を加工している時に購入した「アルナイン」の4㎜径車輪を見て、「これは使えるのかも」と思い、すぐにマニ44の車輪を交換してみました。グリーンマックスの車輪径は約5.6㎜ですから、単純に0.8㎜下がる事になります。車輪を交換したマニ44とTOMIXのユーロライナーと並べてみると、帯の位置が実車とほとんど同じ感じの高さになり、効果覿面でした。
次の画像は、左が製品のまま、右がアルナインの車輪に交換したものです。



続いてユーロライナーとの比較です。実感的です。



これに気を良くしてようやくマニ44の加工を始めました。
車輪は先述の通り、全て「アルナイン」の4㎜径のものに交換しています。
次にカプラーですが、KATOから発売されたジャンパ栓付きのものに交換してみたところ、アーノルドカプラーの時とあまり変わらない広い連結間隔でしたので、ボディマウントTNカプラーに交換しました。カプラー台座のツメを切り取ってゴム系接着剤で固着しています。
最初の画像は、奥がアーノルドカプラー、手前がKATOカプラーです。
次の画像は、奥がアーノルドカプラー、手前がTNカプラーです。



次にテールマークを取り付けます。
テールマークは大きな四角のものと、丸型のものがあります。よく分からないのですが、どうやら丸から四角になって丸に戻ったようです。
この四角のテールマークは、1986年に運転された「バイクトレインなごや」の流用だという記事を見た事があります。編成は「ナコ座」×4両にマニ44×2両で、マニ44は青い車体に大きく「BIKE TRAIN なごや」と書かれていたものでした。ナコ座は畳敷きのお座敷客車。乗客は当然ライダーですから、ライダースーツに身を包んだ人たちが大勢、畳の上に座っているという、ちょっと滑稽な車内を想像してしまいます。
余談が過ぎましたが、夜明け前に浮かび上がるテールマークとテールライトが、この編成のいいアクセントになっていますので、ぜひ再現したく、加工しました。

先ず、集電に関する加工です。
集電できるための台車に交換する必要がありますので、KATOの集電板が付いたTR50台車に振り替えます。車輪はアルナインの4㎜経です。次に、床板の台車周辺に集電板のポッチが出てこられるよう、穴を開けます。床板にはKATOの「妙高」増結セットに入っていて、編成の中に組み込まれていたマニ37の通電板を所々ゴム系接着剤で貼りつけ、これで集電出来るようになりました。



レールの上に置いて集電具合をチェックすると、ジジジ、ジジジと音が鳴り、パワーパックのパイロットランプが点滅しました。どうやらショートしているようです。原因はアルナインの車輪で、これは車軸と車輪の部分で絶縁する方式の為、軸自体が絶縁されていないようです。
車輪をそのままKATOのものを使用すれば済むのですが、そうすればせっかく下げた車高がまた上がってしまいます。テールマーク点灯を取るか、車高下げを取るか、とても悩みましたが、折衷案として、KATOのBトレインショーティ用車輪を使用する事にしました。この車輪は5㎜経で、アルナインの4㎜径よりは大きいですが、通常のTR50に付属している5.6㎜経よりは小さいです。
最初の画像は左からアルナインの4㎜経、KATOのBトレインショーティ用5mm経、グリーンマックスの5.6㎜経です。
次の画像は4㎜経と5㎜径の差です。



ライトユニットはKATO製カニ21のものを使用しました。
最近ではLEDが主流で、驚くほど小型になっていますが、昔ながらのライトの方が加工し易いのでこちらにしました。



次にボディの加工です。トミックス485系ボンネット車に取り付けるトレインマークをカットし、根元部分を使用します。それに合わせてボディをくり抜きました。ライトレンズは先程のマニ37のレンズを使用しています。マニ50に付いていたレンズは、マニ37に振り替えました。集電板は取られ、赤レンズは取られ、挙句透明レンズを取り付けられ、マニ37にとっては散々です。



テールマークは透明プラバンにシールを貼り付け、フチを銀色で塗装し、ゴム系接着剤でボディから顔を出した485系のレンズに取り付けました。



ここまでで一度、ボディを被せて試験点灯します。
やはり、白いボディですからかなり光漏れがします。
光らせたいのはテールマークとライトレンズだけなので、遮光ボックスを作るべきなのですが、テールマークの位置がドアの窓にかかる高さであり、ドアが車体の端にあることから、なかなか難しそうだったので、諦めて黒いプラバンで窓を覆う事にしました。
後はボディ内側を真っ黒に塗装して遮光しています。
画像は遮光前と遮光後の比較です。



側面のロゴマークですが、実物は塗装された鉄板が取り付けられているので、それに倣い艶消し白に塗装したプラバンにシールを貼ってからゴム系接着剤で取り付けました。



せっかくTNカプラーに交換したので、車端部をさらに引き締めようと、ステップを取り付けてみました。
使用したのはレボリューションファクトリーの「490 ステップ 50系用」です。
マニ44のステップですが、大型と小型の2種類があり、このパーツにも両方が入っています。
ステップの違いですが、いろいろ調べてみますと、どうやらマニ44‐2037までが小型で、2038以降は大型が取り付けられているようです。
この法則に従ってステップを取り付けました。
画像左が大型ステップで、右が小型ステップなのですが、ちょっとインパクトに欠ける気がします。



TOMIXのカニ24に付属していた開放テコを取り付け、「架線注意」のシールを貼りました。
編成の反対側には丸型のテールマークを取り付けています。
プラバンを銀色に塗り、シールを貼ってパンチでくり抜いて再度フチを銀色で塗ってゴム系接着剤で取り付けました。



4㎜経の車輪を手にしなければ、いつまでも「お蔵入り」になっていただろうマニ44でしたが、ようやく編成として組む事が出来て嬉しいです。
「マニ44の車高は車輪交換で下げる」というのは、モデラーの方々からすればいい加減な方法なのでしょうが、手軽に雰囲気を出すには良い方法ではないかと自己満足しております。

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