特に鉄道ファンでもないものの、夜行列車の雰囲気が大好きと言う同業の先輩がいまして、下り『はまなす』の最終日を押さえたから一緒にどうだとお誘いを頂きました。
年度末ですし、その二日前の金曜日まで東京にいましたので、なかなかタイトだなと思い1度はお断りしたのですが、どうせなら同業の研修会を青森で設定してもよいとのこと。仕事という大義名分も出来ましたし、夜行急行のラストラン、行かずに後悔するより行ってくたばるほうが良いと考え、同行させて頂くことにしました。
土曜日は大阪で仕事がありますし、札幌着日も夕方までには大阪に戻らないといけないスケジュールの合間、はまなすの前後をどう活かすか決めるのに大変な時間が掛かりました。
まず、後ろの予定を考えます。私は札幌には年に何度か行きますが、他の土地にはスキー場以外あまり行ったことがありません。特急で遠くまで行って一気に帰ろうかと時刻表を繰りますが、まず仕事までに関西に帰ることができる飛行機がありません。結局、新千歳か函館しか選択肢が無くなりました。ダイヤ改正後に本数が激減する札沼線の新十津川にでも行こうかと思いましたが、これもギリギリ間に合わず、小樽から山線を経由して函館まで行こうにもこれも惜しくも間に合いません。函館へ向かう特急が『スーパー北斗』ではなく『北斗』の時間帯でしたので、国鉄型車両を満喫するのもいいかと思い、それを選びました。
往路もかなら悩みました。『リゾートしらかみ』で五能線を楽しみたいと思いましたがこれも運転日のアヤでうまくいかず、函館から最終の『白鳥』で定期485系のラストを狙うも空路が合わず、時刻表とのにらめっこが続きました。しかし、何とか土曜日のうちに東京まで行けば木古内折り返しで『白鳥』に乗れることがわかり、体に負担は掛かりますが東京前泊で新幹線乗り継ぎを選びました。『サンライズ』では40分ほど間に合いませんでしたので、苦渋の選択です。
20日の土曜日、デスクの上もグチャグチャに、京阪電車に飛び乗りました。香里園から準急で枚方市に、特急に乗り換えて丹波橋から近鉄で京都へいくいつものルートですが、乗車した準急は枚方市で待避線ではなく走行線の一番線に入線し、樟葉まで先着しました。そうでした、京阪もダイヤ改正をしたのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/d9/6555f80623ede7678acc4d929f3b3f40.jpg)
丹波橋では5分の乗り換え、特急です。わずか数分の乗車で特急券510円を支払うのも気が引けますが、次の各駅停車に乗ると東京着が30分ほど変わってくるので奮発しました。やってきたのはビスタカー。たくさんの人がお土産に赤福を手にしていました。改札を済ませて一服、6分で京都に到着です。
京都も5分の乗り換え。ホームに上がると入線してきました。売店でハイボールを買って乗り込みます。自由席利用だったのですが、連休初日で混雑しており、デッキには既に何名か諦めた人が立っていました。私は諦めず1号車まで歩き、3人がけの真ん中に置かれていた荷物をどけて陣取ります。荷主の50代くらいの男性はバツの悪そうな表情でその後を過ごしていました。最初から網棚を利用すればいいのです。
乗り換えや何やで慌ただしくしてきたのもようやく落ち着き、ハイボール片手に読書を楽しみます。そしてこの先の切符を並べ、旅程のおさらい。これが楽しいですよね。
品川で下車して新橋に宿を取りましたが、普段日曜日が休みなハズの北千住のバーが開いていると知らせがあり、出かけて2時まで飲んで就寝しました。翌日、しんどいのがわかっていて辞められないお酒、困ったものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/f8/76941ecf104cc454c6ea27080efeb94a.jpg)
翌朝、いよいよ旅の始まりといった気分で東京駅に向かいました。ホームに上がると、私が乗る『はやぶさ1号』は既に入線していました。『こまち』との連結部分では、たくさんの子供さん達が記念撮影をしています。本当に人気のある新幹線だなと思います。隣には後続の『MAXたにがわ』が入線してきました。ガーラ湯沢行きで、大宮を出ると越後湯沢まで止まらない速達タイプです。若いスキーヤーやボーダーがたくさん利用していて嬉しくなります。関西ではシュプール号がなくなった今、列車でスキーにいく人などほとんどいなくなってしまいました。MAXたにがわに頑張ってもらいたいです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/00/73f932b97e576a2a719e8f3281ad0383.jpg)
喫煙コーナーで発車ベルが鳴るまでしこたまタバコを吸い溜めて、『はやぶさ1号』に乗車しました。全車指定席ですが、一割にも満たない乗車率でした。E5系には始めて乗ります。普通車指定席は落ち着いた印象で、デッキやトイレもシックなデザインです。グリーン車は重厚で、どちらも好印象でした。東海道新幹線はシートや床の色が明るめで、どうも落ち着かないのですが、この車両の雰囲気なら長旅も苦にならないかなと思います。終点新青森までの長時間ですので、こんな機会はもうないだろうとグランクラスを利用しました。一両をたった18席の贅沢な空間です。入り口のラックに各新聞がセットされ、シートにはスリッパが備えられつけられています。今までの鉄道車内とは思えないゆりかご式の電動リクライニングシートは大変座り心地良く、これならば東京~札幌を乗り通してもあまり疲れないんじゃないかと思います。ハード面は全く文句ありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/d9/0514f0e6cca284a8f36f12c07806ceae.jpg)
上野を出ると早速、アテンダントがおしぼりを持ってきました。その際に飲み物と軽食を聞いてきます。酔い覚ましにりんごジュースをもらい、軽食は和食にしました。出てきたおしぼりは厚みのあるもので嬉しくなります。私がサンダーバードで配っていた、ところどころ焦げたカスカスのおしぼりとはえらい違いです。軽食は味ご飯とおかずが少々、といった感じで、特に沿線の何かを使っているものでもなく、味もまあこんなもんかといった他愛も無いものでした。黒ウーロン茶に暖かい緑茶と、立て続けに注文します。暖かいドリンクはシート横でポットから注いでくれてました。想像以上に質の高いサービスです。軽食と一緒にお茶菓子も運ばれてきました。亀田のあられとりんごのパウンドケーキです。口さみしさを紛らわすには適量だと思います。食後にホットコーヒーを頂きましたが、これもポットからそそいでくれました。
大宮から一名、その後、仙台から一名の5名がグランクラスをり用していましたが、これが満席だとアテンダントも忙しいかもしれません。仙台からは白ワインを頂きました。長野県塩尻の有名なワイナリーのもので、グランクラスオリジナルのラベルが嬉しいですが、中身は料理酒みたいな感じでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0f/39/1b38a0bb10f65c871c24a7f073fd1122.jpg)
盛岡到着前に車内の散策をしました。仙台を過ぎて、いつしか車内は半分以上の乗車率になっていました。先ずトイレに驚いたのですが、普通車のものにもウォシュレットが完備されていて快適でした。洋式も男性用女性用ときっちり区分けされれています。特に女性には嬉しいサービスではないでしょうか。簡易トイレの延長線のような、狭い暗い700系のものとはずいぶん違います。次に驚いたのは、普通車もヘッドレストが可動式だという事です。厚みもありますし、これは快適だと思います。
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車販基地には冷蔵庫とコーヒーマシンがゆったりと配備されていました。東海道山陽では異物混入を防ぐためにコーヒーマシンの使用を辞めていたような記憶がありますが、クルーに尋ねるとバリバリ現役で稼働している様です。
車内を散策しながら3号車に向かい、盛岡駅に到着しました。鉄道ファンならここで『こまち』との開放作業を見なければならないのでしょうが、私は喫煙を優先し、予めホーム喫煙コーナー近くの出入り口に来ていたという算段です。盛岡駅では5分の停車時間があり、ゆうゆうタバコを楽しむ事が出来ました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/26/d4/9c518c70acc29de628212525282b9d57.jpg)
盛岡を出て2本目のワインを頂き、東京駅で購入した弁当を広げました。『北海道新幹線開業記念弁当』という仰々しいものです。中身は北海道を意識した、鮭やイクラやカニの様なものが散りばめられたものでした。1250円は取りすぎですが、包み紙のデザインや中身は楽しめました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/4b/311eff72423693d5c052b82ca44f38ab.jpg)
ワインも早々に空き、再びお茶とコーヒーを頂き、最初に配られたパウンドケーキを食べているうちに、新青森到着の時間となりました。東京ー青森と想像しただけで遠いな~と思い込んでいたのですが、乗車時間は3時間、グランクラスの快適さと合間って、あっという間に過ぎてしまいました。リクライニングを全開にして寝たり新聞をじっくり見たりしたかったのですが、残念です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/b4/cce9b28ba4d0fed3634c2631466bd96b.jpg)
グランクラスの総括ですが、飲み物はコーヒー、緑茶、りんごジュースを各二杯と白ワイン二本。軽食とお茶菓子が着いて三時間で1万円弱と考えても、やはり私の様な世話しない人間にはちょっと割高な感じがします。これに東京駅のラウンジを入れても、やはりもう一声というところでしょうか。飛行機のハイクラスはマイルやステータスなどが付加されているので、利用する価値のバランスが取れているのかもしれません。ただ、ハード面もサービスも、申し分ありませんでした。ひとつだけ難癖を付けるとすれば、車内放送は切って欲しかったくらいのものです。想像以上に大満喫する事が出来ました。
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新青森駅は本州最果ての玄関というにはまだまだ寂しい駅です。旅情もあったものではありません。青森の観光、と言われてももうひとつピンと来ないのですが、バスにしろ鉄道にしろ、もっとこの駅が拠点になってネットワークを構築しないといけない事はわかります。後で地元の方がおっしゃってた『新青森駅は地元の人も観光の人も不便な駅』という言葉が妙に印象深いです。
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ちょうど特急『つがる』が入線していました。この『つがる』も、この度の改正で2往復削減となります。E751系は新造車にも関わらず、6両編成から4両編成に減車されて、余った中間車が青森に寂しげに留置されているのは無情なものです。そして、この度の本数削減。私は利用者では無いので分かりませんが、日本海縦貫線の衰退は『雷鳥』乗務経験者としては寂しいものです。
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駅の端には「ありがとうスーパー白鳥・白鳥」と書かれた横断幕が掲げられていました。このあたりから、最終日、最後の乗車という感覚が強まります。乗車列の最後尾を示すプラカードがたくさんありまして、おそらく繁忙期には活躍したのでしょうが、これも今日が最後の活躍となるのでしょう。
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しばらくして乗車する特急『スーパー白鳥』がやって来ました。789系で付属編成も付いた8両編成です。付属編成は、元785系のものに一度乗ってみたかったのですが、そうではなくて残念でした。あの、のっぺりとした間抜けな改造車、憎めなくて好きなんです。
列車は新青森駅を定刻に発車。座席は後ろ向きで次の青森まで向かいます。何人かの乗客が『反対じゃない?』と不思議がっていました。5分ほどで青森駅に到着。まとまった乗車があり、8割ほどの乗車率となりました。お別れ乗車と見受けられる方もたくさんいますが、一般の旅行客も多く見られました。
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青函トンネルに近づくに連れ、あちこちからシャッター音が聞こえてくる様になりました。みんなトンネルに入る瞬間を撮影しようと頑張る訳ですが、青函トンネルに入るまでに7つでしたか、短いトンネルがあるので、カシャカシャっと音がした後にそれをあざ笑うかのように車内の電光版に別の名前のトンネル名が表示される掛け合いが滑稽でした。
コンクリート橋が迫り、ついに3線軌道になって、奥津軽いまべつ駅を通り過ぎます。いよいよ来たんだなという気持ちになります。それは、青函トンネルに近くなったという意味と、新幹線が走る日が来たんだなという意味の両方です。
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青函トンネルに入りますと電光版に『ただいま青函トンネルに入りました!』と赤く表示されました。このビックリマークが可愛らしいですね。青函トンネルといっても入ってしまえばただのトンネルで、携帯の電波も途切れていますし、後は旧海底駅の蛍光灯が流れゆくのを見るくらいしか楽しみは無いものです。最深部だけ電光版に表示がありました。乗車率が高いのであまり車内を散策する気にもなれず、本を読んで過ごします。
トンネルを出ますと程なく木古内駅に到着。私はここで下車します。
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木古内駅はそれはそれは立派な新幹線駅舎が完成しており、合わせて在来線駅舎も過剰なほど立派なものが建てられていました。お別れ乗車を楽しむ人々でホームも賑わっています。
そこに佇む一両の気動車。新幹線が開業すると、このあたりは第三セクターになるのだったと思いますが、この寂しげな気動車の姿をみれば、こんな立派な駅舎は不要なのは分かり切ったものです。他人事ですが不安になります。
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木古内で少し待っていますと、お目当ての列車『白鳥』がやって来ました!485系最後の定期運用。色は様変わりし、形も少々違いますが、紛れもない485系です。さあラストランだと何故だか妙に気合いが入りながら車内に乗り込みました。
指定席は満席、自由席も15名ほどが立っている状態。お別れ乗車の方が多かったです。私同様、はまなすまでの時間つぶしといった感じの様です。485系は青函トンネルに入ります。唸りをあげて力走するその様は、北陸トンネルを爆走していた雷鳥を思い出させてくれます。耳でモーター音を、目で車内を、体で振動を吸収しながら、最後の485系を染み込ませました。もっともっと走って欲しい、そう思いながらも、明らかにさっきの789系より煩いし揺れます。今まで走ってくれていた事の方が奇跡なのでしょう。
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蟹田で485系『白鳥』どうしの交換がありました。あれ?こんな時間に白鳥のスジがあったかなと時刻表を見ましたが、ありません。臨時が設定されていたみたいです。これは大失敗でした。485系に乗るために東京前泊するコースをとったのに、臨時のスジを知っていたなら今回の旅程は大幅に変わっていたことでしょう。悔しいのでその検証はしませんでした。そんなことより最後の485系です。単線をきしみながら走るのは、長野に乗り入れていた『スーパー雷鳥信越』号を、青森駅入線時にたくさんの分岐路を渡るのはシュプールが直江津にはいる時を思い出します。本当にこれが最後の485系。車内の空気を深呼吸して、大いに後ろ髪を引かれながらホームに降り立ちました。
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青森駅に降り立ちますと、目の前にも485系が、、、発車を待つ『つがる』でした。知りませんでした!『つがる』ってE751系だけじゃ無いんですね。これを知っていれば秋田から『つがる』という選択肢もあったでしょう。本当に無知の愚かさに情けなくなります。またまた悔しくて、やはり検証はしませんでした。
せっかく485系との別れでひとり盛り上がっていたのに水を差された感じですが、よく考えれば今、青森駅に485系が2本並んでいるという現実。これをしばしホームで楽しみました。
その後、青森駅からはタクシーで移動し、研修会に参加しました。大変充実した、乗り倒しのあっという間の半日間が終わりました。
年度末ですし、その二日前の金曜日まで東京にいましたので、なかなかタイトだなと思い1度はお断りしたのですが、どうせなら同業の研修会を青森で設定してもよいとのこと。仕事という大義名分も出来ましたし、夜行急行のラストラン、行かずに後悔するより行ってくたばるほうが良いと考え、同行させて頂くことにしました。
土曜日は大阪で仕事がありますし、札幌着日も夕方までには大阪に戻らないといけないスケジュールの合間、はまなすの前後をどう活かすか決めるのに大変な時間が掛かりました。
まず、後ろの予定を考えます。私は札幌には年に何度か行きますが、他の土地にはスキー場以外あまり行ったことがありません。特急で遠くまで行って一気に帰ろうかと時刻表を繰りますが、まず仕事までに関西に帰ることができる飛行機がありません。結局、新千歳か函館しか選択肢が無くなりました。ダイヤ改正後に本数が激減する札沼線の新十津川にでも行こうかと思いましたが、これもギリギリ間に合わず、小樽から山線を経由して函館まで行こうにもこれも惜しくも間に合いません。函館へ向かう特急が『スーパー北斗』ではなく『北斗』の時間帯でしたので、国鉄型車両を満喫するのもいいかと思い、それを選びました。
往路もかなら悩みました。『リゾートしらかみ』で五能線を楽しみたいと思いましたがこれも運転日のアヤでうまくいかず、函館から最終の『白鳥』で定期485系のラストを狙うも空路が合わず、時刻表とのにらめっこが続きました。しかし、何とか土曜日のうちに東京まで行けば木古内折り返しで『白鳥』に乗れることがわかり、体に負担は掛かりますが東京前泊で新幹線乗り継ぎを選びました。『サンライズ』では40分ほど間に合いませんでしたので、苦渋の選択です。
20日の土曜日、デスクの上もグチャグチャに、京阪電車に飛び乗りました。香里園から準急で枚方市に、特急に乗り換えて丹波橋から近鉄で京都へいくいつものルートですが、乗車した準急は枚方市で待避線ではなく走行線の一番線に入線し、樟葉まで先着しました。そうでした、京阪もダイヤ改正をしたのでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/f9/b6d5f350a38b4bc2202a7d6a27ce5685.jpg)
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丹波橋では5分の乗り換え、特急です。わずか数分の乗車で特急券510円を支払うのも気が引けますが、次の各駅停車に乗ると東京着が30分ほど変わってくるので奮発しました。やってきたのはビスタカー。たくさんの人がお土産に赤福を手にしていました。改札を済ませて一服、6分で京都に到着です。
京都も5分の乗り換え。ホームに上がると入線してきました。売店でハイボールを買って乗り込みます。自由席利用だったのですが、連休初日で混雑しており、デッキには既に何名か諦めた人が立っていました。私は諦めず1号車まで歩き、3人がけの真ん中に置かれていた荷物をどけて陣取ります。荷主の50代くらいの男性はバツの悪そうな表情でその後を過ごしていました。最初から網棚を利用すればいいのです。
乗り換えや何やで慌ただしくしてきたのもようやく落ち着き、ハイボール片手に読書を楽しみます。そしてこの先の切符を並べ、旅程のおさらい。これが楽しいですよね。
品川で下車して新橋に宿を取りましたが、普段日曜日が休みなハズの北千住のバーが開いていると知らせがあり、出かけて2時まで飲んで就寝しました。翌日、しんどいのがわかっていて辞められないお酒、困ったものです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/e0/1389f77c5270b795a025af79e0de395d.jpg)
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翌朝、いよいよ旅の始まりといった気分で東京駅に向かいました。ホームに上がると、私が乗る『はやぶさ1号』は既に入線していました。『こまち』との連結部分では、たくさんの子供さん達が記念撮影をしています。本当に人気のある新幹線だなと思います。隣には後続の『MAXたにがわ』が入線してきました。ガーラ湯沢行きで、大宮を出ると越後湯沢まで止まらない速達タイプです。若いスキーヤーやボーダーがたくさん利用していて嬉しくなります。関西ではシュプール号がなくなった今、列車でスキーにいく人などほとんどいなくなってしまいました。MAXたにがわに頑張ってもらいたいです。
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喫煙コーナーで発車ベルが鳴るまでしこたまタバコを吸い溜めて、『はやぶさ1号』に乗車しました。全車指定席ですが、一割にも満たない乗車率でした。E5系には始めて乗ります。普通車指定席は落ち着いた印象で、デッキやトイレもシックなデザインです。グリーン車は重厚で、どちらも好印象でした。東海道新幹線はシートや床の色が明るめで、どうも落ち着かないのですが、この車両の雰囲気なら長旅も苦にならないかなと思います。終点新青森までの長時間ですので、こんな機会はもうないだろうとグランクラスを利用しました。一両をたった18席の贅沢な空間です。入り口のラックに各新聞がセットされ、シートにはスリッパが備えられつけられています。今までの鉄道車内とは思えないゆりかご式の電動リクライニングシートは大変座り心地良く、これならば東京~札幌を乗り通してもあまり疲れないんじゃないかと思います。ハード面は全く文句ありません。
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上野を出ると早速、アテンダントがおしぼりを持ってきました。その際に飲み物と軽食を聞いてきます。酔い覚ましにりんごジュースをもらい、軽食は和食にしました。出てきたおしぼりは厚みのあるもので嬉しくなります。私がサンダーバードで配っていた、ところどころ焦げたカスカスのおしぼりとはえらい違いです。軽食は味ご飯とおかずが少々、といった感じで、特に沿線の何かを使っているものでもなく、味もまあこんなもんかといった他愛も無いものでした。黒ウーロン茶に暖かい緑茶と、立て続けに注文します。暖かいドリンクはシート横でポットから注いでくれてました。想像以上に質の高いサービスです。軽食と一緒にお茶菓子も運ばれてきました。亀田のあられとりんごのパウンドケーキです。口さみしさを紛らわすには適量だと思います。食後にホットコーヒーを頂きましたが、これもポットからそそいでくれました。
大宮から一名、その後、仙台から一名の5名がグランクラスをり用していましたが、これが満席だとアテンダントも忙しいかもしれません。仙台からは白ワインを頂きました。長野県塩尻の有名なワイナリーのもので、グランクラスオリジナルのラベルが嬉しいですが、中身は料理酒みたいな感じでした。
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盛岡到着前に車内の散策をしました。仙台を過ぎて、いつしか車内は半分以上の乗車率になっていました。先ずトイレに驚いたのですが、普通車のものにもウォシュレットが完備されていて快適でした。洋式も男性用女性用ときっちり区分けされれています。特に女性には嬉しいサービスではないでしょうか。簡易トイレの延長線のような、狭い暗い700系のものとはずいぶん違います。次に驚いたのは、普通車もヘッドレストが可動式だという事です。厚みもありますし、これは快適だと思います。
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車販基地には冷蔵庫とコーヒーマシンがゆったりと配備されていました。東海道山陽では異物混入を防ぐためにコーヒーマシンの使用を辞めていたような記憶がありますが、クルーに尋ねるとバリバリ現役で稼働している様です。
車内を散策しながら3号車に向かい、盛岡駅に到着しました。鉄道ファンならここで『こまち』との開放作業を見なければならないのでしょうが、私は喫煙を優先し、予めホーム喫煙コーナー近くの出入り口に来ていたという算段です。盛岡駅では5分の停車時間があり、ゆうゆうタバコを楽しむ事が出来ました。
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盛岡を出て2本目のワインを頂き、東京駅で購入した弁当を広げました。『北海道新幹線開業記念弁当』という仰々しいものです。中身は北海道を意識した、鮭やイクラやカニの様なものが散りばめられたものでした。1250円は取りすぎですが、包み紙のデザインや中身は楽しめました。
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ワインも早々に空き、再びお茶とコーヒーを頂き、最初に配られたパウンドケーキを食べているうちに、新青森到着の時間となりました。東京ー青森と想像しただけで遠いな~と思い込んでいたのですが、乗車時間は3時間、グランクラスの快適さと合間って、あっという間に過ぎてしまいました。リクライニングを全開にして寝たり新聞をじっくり見たりしたかったのですが、残念です。
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グランクラスの総括ですが、飲み物はコーヒー、緑茶、りんごジュースを各二杯と白ワイン二本。軽食とお茶菓子が着いて三時間で1万円弱と考えても、やはり私の様な世話しない人間にはちょっと割高な感じがします。これに東京駅のラウンジを入れても、やはりもう一声というところでしょうか。飛行機のハイクラスはマイルやステータスなどが付加されているので、利用する価値のバランスが取れているのかもしれません。ただ、ハード面もサービスも、申し分ありませんでした。ひとつだけ難癖を付けるとすれば、車内放送は切って欲しかったくらいのものです。想像以上に大満喫する事が出来ました。
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新青森駅は本州最果ての玄関というにはまだまだ寂しい駅です。旅情もあったものではありません。青森の観光、と言われてももうひとつピンと来ないのですが、バスにしろ鉄道にしろ、もっとこの駅が拠点になってネットワークを構築しないといけない事はわかります。後で地元の方がおっしゃってた『新青森駅は地元の人も観光の人も不便な駅』という言葉が妙に印象深いです。
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ちょうど特急『つがる』が入線していました。この『つがる』も、この度の改正で2往復削減となります。E751系は新造車にも関わらず、6両編成から4両編成に減車されて、余った中間車が青森に寂しげに留置されているのは無情なものです。そして、この度の本数削減。私は利用者では無いので分かりませんが、日本海縦貫線の衰退は『雷鳥』乗務経験者としては寂しいものです。
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駅の端には「ありがとうスーパー白鳥・白鳥」と書かれた横断幕が掲げられていました。このあたりから、最終日、最後の乗車という感覚が強まります。乗車列の最後尾を示すプラカードがたくさんありまして、おそらく繁忙期には活躍したのでしょうが、これも今日が最後の活躍となるのでしょう。
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しばらくして乗車する特急『スーパー白鳥』がやって来ました。789系で付属編成も付いた8両編成です。付属編成は、元785系のものに一度乗ってみたかったのですが、そうではなくて残念でした。あの、のっぺりとした間抜けな改造車、憎めなくて好きなんです。
列車は新青森駅を定刻に発車。座席は後ろ向きで次の青森まで向かいます。何人かの乗客が『反対じゃない?』と不思議がっていました。5分ほどで青森駅に到着。まとまった乗車があり、8割ほどの乗車率となりました。お別れ乗車と見受けられる方もたくさんいますが、一般の旅行客も多く見られました。
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青函トンネルに近づくに連れ、あちこちからシャッター音が聞こえてくる様になりました。みんなトンネルに入る瞬間を撮影しようと頑張る訳ですが、青函トンネルに入るまでに7つでしたか、短いトンネルがあるので、カシャカシャっと音がした後にそれをあざ笑うかのように車内の電光版に別の名前のトンネル名が表示される掛け合いが滑稽でした。
コンクリート橋が迫り、ついに3線軌道になって、奥津軽いまべつ駅を通り過ぎます。いよいよ来たんだなという気持ちになります。それは、青函トンネルに近くなったという意味と、新幹線が走る日が来たんだなという意味の両方です。
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青函トンネルに入りますと電光版に『ただいま青函トンネルに入りました!』と赤く表示されました。このビックリマークが可愛らしいですね。青函トンネルといっても入ってしまえばただのトンネルで、携帯の電波も途切れていますし、後は旧海底駅の蛍光灯が流れゆくのを見るくらいしか楽しみは無いものです。最深部だけ電光版に表示がありました。乗車率が高いのであまり車内を散策する気にもなれず、本を読んで過ごします。
トンネルを出ますと程なく木古内駅に到着。私はここで下車します。
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木古内駅はそれはそれは立派な新幹線駅舎が完成しており、合わせて在来線駅舎も過剰なほど立派なものが建てられていました。お別れ乗車を楽しむ人々でホームも賑わっています。
そこに佇む一両の気動車。新幹線が開業すると、このあたりは第三セクターになるのだったと思いますが、この寂しげな気動車の姿をみれば、こんな立派な駅舎は不要なのは分かり切ったものです。他人事ですが不安になります。
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木古内で少し待っていますと、お目当ての列車『白鳥』がやって来ました!485系最後の定期運用。色は様変わりし、形も少々違いますが、紛れもない485系です。さあラストランだと何故だか妙に気合いが入りながら車内に乗り込みました。
指定席は満席、自由席も15名ほどが立っている状態。お別れ乗車の方が多かったです。私同様、はまなすまでの時間つぶしといった感じの様です。485系は青函トンネルに入ります。唸りをあげて力走するその様は、北陸トンネルを爆走していた雷鳥を思い出させてくれます。耳でモーター音を、目で車内を、体で振動を吸収しながら、最後の485系を染み込ませました。もっともっと走って欲しい、そう思いながらも、明らかにさっきの789系より煩いし揺れます。今まで走ってくれていた事の方が奇跡なのでしょう。
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蟹田で485系『白鳥』どうしの交換がありました。あれ?こんな時間に白鳥のスジがあったかなと時刻表を見ましたが、ありません。臨時が設定されていたみたいです。これは大失敗でした。485系に乗るために東京前泊するコースをとったのに、臨時のスジを知っていたなら今回の旅程は大幅に変わっていたことでしょう。悔しいのでその検証はしませんでした。そんなことより最後の485系です。単線をきしみながら走るのは、長野に乗り入れていた『スーパー雷鳥信越』号を、青森駅入線時にたくさんの分岐路を渡るのはシュプールが直江津にはいる時を思い出します。本当にこれが最後の485系。車内の空気を深呼吸して、大いに後ろ髪を引かれながらホームに降り立ちました。
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青森駅に降り立ちますと、目の前にも485系が、、、発車を待つ『つがる』でした。知りませんでした!『つがる』ってE751系だけじゃ無いんですね。これを知っていれば秋田から『つがる』という選択肢もあったでしょう。本当に無知の愚かさに情けなくなります。またまた悔しくて、やはり検証はしませんでした。
せっかく485系との別れでひとり盛り上がっていたのに水を差された感じですが、よく考えれば今、青森駅に485系が2本並んでいるという現実。これをしばしホームで楽しみました。
その後、青森駅からはタクシーで移動し、研修会に参加しました。大変充実した、乗り倒しのあっという間の半日間が終わりました。