朝晩、何度か北千住の踏切で通過する姿を見て、気になる車両がありました。東武の300・350系です。
車両についての知識はほとんど無く、『赤いのが模型で発売されてたな』くらいにしか思っていませんでした。この「赤いの」が、300・350系の前身である1800系であることは知っていましたが、300・350系は今でも1800系だと思っていました。
何度か見ているうちに、無骨な表情に年代を感じさせる屋根上、朝と夜にしか見ない運用と、だんだん興味が湧いてきました。
300・350系が使用される特急『しもつけ』『きりふり』のダイヤを調べてみると、登り1本、下り3本という少なさに驚きました。てっきり通勤時の『スペーシア』や『りょうもう』の補完的役割を担っていると思っていただけに、意外でした。
1本しかない上りはどの様なものかと気になります。北千住到着時刻と仕事の都合を照らし合わせ、ちょうどいい日がありましたので宇都宮から乗車することにしました。
当日の朝に宇都宮へ向かっても良かったのですが、せっかくなので餃子でも食べようと、周年キャンペーンで2,000円台になっていたビジネスホテルの素泊まりを予約し、前日の内に宇都宮へ入ることにしました。新幹線を利用するのは味気ないので、往路は東北本線を利用することにしました。
20時に北千住で仕事を終え、駅まで全力で走って日比谷線に乗り、上野でも猛烈に走って一瞬で買い物を済ませ、何とか20時20分発の通勤快速に間に合いました。ここまで急がなくても、その日のうちに宇都宮に着けばいいだけなのですが、4分後に出る普通と通勤快速では宇都宮到着時に30分以上も差が出来てしまいますので、間に合って良かったです。距離が長いので、グリーン車に乗りました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/92/b684d81dd160d0c2bd2d784c63efd577.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1c/a9/bb26649b67dce24424cb594b7287250c.jpg)
この時間帯に意外にも10両編成ということもあって普通車は大変な混雑ですが、グリーン車は3割強程の乗車率でした。やがて赤羽を過ぎたあたりで半分程度の席が埋まりました。
普通列車のグリーン車に乗るのは久し振りです。二階席に座りましたが、振動は少なく、車内はとても静かで、隣の車両や並走する京浜東北線の混雑ぶりを見れば、900円の出費はついつい眼を瞑ってしまいそうです。オールモノクラスの115系15両編成しかなかった頃に比べると、選択肢があるということは有難いものです。多様化の時代がもたらせた産物かもしれません。
落ち着いたところで、上野駅で瞬時に買った弁当とビールを広げます。ビールのアテになるようにと弁当を買ったのですが、選ぶ間もなく一番上にあったものを購入したため、「まかない牛めし弁当」という、おかずが少ないものを買ってしまいました。慌てすぎました。
クーラーが効いているせいか、ご飯が暖かく感じます。米沢駅にある松川弁当店の駅弁ということですが、製造は「上野」になっています。上野で作っているのでしょうか。
グリーン車ということで、売り子さんもうろうろしています。ちょうどビールがなくなったところでやってきたので、ハイボールを買いました。私意外に二人、買い物をしていましたが、売り上げが気になるところです。
さて、この「通勤快速」ですが、平成3年までは「スイフト」という愛称がありました。昼間には快速「ラビット」があり、この快速2枚看板時代が3年間ありました。さらにその前身は「新特急なすの」ということになります。
愛称がついた「快速」というのに、少年時代の私はとても惹かれていました。関西では「新快速」や「大和路快速」という種別であって、愛称ではありませんから、東海道線東京口の「アクティ」や高崎線の「アーバン」など、愛称を持った快速を時刻表で見ては、何かしら特別な感じを抱いていたのです。乗ればただの113系なのですが。
久喜、古河で多くの下車があり、グリーン車は閑散としてきました。今年3月で廃止された「ホームライナー古河」のことを考えます。JR東日本になってから運行を開始したので、ずいぶん長く走っていたホームライナー古河も、ついに終焉の時を迎えてしましました。ただこれは、全列車にグリーン車が付くようになったこととリンクしていますので、良く言えば発展的解消なのだと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/7b/78fe60b75f56e6a7bbd894a5da616b55.jpg)
ガラガラになったグリーン車の1階やトイレを探検しているうちに、宇都宮駅に到着しました。
向かいのホームにはこの先の東北本線を行く黒磯行きが停っています。幕張顔の205系でした。
京葉線が開通し、投入された幕張顔の205系は、丸みを帯びた愛嬌ある全面と、ピンクのラインカラー、ベイエリアの高架線を快走する姿などから、好きな車両でした。グリーンマックスのキットを組んだこともあります。その車両が短い編成になり、帯の色を湘南色に変えて栃木にいるというのは、なんとも不思議な感じです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/40/f6b49a670570d2f8f1edd7a476d946a0.jpg)
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ついでに日光線の写真を撮ろうと、日光線のホームに降り立つと、ここにも幕張顔の205系がいました。
こちらは茶色にアイボリーのラインで随分とシックな色合いになっており、ホームも統一したレトロな色調にまとめられていました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/bb/1088bcbdd6069547791136749dfebe4f.jpg)
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改札を出て、初めて宇都宮の街を訪れます。駅の東口のほうが賑やかだと聞いていましたが、予約したホテルは反対側なので、西口に降り立ちます。こんな時間に餃子屋さんなんて開いているのかなと思っていましたが、いざ駅を降りてみると餃子、餃子、また餃子の看板だらけで驚きました。ただし、有名店は既に閉店していました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/40/4de01393769b1adc82f765a5eca3e3e9.jpg)
空いているお店に入り、6種類の味が楽しめるという餃子盛り合わせを頼みました。お店には来店した芸能人の写真がズラリと並んでいたので、そこそこ有名なお店だったみたいです。店内には「2013年 餃子消費量一位奪還!ありがとうございます」というポスターが貼られていました。この消費白書を作成すること自体に疑問があるのですが、こうして街おこしの一環になっているのは良いことだと思います。よほど浜松に抜かれて悔しかったのでしょう。そんな宇都宮餃子を食べてみて、研ナオコの名曲「かもめはかもめ」を思い出しました。餃子は餃子です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/82/30af1f6d80126a13e7da31220e488c5b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/92/0c13dfd8755594f49165b1c7d2553f31.jpg)
西口を散歩していますと、駅弁製造の松廼家さんがありました。「とちぎ霜降高原牛めし弁当」が有名なようですが、残念ながら今まで松廼家さんの弁当は食べたことがありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/39/ff8e0dbf43ac29fad1e742039d718457.jpg)
翌朝、チェックアウトを済まし東武宇都宮駅に向かいます。
ホテルはJRと東武のちょうど中間あたりにあったのですが、どちらからも歩いて10分以上は掛かります。宇都宮駅とは言え、JRと東武とではそこそこ離れており、どちらも独自の商圏があるように思います。JRの東口は見ていませんが、東武宇都宮駅周辺も、駅が入る東武百貨店を中心に、賑やかな街が広がっています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/62/bc/9b9ef2673a4392438d7252247ddae10a.jpg)
7時45分に駅に着きました。通学する高校生がどんどん駅ビルから出てきます。改札口のある3階に上がりますと、既に特急「しもつけ282号」は停車していました。重厚な車体にズラリと並ぶこぶりな窓。そこから覗くクラシカルなシートモケットは、朝ラッシュ時のホームで異彩を放っていました。
「しもつけ282号」は8時ちょうどに発車します。4両編成で、宇都宮発車時の乗客は20名ほどでした。その後、宇都宮線内を細かく停車していきますが、各駅で数名がパラパラと乗り込んできました。客層はほとんどが女性で、買い物か観光なのでしょうか。サラリーマンぽい人はほとんど見られません。
車内に入りますと、古い車両独特の匂いがします。元喫煙車の匂いは、大体似たようなものではないでしょうか。私はこれを「国鉄型の匂い」と呼んでいますが、共感いただける方はいらっしゃいますでしょうか。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/35/cb67f3d5ce32f6cf70b365e9d8503f82.jpg)
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着席してまず驚いたのですが、2人がけの椅子が独立しておらず、間に肘掛けがないことと、リクライニングしないことです。前のシートとの幅も狭く、フットレストがあるのですが、それを出して足を乗せると三角座りをするような感覚になります。私のような短い足の持ち主がそう思うのですから、多くの人が窮屈に感じるでしょう。元々急行用車両ですし、今でも料金が安く設定されているとはいえ、現代の「特急」とは言い難い設備です。
ちなみに料金ですが、浅草~新栃木間の「スペーシア」は平日1,130円で、「しもつけ」は820円です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/c7/45df6f414dae88c332620e3422e4268e.jpg)
4両編成にトイレと自動販売機が2箇所あります。まったくもってシンプルな、懐かしいトイレです。本当に特急として必要最低限の設備で走っているような、そんな感じがします。
ただ、車内は静かで、揺れもそんなにありません。特急とはいえども、宇都宮線は全線単線なので、ほとんどの駅で運転停車します。江曽島、おもちゃのまち、壬生の3駅はドアが開く正規の停車駅で、どの駅からも数名の乗客が乗り込んできました。対向列車はすべてワンマン運転対応の8000系です。2007年に全ての列車がワンマン運転になり、8000系に統一されました。その前年までは、宇都宮線と浅草を結ぶ列車が1時間に1本程度設定されていたそうですが、合理化の波に飲まれた格好です。この特急「しもつけ」の1往復が唯一の直通列車ということになります。
国谷駅を過ぎると、線路の真横にゴルフ場があります。線路を挟んで反対側にはクラブハウスがあります。この「星の宮カントリー倶楽部」は、東武系列のゴルフ場で、これがちょっとした名物になっているようです。ちなみに、カート道は地下道になっていて、カートで踏切を横断するわけではありません。また、線路を背にしてショットを打つレイアウトになっているので、ボールが電車を直撃することもありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/e9/1bd420eb8353a93cdeebe04502666f47.jpg)
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新栃木駅でまとまった乗車があり、4割程度の乗車率となりました。やはりビジネスマンはあまり見られず、相変わらず女性が多いです。東武動物公園駅を出たあたりからはグングン加速して、力強い走りを見せてくれるようになりました。この「しもつけ」もそうですが、日光線特急がなぜ東武動物公園駅を通過するのか、不思議です。下りの「きりふり」だけが停車するようです。
「りょうもう」は春日部を通過し、東武動物公園に停車しますが、「スペーシア」はその逆です。昼間のダイヤでは、「りょうもう」の10分後を「スペーシア」が走っていますが、これを30分間隔にして春日部と東武動物公園の両駅に両方が停車すれば利便性が高まるのではないかと、素人考えが浮かびます。実際そうなっていないということは、意味がないということなのでしょう。
春日部駅からもまとまった乗車があり、ここで半分の席が埋まりました。春日部駅のホームで特急券を買った乗客は、席が指定されていないので、空いている席を利用することになります。車内放送で「席の指定を受けておられない春日部駅からのお客様、どうか譲り合ってお掛けください」と言っていましたが、半分しか乗っていないのに何の冗談でしょうか。
車内放送に関しては、車掌が喋り過ぎであると感じました。どの駅を出ても「この電車は特急しもつけ282号、浅草行きです。全車指定席です。乗車券の他に特急券が必要ですのでご注意ください。指定されたお席にお座り下さい。指定されたお席以外にご着席の場合は切符を拝見させていただきます。前から4号車…停車駅は…到着時刻は…」と、こんなことを毎回毎回喋ります。規定ではどうなっているのか知りませんが、耳障りです。私は車内放送はシンプルなものが好みです。
夜に運転される下りの「きりふり」のうち、1本は春日部行きです。こんな短い乗車時間で需要があるのかと思っていました。春日部から北千住までは急行で30分の乗車です。特急だと20分で、特急料金は310円です。これでも20数名が乗ってくるのですから、春日部行きの「きりふり」もそこそこ乗っているのではないかと思われます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/8f/21a3ede5e81232bedb2dfaba1810feb2.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/1c/349bdb8c050fe2368b5a7b27db9e1941.jpg)
複々線を豪快に走り抜け、あっという間に北千住に到着しました。ここで8割程度の乗客が降車しました。私もここで下車します。
宇都宮という大きな都市と都心を結ぶ特急「しもつけ」。ビジネス需要は新幹線が握っているので見込めず、都心への観光・買い物列車という位置づけなのかなと感じました。それならそれで、ソフト面ではもっとリーズナブルな料金体系があって良いようにも思いますし、ハード面では車内設備、特にシートの改善があれば、乗客が増えてくれるのではないかと妄想します。急に降り出した大雨の中を浅草に向けて走る古豪を見送り、そんなことを考えていました。
途中で追い抜いた東急車が、伊豆急カラーの8514編成だったので、それを最後に撮影し、出勤します。半日の旅行でしたが、十分に楽しむことができました。
おまけ
伊豆急カラーの8514Fを見ると、何だか得した気分になりますが、もう一本の変わり種といえば「シャボン玉」でお馴染みの8537Fです。今ではシャボン玉のステッカーも、CATVの広告も外されていますが、帯の色は変わらず青色で走っています。
赤い帯の8500系の中で、一際目立つこの2本の編成。8537Fは、北千住の踏切で出会った時にスマホで撮影しました。
車両についての知識はほとんど無く、『赤いのが模型で発売されてたな』くらいにしか思っていませんでした。この「赤いの」が、300・350系の前身である1800系であることは知っていましたが、300・350系は今でも1800系だと思っていました。
何度か見ているうちに、無骨な表情に年代を感じさせる屋根上、朝と夜にしか見ない運用と、だんだん興味が湧いてきました。
300・350系が使用される特急『しもつけ』『きりふり』のダイヤを調べてみると、登り1本、下り3本という少なさに驚きました。てっきり通勤時の『スペーシア』や『りょうもう』の補完的役割を担っていると思っていただけに、意外でした。
1本しかない上りはどの様なものかと気になります。北千住到着時刻と仕事の都合を照らし合わせ、ちょうどいい日がありましたので宇都宮から乗車することにしました。
当日の朝に宇都宮へ向かっても良かったのですが、せっかくなので餃子でも食べようと、周年キャンペーンで2,000円台になっていたビジネスホテルの素泊まりを予約し、前日の内に宇都宮へ入ることにしました。新幹線を利用するのは味気ないので、往路は東北本線を利用することにしました。
20時に北千住で仕事を終え、駅まで全力で走って日比谷線に乗り、上野でも猛烈に走って一瞬で買い物を済ませ、何とか20時20分発の通勤快速に間に合いました。ここまで急がなくても、その日のうちに宇都宮に着けばいいだけなのですが、4分後に出る普通と通勤快速では宇都宮到着時に30分以上も差が出来てしまいますので、間に合って良かったです。距離が長いので、グリーン車に乗りました。
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この時間帯に意外にも10両編成ということもあって普通車は大変な混雑ですが、グリーン車は3割強程の乗車率でした。やがて赤羽を過ぎたあたりで半分程度の席が埋まりました。
普通列車のグリーン車に乗るのは久し振りです。二階席に座りましたが、振動は少なく、車内はとても静かで、隣の車両や並走する京浜東北線の混雑ぶりを見れば、900円の出費はついつい眼を瞑ってしまいそうです。オールモノクラスの115系15両編成しかなかった頃に比べると、選択肢があるということは有難いものです。多様化の時代がもたらせた産物かもしれません。
落ち着いたところで、上野駅で瞬時に買った弁当とビールを広げます。ビールのアテになるようにと弁当を買ったのですが、選ぶ間もなく一番上にあったものを購入したため、「まかない牛めし弁当」という、おかずが少ないものを買ってしまいました。慌てすぎました。
クーラーが効いているせいか、ご飯が暖かく感じます。米沢駅にある松川弁当店の駅弁ということですが、製造は「上野」になっています。上野で作っているのでしょうか。
グリーン車ということで、売り子さんもうろうろしています。ちょうどビールがなくなったところでやってきたので、ハイボールを買いました。私意外に二人、買い物をしていましたが、売り上げが気になるところです。
さて、この「通勤快速」ですが、平成3年までは「スイフト」という愛称がありました。昼間には快速「ラビット」があり、この快速2枚看板時代が3年間ありました。さらにその前身は「新特急なすの」ということになります。
愛称がついた「快速」というのに、少年時代の私はとても惹かれていました。関西では「新快速」や「大和路快速」という種別であって、愛称ではありませんから、東海道線東京口の「アクティ」や高崎線の「アーバン」など、愛称を持った快速を時刻表で見ては、何かしら特別な感じを抱いていたのです。乗ればただの113系なのですが。
久喜、古河で多くの下車があり、グリーン車は閑散としてきました。今年3月で廃止された「ホームライナー古河」のことを考えます。JR東日本になってから運行を開始したので、ずいぶん長く走っていたホームライナー古河も、ついに終焉の時を迎えてしましました。ただこれは、全列車にグリーン車が付くようになったこととリンクしていますので、良く言えば発展的解消なのだと思います。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/7b/78fe60b75f56e6a7bbd894a5da616b55.jpg)
ガラガラになったグリーン車の1階やトイレを探検しているうちに、宇都宮駅に到着しました。
向かいのホームにはこの先の東北本線を行く黒磯行きが停っています。幕張顔の205系でした。
京葉線が開通し、投入された幕張顔の205系は、丸みを帯びた愛嬌ある全面と、ピンクのラインカラー、ベイエリアの高架線を快走する姿などから、好きな車両でした。グリーンマックスのキットを組んだこともあります。その車両が短い編成になり、帯の色を湘南色に変えて栃木にいるというのは、なんとも不思議な感じです。
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ついでに日光線の写真を撮ろうと、日光線のホームに降り立つと、ここにも幕張顔の205系がいました。
こちらは茶色にアイボリーのラインで随分とシックな色合いになっており、ホームも統一したレトロな色調にまとめられていました。
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改札を出て、初めて宇都宮の街を訪れます。駅の東口のほうが賑やかだと聞いていましたが、予約したホテルは反対側なので、西口に降り立ちます。こんな時間に餃子屋さんなんて開いているのかなと思っていましたが、いざ駅を降りてみると餃子、餃子、また餃子の看板だらけで驚きました。ただし、有名店は既に閉店していました。
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空いているお店に入り、6種類の味が楽しめるという餃子盛り合わせを頼みました。お店には来店した芸能人の写真がズラリと並んでいたので、そこそこ有名なお店だったみたいです。店内には「2013年 餃子消費量一位奪還!ありがとうございます」というポスターが貼られていました。この消費白書を作成すること自体に疑問があるのですが、こうして街おこしの一環になっているのは良いことだと思います。よほど浜松に抜かれて悔しかったのでしょう。そんな宇都宮餃子を食べてみて、研ナオコの名曲「かもめはかもめ」を思い出しました。餃子は餃子です。
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西口を散歩していますと、駅弁製造の松廼家さんがありました。「とちぎ霜降高原牛めし弁当」が有名なようですが、残念ながら今まで松廼家さんの弁当は食べたことがありません。
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翌朝、チェックアウトを済まし東武宇都宮駅に向かいます。
ホテルはJRと東武のちょうど中間あたりにあったのですが、どちらからも歩いて10分以上は掛かります。宇都宮駅とは言え、JRと東武とではそこそこ離れており、どちらも独自の商圏があるように思います。JRの東口は見ていませんが、東武宇都宮駅周辺も、駅が入る東武百貨店を中心に、賑やかな街が広がっています。
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7時45分に駅に着きました。通学する高校生がどんどん駅ビルから出てきます。改札口のある3階に上がりますと、既に特急「しもつけ282号」は停車していました。重厚な車体にズラリと並ぶこぶりな窓。そこから覗くクラシカルなシートモケットは、朝ラッシュ時のホームで異彩を放っていました。
「しもつけ282号」は8時ちょうどに発車します。4両編成で、宇都宮発車時の乗客は20名ほどでした。その後、宇都宮線内を細かく停車していきますが、各駅で数名がパラパラと乗り込んできました。客層はほとんどが女性で、買い物か観光なのでしょうか。サラリーマンぽい人はほとんど見られません。
車内に入りますと、古い車両独特の匂いがします。元喫煙車の匂いは、大体似たようなものではないでしょうか。私はこれを「国鉄型の匂い」と呼んでいますが、共感いただける方はいらっしゃいますでしょうか。
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着席してまず驚いたのですが、2人がけの椅子が独立しておらず、間に肘掛けがないことと、リクライニングしないことです。前のシートとの幅も狭く、フットレストがあるのですが、それを出して足を乗せると三角座りをするような感覚になります。私のような短い足の持ち主がそう思うのですから、多くの人が窮屈に感じるでしょう。元々急行用車両ですし、今でも料金が安く設定されているとはいえ、現代の「特急」とは言い難い設備です。
ちなみに料金ですが、浅草~新栃木間の「スペーシア」は平日1,130円で、「しもつけ」は820円です。
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4両編成にトイレと自動販売機が2箇所あります。まったくもってシンプルな、懐かしいトイレです。本当に特急として必要最低限の設備で走っているような、そんな感じがします。
ただ、車内は静かで、揺れもそんなにありません。特急とはいえども、宇都宮線は全線単線なので、ほとんどの駅で運転停車します。江曽島、おもちゃのまち、壬生の3駅はドアが開く正規の停車駅で、どの駅からも数名の乗客が乗り込んできました。対向列車はすべてワンマン運転対応の8000系です。2007年に全ての列車がワンマン運転になり、8000系に統一されました。その前年までは、宇都宮線と浅草を結ぶ列車が1時間に1本程度設定されていたそうですが、合理化の波に飲まれた格好です。この特急「しもつけ」の1往復が唯一の直通列車ということになります。
国谷駅を過ぎると、線路の真横にゴルフ場があります。線路を挟んで反対側にはクラブハウスがあります。この「星の宮カントリー倶楽部」は、東武系列のゴルフ場で、これがちょっとした名物になっているようです。ちなみに、カート道は地下道になっていて、カートで踏切を横断するわけではありません。また、線路を背にしてショットを打つレイアウトになっているので、ボールが電車を直撃することもありません。
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新栃木駅でまとまった乗車があり、4割程度の乗車率となりました。やはりビジネスマンはあまり見られず、相変わらず女性が多いです。東武動物公園駅を出たあたりからはグングン加速して、力強い走りを見せてくれるようになりました。この「しもつけ」もそうですが、日光線特急がなぜ東武動物公園駅を通過するのか、不思議です。下りの「きりふり」だけが停車するようです。
「りょうもう」は春日部を通過し、東武動物公園に停車しますが、「スペーシア」はその逆です。昼間のダイヤでは、「りょうもう」の10分後を「スペーシア」が走っていますが、これを30分間隔にして春日部と東武動物公園の両駅に両方が停車すれば利便性が高まるのではないかと、素人考えが浮かびます。実際そうなっていないということは、意味がないということなのでしょう。
春日部駅からもまとまった乗車があり、ここで半分の席が埋まりました。春日部駅のホームで特急券を買った乗客は、席が指定されていないので、空いている席を利用することになります。車内放送で「席の指定を受けておられない春日部駅からのお客様、どうか譲り合ってお掛けください」と言っていましたが、半分しか乗っていないのに何の冗談でしょうか。
車内放送に関しては、車掌が喋り過ぎであると感じました。どの駅を出ても「この電車は特急しもつけ282号、浅草行きです。全車指定席です。乗車券の他に特急券が必要ですのでご注意ください。指定されたお席にお座り下さい。指定されたお席以外にご着席の場合は切符を拝見させていただきます。前から4号車…停車駅は…到着時刻は…」と、こんなことを毎回毎回喋ります。規定ではどうなっているのか知りませんが、耳障りです。私は車内放送はシンプルなものが好みです。
夜に運転される下りの「きりふり」のうち、1本は春日部行きです。こんな短い乗車時間で需要があるのかと思っていました。春日部から北千住までは急行で30分の乗車です。特急だと20分で、特急料金は310円です。これでも20数名が乗ってくるのですから、春日部行きの「きりふり」もそこそこ乗っているのではないかと思われます。
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複々線を豪快に走り抜け、あっという間に北千住に到着しました。ここで8割程度の乗客が降車しました。私もここで下車します。
宇都宮という大きな都市と都心を結ぶ特急「しもつけ」。ビジネス需要は新幹線が握っているので見込めず、都心への観光・買い物列車という位置づけなのかなと感じました。それならそれで、ソフト面ではもっとリーズナブルな料金体系があって良いようにも思いますし、ハード面では車内設備、特にシートの改善があれば、乗客が増えてくれるのではないかと妄想します。急に降り出した大雨の中を浅草に向けて走る古豪を見送り、そんなことを考えていました。
途中で追い抜いた東急車が、伊豆急カラーの8514編成だったので、それを最後に撮影し、出勤します。半日の旅行でしたが、十分に楽しむことができました。
おまけ
伊豆急カラーの8514Fを見ると、何だか得した気分になりますが、もう一本の変わり種といえば「シャボン玉」でお馴染みの8537Fです。今ではシャボン玉のステッカーも、CATVの広告も外されていますが、帯の色は変わらず青色で走っています。
赤い帯の8500系の中で、一際目立つこの2本の編成。8537Fは、北千住の踏切で出会った時にスマホで撮影しました。
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