天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

九州 延岡→阿蘇・熊本

2012-03-24 | 日記
2日目は本来の目的地、熊本へ向かいます。

駅に着くと、単行の気動車が停まっていました。キハ220系です。



それまでのキハ200系列に比べ、厳つい顔をしています。
717系2連では供給過多だったようで、この車が運用についているようです。

0912発の「にちりん6号」に乗ります。
半分ほどの乗車率でした。昨日から細切れに特急を利用していますが、自由席に余裕があり、料金も安いので助かります。



佐伯で交換がありますが、ホームには園児が遊びに来ていました。
こちらに向かって手を振っていたので、こちらも手を振り返します。それだけでは面白くないので、顔をガラスにくっつけて変な顔を披露したり、サービスに務めると、園児は大喜びでした。ただ、ガラスに私の油がたっぷり付き、それを拭いているときに少し惨めでした。

熊本での書類も何も準備が出来ていなかったので、この車内は仕事に充てます。鉄道の車内で本を読んだり、パソコンを打つのは大好きです。とても捗ります。

切りの良いところで大分に着きました。上下線とも高架に上がっています。真新しい高架橋が眩しいくらいです。
ホームに降りると、向かいに博多行き「ソニック」が停車していました。883系をじっくり見るのは初めてで、乗ったこともありません。この車両も、鮮烈なデビューを飾りました。今では登場時とだいぶ異なる印象に変わりましたが、私はメタリックブルーのこちらの方がカッコいい印象を持ちます。



ここから阿蘇まで乗車する「九州横断特急3号」まで48分あります。「九州横断特急」は別府発、883系のカッコよさに魅かれて、「ソニック」に乗車することにしました。
大分-別府間の往復乗車券と、片道の特急券を購入します。次の「九州横断特急」別府→大分間は特急券をどのようにするか、などと考える間もなく、車内を散策しました。

 
 

動物の耳のようなヘッドレスト、デッキのショーケースにクマのぬいぐるみ、まるでディズニーリゾートライナーのようだなという印象です。ビジネスユースでも邪魔にならない落ち着いたモケット、観光客の期待値を上げるインテリア、静かな走行音にスムーズな振り子機構と、デビューから15年以上経過していることを思わせない素晴らしい車両です。
もっと乗り続けたかったですが、8分の乗車で別府に到着してしまいました。

「九州横断特急3号」の発車までには、それでも30分近くあります。
待合室で待っていると、向かいのホームに415系が入線してきました。これがセミクロスシート編成。時刻表を見ると大分まで先着するみたいなので、特急券の乗車区間変更のわずらわしさも無くなりますし、この列車で大分へ戻ることにしました。



これも僅かな時間ですが、MT54型電動機を満喫します。あっという間に大分へ戻ってきました。
改札方面に降りてみると、とても綺麗なコンコースが広がっていました。



再びホームに戻ると、久大本線・豊肥本線のローカル列車が並んでいました。キハ147系もいいですが、次はキハ200系列にも乗ってみたいと思います。



寄り道から戻り、ようやく本来のコースに戻ります。真っ赤なキハ185系「九州横断特急」に乗車です。
キハ185系が四国から九州に渡ったことも驚きでしたが、あれから20年近く経っても活躍し、しっかり馴染んでいるのにも驚かされます。車内は四国のそれと同じとは感じさせないリフォーム振りで、各所を木目調に覆っているだけでなく、テーブルは合板に変更されています。優しい雰囲気で移動を楽しめます。



車内販売でお弁当を買いました。本日は3両編成で車掌が乗っていますが、普段は2両編成で形式的にはワンマン運転。車内改札を車内販売のクルーが行うようです。
九州新幹線の写真が載った「肥後彩り弁当」を買いました。からし蓮根がそれらしさをアピールしていますが、特にどれが「肥後」なのかよくわかりませんでした。
次のワゴンサービスで、昨日のコーヒーチケットを出し、コーヒーを買います。当たり前ですが、ちゃんと100円で買えました。物凄く得した気分になります。
私が乗務していた頃にも、コーヒー回数券を作る話は何度もありましたが、12両編成を1人で乗務した場合や繁忙期には、満足のいくワゴンサービスを提供できないなどの問題があり、実現しませんでした。JR九州のように、物販を「サービス」ときちんと位置付けていれば簡単に出来たことだったと思い知らされます。

いよいよこの旅も、この「九州横断特急」の阿蘇到着で終わりを迎えます。
私は阿蘇で、熊本空港から来る後発組(先発は私だけ)に貸切バスで拾われる予定でした。あらためて行程表を見ると、阿蘇で結構時間があることに気付きました。時刻表を見ると、立野まで行っても間に合い、さらに立野から阿蘇まで「あそボーイ」に乗れることがわかりました。そこで2回目の乗車変更、立野まで乗車券と特急券を延長します。




スイッチバックを堪能し、程無く立野に到着します。
ここでキハ185系とはお別れ。快適な乗り堪えのある車両でした。
立野では南阿蘇鉄道の気動車と出会います。トロッコ列車の運転を行っていますが、看板やパンフレットから力の入れようが伝わってきます。




南阿蘇鉄道の到着から少しして、上り下り両列車が同時入線してきました。きちんと接続が取られています。
阿蘇に向けてキハ200系の赤い車体が走って行きましたが、暫くするととても上の方を走っています。
スイッチバックにする意味のわかる光景です。



そして、この旅の最終乗車となる「あそぼーい!」が入線してきました。
JR九州のジプシー、キハ183系1000番台です。
「オランダ村特急」「ゆふいんの森2世」「シーボルト」「ゆふDX」と渡り歩き、装いも新たに阿蘇の地へやってきました。
車体のあちらこちらにプリントされたキャラクター「くろちゃん」が賑やかです。101匹いるそうな。
車内の入って、そのはっちゃけ振りに圧倒されました。親子で座ることだけを考えて作られた「白いくろちゃんシート」など、今後も出てくる事が無いような、鉄道業界の常識を全く無視した作りです。
売店もしっかりとしたコンセプトに基づいて作られており、オリジナル商品も実にユニーク。JR九州の姿勢に驚きっぱなしだった今回の旅の最後に、とどめを刺された気分です。全くもって参りました。

 
 
 
 

4号車は団体専用、その他の車両には合わせて20名弱の乗車でした。平日ですから、こんなものでしょうか。
私の座席は1号車の後部でしたが、展望スペースに誰も乗っていなかったので、車掌さんに一言断わってここに陣取りました。
シートはリクライニングしないものですが、座り心地のいいクッションで問題ありません。
売店で買った「あそぼーい!」車内限定発売のプリンを食べながら、阿蘇山の大パノラマを独り占めします。
何と贅沢な空間でしょうか、立野まで延長して本当に良かったです。しかもこのプリンも、とても美味しい逸品でした。

 
 

あっという間に阿蘇に到着。団体客も含めほぼ全員がここで下車していきました。
走り去るエンジン音こそやや古めかしいものですが、そんなこと全く気にならない「あそぼーい!」のトータルコーディネートにただ脱帽です。しかも、阿蘇駅にはくろちゃんの「犬小屋」までありました。徹底しています。

バスが遅れていたので、折り返してきた「あそぼーい!」を撮影し、この旅は終わりました。
高速バスに押されていると聞くJR九州ですが、点と点の移動ではない、ソフト面の充実で、観光客を大いに取り組んでほしいと思います。
必ずまた来たい、九州の旅でした。


九州 鹿児島→宮崎→延岡

2012-03-24 | 日記
3月21日・22日と熊本出張が入りました。

スケジュールを見ると夕方に熊本集合、別件を一件入れても、14時までに着けば良いゆるいものです。それならば朝から九州に入って鉄分を補給しようとあれこれ企んでしまいますが、当初の予定では19日神戸泊まりの20日イベント、夜に事務仕事で、当日の朝イチ「みずほ」位しか選択肢が有りませんでした。

しかし、前日の仕事が丸々無くなったので、神戸泊まりをキャンセルし、事務仕事を前倒しして20日の朝から九州に入る事にしました。余裕を見て、今回の改正で新たに登場した新大阪0859発の『みずほ605号』をチョイス。初めてのN700系7000番台・九州新幹線乗車です。

少々無理をしたので徹夜での仕事となり、新大阪から『みずほ605号』に乗ります。駅では「さよなら300系・100系」グッズが売っていました。青春を過ごした両形式は、既に本線にいません。



こだま乗務で何度と行き来した20番線に、今、山陽筋で一番の優等列車が停車している事自体が不思議な感覚です。

  

休日ともあって、ホームでは記念撮影をする人も多く、車内も観光モードで賑やかでした。私は仕事のメールを何通か作って、喫煙コーナーで一服し、姫路辺りから爆睡モードに入りました。

小倉で起床し、煙草を一服。快適なトイレで用を足しました。このあたりが飛行機と違う鉄道の魅力でしょうか。もちろん、移動時間で考えると大阪ー鹿児島ともなると断然飛行機になりますが、熊本なら新幹線も十分選択肢に入ってくると思います。

交通市場で新幹線と飛行機の選択分岐点は、新幹線4時間圏内だそうで、そう考えると新幹線の大きな偉力をひしひしと感じます。芸能プロダクションの人と、芸能人の東京ー大阪間の移動について話しをした事がありますが、かつては飛行機に乗る事がステータスと考える人が多くいて、飛行機利用が多かったそうですが、のぞみが大衆化してからは飛行機に乗る人は皆無なのだそうです。ふと御巣鷹山で夜空の星となられた坂本九さんの事を思い出しました。
ビジネスで東京―大阪間を飛行機で移動する場合は、羽田からのバスアクセスがポイントになっていると考えます。

さて、いよいよお楽しみ、九州新幹線に入ってきました。
博多駅の新幹線ホームが増えていることに先ず驚きました。新設されたのは11番線で、鹿児島方面への行止り構造なのだそうです。博多駅は大いに変わったそうで、次の福岡出張がとても楽しみです。

博多駅で私の乗る号車は降りる人はおらず、博多から更に乗って来ました。博総を眺め、停車中の車両の変わり振りにも驚きです。
博多駅を発車すると、日本語、英語、韓国語、中国語の長い長い自動放送、私は日本語と英語位で良いのではないかと思いますが、これで海外からの観光客が増えるなら良いですね。 

お腹も空いて来たのでワゴンサービスを呼び止めます。3種類ある中から、鹿児島松栄軒の『えびめし』を選びました。今どき駅弁で900円は有難く、内容も十分で満足しました。北陸沿線の弁当屋にも見習って欲しいものです。



熊本で大量の下車があり、車内は閑散としました。それでも大阪から乗り通している人の多さに驚きます。ここでアイスクリーム放送。まんまと苺ジェラートを買ってしまいました。乗務員時代にやってきた仕返しを喰らった感じです。



喫煙コーナーに行くと乗務員室が空いていたので、繁々と眺めていると、売り娘さんが話しかけてくれました。コーヒーマシンは今でも使っているそうで、レンジは客からの要望で使用する程度なのだそうです。売上は多くて片道2万5千円、2人で5万円位なのだとか。羨しいやら、寂しいやらです。

鹿児島着前で『九州新幹線の旅はいかがでしたでしょうか』という放送がありましたが、ほとんどトンネルという印象だけでした。鹿児島出身の落語家、三遊亭歌之助が『あれはツバメではない、モグラだ』とマクラでよく言っていますが、その通りです。
新大阪から4時間掛からず、鹿児島中央駅に降り立ちました。鹿児島がこんなに近いのかという印象です。

 

1964年に東京-大阪間が開業し、西へ延伸を繰り返した新幹線も、ついに鹿児島まで来ました。レールはこの車止めを越える日が来るのか、宮崎方面とへとレールは延びるのか。あったとしても、何十年も先の話でしょう。

鹿児島中央駅では、800系とN700系2本が並びました。鹿児島もすっかり新幹線の時代になったことを思わせます。と、いっても、西鹿児島駅を私は知りません。

実は、恥ずかしながら私は鹿児島県と宮崎県に降り立った事がなく、今回が初めての鹿児島県上陸となりました。桜島口出口のスケール感は圧巻です。あまり時間も無いので直ぐに改札内へ戻りました。



このホームから東京行きブルートレインが発着していたんだなと思いを馳せます。今なら陸路でも7時間で東京に着きます。時代ですね。
指宿枕崎線のキハ200や、本線の817系を見ますと、九州の末端でありながらこの設備サービスは大したものだと感心します。鉄道ファンとしてはいつまでも国鉄型車両に頑張って欲しいですが、毎日乗る方々は新型車両の方が快適に決まってます。とは言うものの、817系の椅子はとても硬く、そこそこの距離を利用する方からは嫌われているようです。

 

さて、鹿児島中央からは特急『はやとの風4号』に乗り、吉松まで行く事にしました。九州新幹線開業と共に誕生した観光特急です。車両はキハ147ですが、内装はお得意の水戸岡デザイン。室内灯までこだわって作られています。外見は塗装のインパクトもありますが、側面の大きな曲線展望窓が目立ちます。

 

2両編成ながら車内販売を兼ねたアテンダントも乗務していて、沿線の案内も詳しくしてくれます。今日は指定席は満席、自由席も大方埋まっていました。

そんな『はやとの風』ですが、乗ってみるとやはりキハ147。揺れが凄いです。2日前に香住から城崎温泉までキハ47に乗っていたので、中一日でまたキハに揺られている事になります。とても贅沢な経験です。

カウンターに置いてあったカードに記念スタンプを押し、車内販売で地ビールを買いました。鹿児島の「薩摩麦酒」製造、ヴァイツェンドュンケルという商品で、「地ビールにうまいものなし」とよく言いますが、これは香もコクもしっかりしていて、とても美味しかったです。

 

鹿児島構内には色褪せた『レッドエクスプレス』485系に出会う事が出来ました。スーパー雷鳥色や上沼垂色に比べて、485系には似合わない色だなと思っていましたが、無くなると寂しいものです、が、やはり似合っているとは最後まで思えません。
私は、模型で九州内の車両をほとんど持っていません。KATOから出た「キハ58・九州急行色」だけです。
それは、車体の色とデザインで、大書されたアルファベットがデザインの一部になっているのが苦手だからです。ですから、485系が大好きでもレッドエクスプレスは写真に撮ることもありませんでしたし、787系がカッコいいと思っても、他に並走させる九州の車両が無いからと、購入をしてきませんでした。乗る分にはいいのですけどね。



放送と共に雄大な桜島が見えてきました。観光案内付きで見ると楽しいです。



放送で案内していましたが、事前にお弁当を予約しておくと車内で受け取る事が出来たようです。実際に数名がお弁当を食べていました。羨ましい。

最初の観光停車は嘉例川駅。鹿児島県下最古となる開業当初からの木造駅舎が残り、「開業100周年」の石碑が建てられています。何処から来たのか、ホームには50人くらいの見物客がいました。改札を出ると沢山の車が。地元の方々でしょうか。かつての役務室には、沢山の雛人形が飾ってあり、見る人を微笑ませてくれます。

 
 

次の観光停車は大隅横川駅。ここも嘉例川駅と同じく、鹿児島県佐最古の木造駅舎が残ります。近くに山ヶ野などの金山があった事から、米軍に狙われていて、戦時中に機銃掃射に晒された跡が今でも残っています。アテンダントの説明を受け、戦時中の思い出を次々に語り出すお年寄り達、なかなか稀な光景です。

 

ベンチシートに腰掛けたり、車内を撮影したりしてるうちに、あっという間に終着の吉松に着いてしまいました。

 

吉松では向かいに肥薩線の普通列車『いさぶろう・しんぺい』が先着していました。ここで初めての気づいたのですが、殆どの人が『はやとの風』と『いさぶろう・しんぺい』を乗り継いで旅をしているようです。『いさぶろう・しんぺい』は普通列車、座席のリクライニング機能こそ無いものの、内装は凝っています。こちらにもアテンダントが乗務していて、同様のサービスを提供しているようですが、車内販売はグッズのみで飲食物は無いとの案内がありました。

 
 

停車中の「いさぶろう・しんぺい」車内を見ていると、中間運転台に大量の傘が置いてありました。
車掌さんに聞いてみると、途中の観光停車の際、雨が降っていて傘が無い乗客に貸し出すのだそうです。
一見すると忘れ物の寄せ集めのようですが、なかなか細かいサービスだと思います。

両車両が並んでいる間は大変賑やかで、みな思い思い記念撮影をしたり買い物したりしています。しかし、都会の駅の殺伐とした光景とは違い、とてものんびりとした、温かい時間が流れていました。
大昔の肥薩線は鹿児島本線で、吉都線は日豊線。吉松はそれは賑わい、一日中機関車の煙が駅を、町を漂っていたのではないかと思います。乗り換えの人々で賑わうホーム、僅かながら今、その時の光景が蘇っているようです。

 

売店のおじいさんも此処ぞとばかり弁当の立ち売りを行ないます。かつてあちこちで見られた、駅の風景です。誰もいない売店の品物を眺めてると、立ち売りに出ていたおじいさんが慌てて戻って来るシステムになっていました。『手作り幕の内・このお値段』なんてPOPが目に入ると買わずにいられません。630円のお弁当でしたが、店じまい前という事で500円にしてくれました。
このお弁当屋さん『たまり』は、急行『えびの』廃止と同時に営業を辞められたようですが、『はやとの風』『いさぶろう・しんぺい』運転にあわせ、復活されたようです。



売店には飲み物やお菓子と並んで、観光列車のグッズも売られていました。
中には「肥薩線開業100周年記念焼酎」なんてのもあり、SLのラベルが購買意欲を高めますが、荷物になるので諦めました。

賑わいも束の間、先に『はやとの風』が、そして『いさぶろう・しんぺい』が発車すると、ホームには一気に静寂に包まれました。
次は都城へ抜けることにします。次の列車までしばらくあったので、改札を出てみました。何も無い駅前ですが、SL・C55-52が静態保存されていて、その周りが公園に整備され、喫茶店を併設した売店も在りました。C55-52は状態も良く、キャブにも入ることが出来ます。スポーク動輪・門デフ、美しい機関車です。
機関士になったつもりで運転席に腰掛け、逆転機を握りしめて前方を伺うと、よくもこんな狭い視界で運転を行っていたなと改めて驚かされます。続いて機関助士になったつもりでテンダーに上がると、よくぞこれだけ大量の石炭をシャベルで汲み続けていたものだと感動すら覚えます。

 

駅に戻ると、肥薩線隼人行きと吉都線都城行きが並んでいました。ホームにはサボ置き場があり、たくさんのサボが入っています。サボが現役なのも嬉しいものです。

 

吉都線の都城行は単行。乗客6名で発車しました。その後、ほぼ全ての駅で乗降があり、座席は常に7割方埋まっている状態でした。
ここで、先程買ったお弁当を食べることにします。包み紙のイラストはノスタルジックな感じですし、箱も蓋も蒸気で湿っていて良い感じです。ところが蓋を開けて見ると現実を思い知らされました。ふりかけと福神漬け、冷凍揚げ餃子に冷凍魚フライ、芋コロッケ、煮物‥まあ、500円ですから文句を言ってはいけません。そういえば中学生の頃、撮影で加古川線を訪れた際に食べたお弁当がこんなのだったのを思い出しました。600円か700円か忘れましたが、当時の私にとっては大金、しかも『駅弁』というと旅情を掻き立てるおいしい旅のアイテムと勝手に決め付けていたので、その衝撃はまさにドラゴンクエストで痛恨の一撃をくらったようなものでした。乗客が多く、キハ40系の中間運転台で食べたのですが、あまりに情けなくなって、持って行きようの無い悲しみをペダルに込め、タイフォンを鳴らしまくりました。



そんな事を考えながら、お腹もいっぱいになって、何時の間にか居眠り。気が付けば都城着前でした。

都城からは特急を乗り継いで延岡に向かいます。先ずは『きりしま12号』、787系です。
787系がデビューした時は、その時代の鉄道ニュースを掻っ攫って行ったように思います。大阪駅で展示会も行われましたが、交流電車ゆえに大きな電源を別途ホームに備え付けての展示でした。私が乗務の準備をしていると、その発電機が降ろされて来ていました。宮原で余っているカニ21を電源にするにではないかというデマまで飛び交っていました。みんな興味津々だったのですね。本格的なビュッフェがサハシ787として蘇ったのも大きな話題でした。とうとう787系の『つばめ』に乗る事はないままリレーつばめになり、それにも乗る機会はありませんでした。初めて787系に乗ったのは去年の2月、熊本から水前寺まででした。

登場から20年が経過した787系ですが、古さなんて微塵も感じさせません。荷物入れと間接照明が織り成す天井の曲線美、シート、床のモケット、デッキ部分のレイアウト、トイレ、ゴミ箱に至るまで、実に素晴らしいデザインだと思います。洗面所をトイレ個室に入れるという発想は、少しで回転を上げようとする合理的発想からは考えも付かない事でしょう。ただ、私のようなお腹が出ている部類の人にとっては、多少窮屈な感じもしますが、その辺りは自己責任と諦めます。

 
  

ちなみに、私が乗務していた681系などのJR西日本の車には、汎用性を求めすぎていてデザイン性は皆無です。以前、近代美術館と現代アートを島中に点在させた、瀬戸内海の直島に行った時、日常生活の中でいかに優秀なデザインが必要であるかというのを学びました。私は絵の才能は未就学児レベルで、デザイン云々を語る資格はありませんが、787系が『カッコ良く』て681系や281系が『つまらない』こと位はわかります。単純にドキドキ、ワクワクするのです。表現まで未就学児レベルになってきたのでこの辺でやめておきます。

車内販売で珈琲を買いました。4両編成でも車内販売が乗務していることに驚きもし、これを『サービス』と割り切っているJR九州の姿勢に大賛成します。ブランド戦略にきちんと筋が通っていて、ぶれていない証です。また他社の事を言いそうなので話しを戻しますが、珈琲を買うと次回100円で珈琲が買えるチケットを貰いました。嬉しいサービスです。明日、必ず飲もうと思います。



787系に心酔し切っているうちに、南宮崎に着きました。次の『にちりん』も自由席なので、宮崎まで乗車せず、念のためここで乗り換える事にします。

宮崎、都城と言うと、C57が奇跡の優等列車牽引復活を果たした急行『日南3号』を思い浮かべます。その様子を収めたDVDがあるのですが、気に入って何度も見ました。ここをC57に牽引された10系客車が通っていたんだなと妄想します。

 

南宮崎の車庫に『海幸山幸』の元高千穂鉄道車両が止まっていました。鉄道の旅の面白さを追求し続けてくれるJR九州に感謝です。
私は宮崎県を訪れるのも初めてなので、見るものいろいろ新鮮です。『サンシャイン』と書いたド派手な713系も強烈なインパクトで飛び込んできました。この車両はもちろん乗った事がありません。

そうこうしている内に『にちりん』が入線してきました。787系です。時刻表を見るとハイパーサルーンもあるようで、この一本後がそうだったのですが、確かに宮崎ですれ違いました。ハイパーサルーンがずいぶん派手な塗装になっているのも驚きました。
座席の心配をしていましたが、結局宮崎からも2割に満たない乗車率で、ゆったり乗車出来ました。この『にちりん』が大分からの「ソニック」への最終接続なので、もっと乗っているかと思いましたが予想が外れました。

787系を満喫し、南延岡に到着です。ここで、駅員をしている旧友に再開しました。3年ぶりくらいでしょうか、仕事の邪魔にならないよう、思い出話しや近況報告をします。

その間、駅には何本か電話がかかってきていたのですが、それは『岡山へは往復で料金はどれくらいですか』『宮崎空港9時の飛行機に間に合うのは何時ですか』と言った内容のものでした。時刻表の時代ならいざ知らず、今は鉄道に詳しくない人もケータイやネットで簡単に調べられる内容です。大阪に住んでいる私には、そんな事を駅に、気軽に電話して、しかも教えてくれるという事がとても意外に感じられました。『駅』という存在がもっと密接に生活のなかに溶け込んでいるからでしょうか。
外国人対応の話しをしていると、旧友が面白いものを発券してきました。英語併記の切符です。どの窓口でも発券できるそうで、外国人の方にはこのスタイルの切符を渡すのだそうです。知りませんでした。



それよりも、次の延岡までは普通列車で行こうと思っていたのに、チャッカリと特急券を買わされれしまいました。彼は優秀な駅員です。



先程宮崎ですれ違ったハイパーサルーンがやって来ました。これに乗って一駅、延岡に降り立ちます。今日の移動はここまで。駅から徒歩2分の『シティホテルプラザ延岡』に宿泊しました。朝食付きで5000円、お手軽な料金です。

チェックインを済ませ、夕食をどうしようかとホテルから駅前周辺をウロウロしていましたが、コンビニが一軒と居酒屋さん2軒くらいしか発見出来ませんでした。ここからタクシーで少しいったところが繁華街と聞いていましたが、早めに休みたいので居酒屋で済ますことにしました。2軒あるうちの古めのお店『喜多八』さんを選びます。
中に入ると4人席が3テーブルだけのお店で、先客は一組二名。奥のテーブルにはいいお年の大将が座っています。これは選択を誤ったかと思ったが早いか、大将が愛想良く誘導してくれたので着席し、腹を決めてビールを注文しました。一人なのでいろんな種類のアテを注文することは出来ません。延岡はチキン南蛮発祥の地、もちろんメニューにもありましたが、ボリュームがありそうなので地鶏の炭火焼と、このお店が1番自信を持って勧めるというメヒカリの唐揚げを注文しました。普段、魚フライを自分から食べることはなく、どちらかと言うと苦手な物なのですが、勢いに負けた感じです。

店内には数多くの写真が飾られています。橋幸夫、細川たかしといった『よく有りがち』な面々から、いいとも青年隊、天龍源一郎、さらにはベンチャーズまで。今年で45周年を迎えたそうで、歴史を感じさせます。この店内で団体さんが大丈夫なのかといらぬ心配をしていたら、2階に座敷があるのだそうです。

 

先ずは地鶏の炭火焼が出て来ました。東国原知事が宮崎を売り出すようになってから大阪でもよく見るようになりましたが、まあどこにでもある様な一品です。ところが、一口食べるとこれが物凄く美味しく、噛めば噛むほど旨味をたっぷり含んだ脂が溢れて来ます。そしてお勧めのメヒカリの唐揚げ。『頭から全部どうぞ』と言われ、グロテスクな顔面からかぶりつくと、想像もしていなかったサクサク感にふっくらした白身、骨もエラもわからないくらいサクサクで、それがとても香ばしく、そして小さいながらも引き締まった身。こんなに美味しい魚の唐揚げがあるものかと、4匹一気に食べてしまいました。

大将曰く、メヒカリの唐揚げは延岡の名物らしいのですが、取れる量が少なくて、今では毎日出せるものではないそうです。
こうなるとお酒が進んで仕方有りません。宮崎といえば焼酎ですが、この料理に合うには日本酒かと思い注文すると、大将がとても珍しがりながらもとても笑顔。最近では10人に9人は焼酎を飲むので、日本酒を注文する人が少ないものの、お勧めの地元の酒があるのだと言います。それが千徳酒造の『千徳』。米も宮崎県産の山田錦を使っている、紛れもない延岡の地酒です。とても芳醇な飲み口で、これも気に入りました。たまらずメヒカリをおかわりです。
大満足でホテルに帰り、酔いに任せて爆睡し、1日目は終了です。



12両車両ケース

2012-03-13 | 模型全般
キャスコから12両車両ケースが発売されました。
18m級のケースは今までにも発売されていましたが、今回は21m級まで収納可能ということで、楽しみにしていました。

ウレタンだけの発売も期待しましたが、少しサイズが大きいということで、ケースも含めた発売のみとなっています。
KATOの8両車両ケースは、ほんの少し大きさが大きいようで、これならば無理が少ないのかと使用してみることにしました。



KATOの「489系8両セット」のウレタンに、キャスコの12両ウレタンを重ねてみると、1mm~2mmほどキャスコの方が大きいようです。



今回はそのまま収納してみました。
確かに窮屈な感じはしますが、少し時間を置くと馴染んでくれたようです。
収納スペースが少なくて済みますし、運転会への持ち運びも便利ですので、嬉しいアイテムです。
他にも応用してみようと思います。