天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

博多 西鉄 甘木鉄道

2017-11-25 | 日記
出張で博多に行ってきました。
この出張は大人数での移動で、単に新幹線を往復するだけの味気ない旅程でしたが、現地で少し時間が取れましたので、近場をウロウロとしてきました。

博多駅からはジャンボタクシーで太宰府天満宮に行き、観光します。大宰府は24年前に一度来たことがあります。133A-146Aという乗務行路があり、これは往復100系「グランドひかり」でした。100系の乗務は大好きで、好んで乗っていたのですが、昼前に博多に着き、夜遅くに新大阪に帰ってくるので、博多で9時間くらい「休憩」があるという、時間をつぶすのに苦労するものでした。ですので、133A-134A-143A-146Aと2往復することが多かったのですが、閑散期はこの行路が設定されませんでしたので、博多周辺をブラブラしたのを覚えています。その時に西鉄に乗って来たわけです。
到着すると大変な観光客の数で驚きました。ほとんどが外国からの観光客で、こんなところにもインバウンドの風が吹いているんですね。
昼食後に博多のホテルに戻り、そこで会議ということでしたので、私は一人、西鉄に乗って博多へ向かうことにしました。



ほんの数日前に名車8000形が引退したというニュースを見ました。数日違いで残念です。
「西鉄」というと水色の車体に左右非対称の前面というイメージでしたが、太宰府駅に入線してきたのはとても綺麗な、南海「サザンプレミアム」」を彷彿とさせる車両でした。3000形です。車内も明るくて開放的で、転換クロスシートの青色も鮮やかです。水色の車両は少し古臭いなぁと思っていましたが、この車両で私が勝手に抱いていた西鉄のイメージはまるっきり変わりました。



このまま天神に戻るには早かったので、二日市で乗り換えて花畑まで向かうことにします。昔、地方から大阪に下宿しにきた友人がいまして、その住まいが近鉄線の花園でしたので、なんで花園にしたんだと尋ねたら「きれいなイメージだったから」という返答がかえってきて大爆笑した思い出がありますが、この「花畑」という駅名・地名も、知らない人からすればなんで?と思うものだと思います。かつての久留米藩主の邸宅にあった花畑が見事だったからきたみたいですね。
けっこうなスピードでかっ飛ばす西鉄の急行。なかなか乗りごたえがありました。
花畑駅からJR久留米駅までタクシーで移動します。町は西鉄側のほうが幾分栄えている感じですが、JR久留米駅はなんといっても新幹線停車駅。駅周辺は立派なものです。



ホームに降り立つと、ちょうど久大本線のキハ125系が発車したところでした。
久大本線は7月の豪雨で橋梁が流されたり路盤が崩れたりして、完全復旧には1年以上かかるようです。日田線はまだ完全復旧の見込みが立っていないようで、心配です。
博多方面への列車は813形です。九州の車両は近郊型もカッコいいですね。私が乗る折り返しの普通列車を見ていますと、先行する快速が入線してきたのですが、前面の形状が随分と変わっています。同じ813系ですが、番台区分が違うようで、行先LEDがとても大きく、視認性の向上が図られています。結構印象が変わります。
快速を見送り、普通列車で博多方面へ向かいます。車内のシートモケットやヘッドレストがおしゃれですね。時刻表を見てますと、この先鳥栖で特急「かもめ」に乗ることが出来るようなので、鳥栖で下車することにしました。



813系を降りてから停車中の811系を見学に乗車します。これもデビューしたときはカッコいい車だなぁと思ったものです。西日本の221系、近鉄の5300系と「同期」の3扉クロスシート車ですが、3車3用、デザインや居住性ともに優れている傑作同級生だと思っています。シートをはじめ、リニューアルがなされたようですね。登場から30年近くたちますが、まだまだ古さを感じさせない車両だと思います。



鳥栖駅は初めて降り立ちます。趣のあるいい駅ですね!私は新幹線が来ていない在来線の大きな駅が好きで、これは模型作りの参考になるためであることが大きいのですが、この鳥栖駅も大変気に入りました。駅舎もKATOから発売されている「ローカル駅舎」の豪華版みたいですし、ホームの屋根や柱もシックでカッコいいです。業務用エレベーターもあります。これを「テルハ」と呼ぶのでしょうか?エレベーターとエレベーターの間を結ぶクレーンのことを「テルハ」と呼ぶような気がするのですが、よくわかりません。
かつてここでブルートレインの連結・解放を行っていたのだなぁなどと、思いを馳せます。



そんなノスタルジックな駅に立つ特急券売機。これは時代を感じさせます。25キロまでなので自由席は300円です。東日本のグリーン車よりも安く乗車できます。結構オトクな印象です。
そうこうしているうちに特急「かもめ」が入線してきました。私は白いかもめ885系に乗ったことがありませんでしたので、期待していたのですが、やってきたのは787系でした。
787系は「きりしま」「ひゅうが」「にちりん」で短い編成に乗ったことがありますが、7両編成は初めてです。自由席に向かって歩いていますと、4号車にボックスシートがありました。ガラスで仕切られたセミコンパートメント、グループ旅行ではテーブルに弁当を広げてさぞ楽しいでしょう。重厚感のある化粧板も印象的です。
また787系かぁと思っていましたが、初めての発見もあり、楽しかったです。



会議の後は屋形船で水炊きを頂き、中洲の夜を満喫しました。
翌日は視察を終えて「柳川の川下り」を体験するために再び久留米方面へ。ここも外国人の方が多く来ていました。
名物の「うなぎせいろ」を遅めの昼食に頂きましたが、これが全く美味しいものではありませんでした。
観光客向けに大量に作るからでしょうか、鰻も痩せていますし、脂もなくスカスカ。「名物にうまいものなし」とはよく言ったものです。



ここからジャンボタクシーで再び博多に戻る旅程でしたので、またまたワガママを言って長崎本線の神崎駅で降ろしてもらい、一人鉄路で博多に向かうことにしました。
やってきたのは817系。見るのも乗るのも初めての車両です。東日本のローカル線電車がシンプルな印象ですが、この817系も側面はあっさりしているものの前面はかなりインパクトがあり、面白いと思います。車内も白木を使った転換クロスシート、本当に九州は思い切ったことをしてくれますね。乗るだけで何だか楽しいです。
乗車して暫くすると新幹線接続駅、新鳥栖駅に到着です。ここで結構乗客が入れ替わりました。新幹線構内の南側には、開業時から在来線に続く連絡線を作る準備と思われる個所があるそうですが、フリーゲージトレインの開発が頓挫した今、その準備も無駄なものになってしまうかもしれませんし、フル規格で分岐して長崎を目指すかもしれません。どうなるのかわかりませんが、狭い日本そんなに急いでどこへ行く、という気がします。
昨日に続いて鳥栖で乗り換え、813系に乗車します。このまま博多までいくとまたまた時間が余りますので、基山駅で下車。甘木鉄道に乗ることにしました。



甘木鉄道に関しては何の知識もないのですが、終点の甘木は西鉄の駅もありますし、JR基山・西鉄小郡と接続していて第3セクターの中では優良な経営状況のようです。
10年前に橋脚が痛んで長期運休を余儀なくされるまでは、完全に黒字の経営であったといいますから、需要は大きいのだと思います。
その通り、博多方面からの813系が到着すると乗り換え客がバラバラと乗車してきて、発車時にはほぼ満席の状態になりました。
そして、西鉄との乗換駅小郡でも多くの乗客が入れ替わっていました。これも意外でした。JRと西鉄の接続という使命もあるのでしょうか。



小郡からは西鉄で天神を目指します。今年デビューしたばかりの9000形がやってきました。京阪3000系、13000系によく似た前面ですね。カッコいいです。
新車が来たと喜んでいましたが、9000系はロングシート。乗車時間が長めでしたので、これならクロスシートの3000系でも良かったなと思います。



天神駅に着きまして目を引いたのが「喫煙ブース」です。京阪なら京橋駅に、近鉄は京都駅などのターミナルに喫煙室がありますが、なかなか珍しいのではないでしょうか。私のような愛煙家にはありがたいサービスです。
地下鉄で博多に向かい、駅で土産物を物色してホームに向かいます。コンコースにエヴァンゲリオンとのタイアップを行った喫茶店がありました。メニューも作品にちなんだものがあるようです。なんと店内にはエヴァの登場人物のコスプレをしたお客さんがなんか食べていました。500系エヴァも好評のようで、面白いプロモーションだと思います。



今回の出張は何の鉄分補給にもならないなと諦めていたものの、なんのなんの、結構色んな車種路線を乗り倒す楽しい旅程となりました。
特別に誂えてもらった弁当に舌堤を打ち、同僚とワイワイやりながらの山陽新幹線で旅を締めくくりました。


駅セクション10

2017-11-04 | レイアウト
機関区周辺の作業です。

機関区と本線の間を非電化線が勾配で走っています。
他のレイアウトでもよく見かけますが、線路が密集しているので斜面や法面がほぼ直角になってしまい、少々リアリティに掛けると見られることがあります。ただ、スペースの都合ですので、どの作者さんも苦渋の判断をされているのだと思います。



このあたりの斜面はグリーンマックスの石垣で作っていこうと思いましたが、前から気になっていたトミックスの「ワイドレール用築堤セット」が発売されていて、試しに一つ買ってみますと応用できそうでしたので、これを使用することにしました。
トミックスは線路関係の魅力的なアイテムをたくさん発売しており、それらがとてもシステマチックに、そしてぴったりとはまるので楽しくなります。
この築堤セットも、組み合わせで様々なシーンを表現することが出来ます。単線、複線、高さ違いの築堤。それに柵のバリエーションを加えれば、本当にたくさんの組み方が出来ます。高架が続く区間に一部築堤を組み込むだけで表情も豊かになるでしょう。
ただ、一度組んでしまうと違うパターンにするのは骨が折れそうで、お座敷レイアウトでは一定の形に決めてしまって使用するのがいいかもしれません。



私は使用方法を全く無視して、側面のみ使用します。
非電化線の勾配があって、せかっくの築堤が埋まってしまう区間もあり、ちょっともったいない使い方になってしまいました。



機関区は三方を壁面で囲まれている不自然な作りでした。川と高さが一緒ですので、機関区と川の間をなるべく広く開ける狙いからでしたが、樹木を植えていくうちに、斜面にしてもかまわないだろうと思うようになり、割と丁寧に石垣を張り付けた場所でしたが、思い切ってやり直すことにしました。



石垣のプラバンを外し、固着したシーナリーパウダーをはがし、発泡スチロールを斜めに切っていきます。なかなか面倒な作業になりました。
成形したら木工ボンドを塗った新聞を張り付けていき、シーナリーパウダーを木工ボンドで練ったペーストを塗って、斜面を作っていきました。



本線の周りには住宅地を作りました。これは楽しみにしていた作業のひとつです。
私は新聞牛乳配達を生業としていますので、街づくり、家の並べ方のときは「あ、ここはあの路地に似てるな」とか、「これは配達員泣かせの配置だな」などと妄想しながら遊ぶことが出来ます。ネット通販でジオラマコレクションの「狭小住宅」「現代住宅」などをいくつも購入し、あれこれと並べていきました。
ボードの上にタミヤの「スチレンボード」を貼り、住宅を並べると塗装した「スチレンボード」を道路として貼り付けていきます。ジオコレの住宅は土台といいますか、ベースが厚いのでプラボードで道路を作って全体のかさを上げるのは効果的です。しかし、ベースの高さも何種類かあるようで、全てがツライチになるということではありません。
ガードレール、電柱を立てて完成としました。スチレンボードはカットや穴あけが容易でサクサクと作業できます。しかし、ちょっと力を加えるとへこんだり傷がつきますので、多くの人が触ったり、移動が多いようなレイアウトには向かないかもしれません。



そういえばこのレイアウトには建物がほとんどありませんでしたので、こうして住宅地の脇を列車が駆け抜けていくというのは大変新鮮に見えます。
次は線路の反対側の空き地をどうにかしようと思います。