天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

山セクション12

2012-07-26 | レイアウト
山セクションの、大鉄橋橋台付近の造形作業です。
本線のすぐ横を非電化線が走っているのですが、橋台付近がやや窮屈なので、コルク道床の半分ほど、およそ1㎝だけ内側へ移動しました。


既存のコルク道床の奥側に線路をずらしています。



非電化線は本線橋台付近からトンネルに入り、ループして高低差を稼いだ後、自らをオーバークロスする配線で、R300の3%勾配が延々続きます。さらに、この部分で横に並ぶ本線までも、少し先の街セクションでオーバークロスしなくてはならず、そこまで勾配が休まることはないので、長編成の動力車にはかなり負担が掛かる難所になっています。



ループの途中までしか線路をひいていませんでしたが、本線の位置が決まったので、10年振りに延長しました。



非電化線は、山セクションに入ると、川を渡って川のヘリを走る配線で、これから川部分を制作するのにも関わりの深い部分です。
大鉄橋の橋台部分から、非電化線にかけて、なだらかに、自然体になるように発泡スチロールを成形していきました。



だいたい成形したところで、駅セクションに向かっても線路を延長しました。これで、非電化線の鉄橋制作にも繋げることができます。



試運転は③の項目、ローフランジのボディマウントカプラーということで、キハ82を走行させました。
最近、ローフランジという言葉を聞きませんが、お店の人に話を聞くと、脱線が多く、あまり評判が良くなかったようです。現在発売されている新製品は、フランジを高くして厚みを減らした、『薄型車輪』が使われているとのことでした。このキハ82は走らせたことが無かったので、脱線するのではと心配しましたが、とても快調に走行してくれました。
上り・下りとも10周ほどさせましたが、脱線は無し。スロー運転もなめらかで、ギクシャクする箇所もなく、試験は合格です。



山セクション11

2012-07-22 | レイアウト
経年劣化や技術の未熟さ、初期に工事を急いだこともあって、山セクションの中にも脱線する箇所があります。
しかし、線路を繋げてしまわなければ、試運転も容易に出来ないので、仮の鉄橋を組んでとにかく線路を繋げることにしました。

今後の作業効率を考えて、檜の棒にフレキシブル線路を付けただけの、本当に簡単な路盤で本線を繋ぎます。
橋脚も檜棒を切ってボンドで取り付けただけの質素なものです。



見ていると危なっかしくて、車両が転落しないか心配になりますが、意外と安定してくれました。
この鉄橋部分の丁度裏側が脱線頻発箇所なので、作業時に手が当たらないようにするにはこの方法で十分です。



手前が街セクション、奥が山セクションです。
これで1年振りに線路が繋がったので、色んな車両を運転し、脱線箇所の修復をしていきます。
それにしても、1年という期間はあまりに長過ぎたようで、レールの上に置いた車両はほとんど動いてくれません。
KATOのEH10にアルケのLOCOを塗り、動かして止まったら塗り、止まったら塗るの繰り返しで線路の汚れを取っていきます。
ギクシャクしながらも1周さえすれば、後は順調に動いてくれました。LOCOの威力にただただ驚きます。

EH10は大変重宝している機関車で、線路とは14ヶ所の接点があり、台車間が短く、パワーがあってフライホイールなので線路掃除や試運転にもってこいの車両です。
ここで、脱線箇所や運転に難のある個所を見定める為のスケールを考えました。
走行し易い、脱線しにくい車両の順に試運転を行い、不良個所の修復にあたろうというのです。

①KATO EH10
その特徴は前述の通りです。

②KATO フライホイール無し 20メートル車 台車カプラー
オーソドックスな車両ですが、台車間が広く、フライホイールが入っていない為、無理なカントなら止まってしまう。

③KATO フライホイール付き・ローフランジ・ボディマウントカプラー
ローフランジでポイント走行のチェックと、ボディマウントカプラーによるヒネリに対する耐久性を見る。

④TOMIX フライホイール無し 21メートル車 ボディマウントカプラー
台車間が広く、フライホイールが入っていないので、無理なカーブで止まってしまう。

⑤TOMIX 485系・583系・EF81
スノープラウが線路面ギリギリのところにある為、線路のつなぎ目や踏切で少しでも段差があれば脱線する。

⑥マイクロエース 21メートル車 旧製品
動力車のダイキャストが線路面ギリギリのところにある為、無理な勾配の入り口やカントを通過できない。

⑦ボディマウントカプラー 10両以上の編成
S字カーブの耐久を見る。

⑧動力車2両の間にトレーラー車を数両組み込んだ、ボディマウントカプラーの編成
プッシュ・プルの力の作用により、脱線する可能性が高い。

⑨客車16両の牽引
無理な勾配があれば登らない。下りは押されて脱線する。

⑩KATO 振り子機能付き車両
勾配の入口、S字カーブに弱い。

以上、10項目をこのレイアウトの試運転に際する測定の基準とすることにします。



本線上り・下りとも、①はクリアしました。
次に、②の試験として、KATOの185系を使用し、それぞれ10周ほど運転しましたが、問題はありませんでした。

次は、③以降の試験を行います。



さて、毎年の事ですが、このレイアウトを設置している部屋は夏場、大変高温になります。
常に人がいるわけではないので、タイマー式の換気扇を設置するなどしていますが、それでも熱気は溜まってしまします。
今年も、駅セクションの線路が暑さで膨張し、クネクネと曲がってしまいました。
冬になれば元に戻るので、そのままにしています。
早くバラストを撒いて固着すればいいのですが、なかなかそこまで作業が進みません。



モジュール サツキとメイの家

2012-07-20 | レイアウト
1年振りにモジュールを使用したイベントが開催の運びとなりました。

そこで、以前から脱線が多発していた箇所を修復し、ひとつのボードは雰囲気をガラリと変える事にしました。



そのモジュールはコーナー部分なのですが、以前は高い山がそびえ立っているだけでしたので、これを半分ほどの高さで切り開きました。この山の下には隠しヤードがありますので、当然車両に触れない高さにしています。



切り開いた部分をベニア板で覆い、発泡スチロールで大まかな地形を作ります。
その上から木工ボンド水溶液に浸した新聞紙を敷いて、自然な地形にしていきます。

なぜこのような作業をするのかというと、実は、どうしても作りたいものがあったからです。
それは、さんけいというメーカーから発売されている「サツキとメイの家」というペーパーキットです。

発売とほぼ同時に購入しましたが、なかなか機会がなくてずっと放置していました。
ここへ来てようやく、その封を開ける事にしたのです。



ペーパーキットというと、子供のころに糊でペタペタくっつけて遊んでいましたが、このキットはさすがに大人用で、値段も4000円くらいと高価です。紙なので強度やディティール面での不安がありましたが、このキットは実に良く出来ていて、かなり細かいところまで再現されています。

この家が出てくるアニメは何回も見ていますが、組み立てている時にも、あのシーンで出てきたな、ここはこんな造りになっていたのかと思い出させてくれてます。
デザインナイフと木工ボンド、針とピンセットでサクサク組み立てる事が出来るのも魅力です。
ただし、細かい作業の連続でなかなか根気がいるのも事実。私は3日間に渡り、約6時間かけて完成しました。



モジュールの切り開いた部分に固定し、木工ボンドと水を入れて捏ね、ペースト状にしたパウダーを敷き詰め、その上からターフを振りかけてひとまず作業を終えました。
後はこのモジュールになじむよう、柵や木を配置したいと思います。

ペーパーキットの精密さ、そして組み立てる面白さに気付かされましたので、また違うものを作ってみたいと思います。



京阪 8000系

2012-07-14 | 車両【私鉄】
ついに、京阪8030系・旧3000系の引退が平成25年春と発表されました。
中之島線大削減ダイヤ修正で特急運用が減り、8000系の一部ロングシート化が完了を迎える中、ついにこの時が来たのかと、諦め・残念な気持ちである一方、車番を3000系から8030系に変更してもなお活躍してくれたという有難い気持でもあります。
8000系が全て新塗装となり、今となっては京阪伝統の特急カラーを纏っている唯一の存在ですから、今のうちに記録したいと思っています。
消えゆく京阪特急カラーも、模型の中では生き続けてくれます。
長らく手を付けていなかった8000系を小加工しました。



小加工とはいえ、いつもの通りカプラーを交換し、連結間隔を短くし、シールを貼っただけです。
それでも、8000系の優先座席シールは片側3枚ですから、かなり存在感があります。



前面の種別と行先シールはガラスの内側に張りましたが、特急マークは内側に貼るとまったく目立たなくなったので、外側に直張りしました。シールが薄いのが幸いして、あまり不自然には見えません。
弱冷房車マークと車椅子スペースマークを貼り、クーラーのメッシュ部分に墨入れをして完成としました。

全体作業2

2012-07-14 | レイアウト
実に1年振りのレイアウト記事更新です。
ちょうど去年の梅雨時期に再び雨漏りが発生し、その後はその修理や全体的な細かい作業をチョロチョロとやっていました。
ここで纏めてみます。

レイアウト全体を部屋の手前に持ってきていたので、山セクションのみを奥の定位置にずらしました。


画像の右奥が山セクション、左手前が駅セクションです。

これで山セクションとその隣の街セクションは定位置に並び、繋ぐことが出来ます。
そこで、背面の部分にべニア板を取り付けます。



山セクションと街セクションは繋がりましたが、駅セクションは離れることになります。
しかし、これも繋げてしまうと、作業が出来なくなりますので、山セクションが出来上がるまでこのままにしておきます。



結構広い隙間が空くことになりましたので、仮設ボードを取り付け、線路を敷きました。
仮説とはいえ、山セクションを完成させて、駅セクションの奥手を完成させるまでの期間ですから、数年掛かると思われます。ですから、しっかりと固定しています。



駅-山の反対側、駅-街も仮設の線路を新たに組み直しました。



こちらは通常の1.5倍にあたる6%勾配になってしまいました。
あまりにも車両に負荷が掛かるようなら改善します。



山-街の間に発泡スチロールを置き、土台を作ります。

これで、あとは山セクションの大鉄橋を完成させれば、再び線路が繋がることになります。
そこまでは作業が出来ていませんが、ひとまず1年振りに電気を流し、列車を走らせました。
さすがに1年間放置していただけあって、思うように通電してくれません。
割りばしでレールの表面を磨き、集電性向上剤・アルケの「LOCO」を塗って何度も走行していくうちに、何とか動く様になりました。



この調子だと完成まで何年掛かるかわかりませんが、腐らずやっていきたいと思います。