天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

名古屋 近鉄特急

2013-04-20 | 日記
二ヶ月連続の名古屋出張です。今回は日帰りでも余裕のあるスケジュールでしたが、近鉄特急を満喫するため前泊する事にしました。
特に時間を定めず、仕事の様子を伺って出発するつもりでしたが、やはり準備はしておこうと、幾つかのルートをメモしていました。中には阿部野橋からの旅程も候補に入れていました。

結局、丹波橋から今では日に数本しかない八木短絡線を通る賢島行きに乗ることにし、それに合わせて京橋駅を出発します。京橋ではデビュー30周年を迎えた6000系が、ヘッドマークを掲出していました。



丹波橋の窓口で『次の賢島行き、中川で乗り換えて名古屋』と告げると『お客様、賢島行きはさっき発車いたしましたけど・・』と困った様子で切り返してきます。そんなハズは?と思い、メモと時計を見直すと、確かに発車して15分ほど経っていました。よくよくメモを見てみると、京橋と丹波橋の間の所要時間が15分になっています。一体、何駅の時刻と間違えたのかわかりませんが、痛恨のミスでした。最近、ぼーっとしているようです。
仕方が無いのでその後の橿原神宮前行きで行くことにしましたが、このスジは中川でも乗り換えが発生する3本乗り継ぎ。一般の人なら敬遠する旅程ですが、私にはお誂え向きといったところです。



ひょんなことから丹波橋で20分も時間を持て余しました。ホームに降りるとやってきたのは奈良行きサニーカーで、出来ればこれで西大寺まで行きたいところでしたが、大人しく所定を待つことにしました。



難波や鶴橋で近鉄を眺めていると、灰色の列車が来たり銀色にオレンジラインの列車が来たりとドギマギさせられますが、京都線は大人しいものです。京都市営地下鉄の車も久しぶりに見ましたが、相変わらずでした。額縁がある古いタイプの車ですが、調べてみるとデビューから30年以上経過しているとのことで、そろそろ新車が入る頃でしょうか。



普段乗る機会が少ない近鉄を眺めていると20分があっという間に過ぎ、私の乗る吉野連絡・橿原神宮前行き特急がやって来ました。カメラのファインダー越しに見て、『やった!ビスタだっ!』と喜びましたが、後ろにバッタみたいなのがくっついていました。私の乗る号車は5号車喫煙席、22000系ACEです。



とは言え、やはり座席に腰を落ち着かせると静かで快適なもので、同じ料金ならばこちらが良いに決まっています。売店で買った柿の葉寿司とビールを開け、タバコに火をつけて近鉄特急を満喫することにします。



大和西大寺では、奈良行きと連絡。生駒・学園前から伊勢方面に行く方にも便利なダイヤです。福知山を中心に構築される『北近畿ビッグXネットワーク』も驚きの近鉄特急網の凄さがこの辺りにあると思いますが、その需要はどんなものなのでしょうか。



西大寺を出て、もう退屈になって来たので、車掌さんにひと声かけVistaEXに席を移しました。ビジネスユースにはどうかわかりませんが、私は開放的な二階席は好きです。八木到着前に一階席にも移り、ソファでゴロゴロしておきました。が、その頃、踊り場には八木で降りる多くの乗客がおり、一生懸命セルフタイマーで撮影したり寝そべっている私に冷ややかな視線を向けていました。



八木からは10分程度の乗り継ぎで、鳥羽行き特急に乗ります。座席指定は5号車でしたが、写真を撮るために1号車から乗車しました。退避する榛原行き区間準急の運転手がこちらに来て、鳥羽行き特急の運転手と話しをしています。
『あかんわぁ、コレ。タイミングが全然合わへん。難しいわぁ。』『後ろ、アレですよね?』『そうや。こんなん雨やったらほんま大変やで』
何のことかよくわかりませんが、一応、私は今からその『あかん車』に乗る客なのですから、あまり不安を掻き立てるような会話は客のいないところでお願いしたいものです。



列車は全てACE系列の6両編成です。どうせ後ろまで行っても一緒の車なので、ガラガラの1号車喫煙車に座りたいところですが、指定車両まで歩いて行きました。4号車の運転台をくぐり、5号車に入ると、『おや?』といった変な感じがします。5号車は、運転台の後ろに喫煙コーナーがある車両、22600系・Aceでした。実は、始めて乗りました。そして、運転手が話していた『アレ』とは、コレのことだったようです。



ACEは登場から20年近くが経過していて、スナックカーやサニーカーと比べると当然新しい車両ですが、やはり其処彼処に経年劣化が見られます。特にトイレ、水回りはあちこちに補修の後が見受けられます。そこにきて、このAceは登場してからまだ5年も経っていませんので、すこぶる綺麗です。加えて、ヘッドレストが標準装備され、2席毎にコンセントも備わっています。女性用トイレと男女個室が半円を描くような形でレイアウトされていて、窮屈さを感じませんでした。いいアイデアだと思います。

喫煙コーナーもガラス張りで広々としており、簡易座席に気配りが感じられます。N700系やアーバンライナーの喫煙コーナーは、通路を真ん中に両サイドにレイアウトされていますが、だいたい3名も入ると窮屈で、それならばこちらのように1箇所を広くとった方が、同じ人数でも窮屈さは和らぐのではないかと思います。ただし、新幹線の場合、とても多くの人が通路を行き交いますので、通路を曲線にする事で荷物が移動しにくかったり、人と人との行き違いに支障が出るかもしれません。
ファンの視線で見ると、客用ドアと客室の間にある喫煙コーナーの大きな窓は、スナックカーを彷彿させるものでもあります。22600系の増備により、スナックカーが数を減らして行くことに寂しさばかりを覚えていましたが、いい後継車が出来たものだとも思えるようになりました。偉そうな言い方ですが。



ひとつ気になるのが、このAceはもちろん他の汎用特急車と共通で運用されていますが、そうなると『喫煙車』ではあるものの『喫煙席』では無くなってしまいます。私が丹波橋で切符を受け取った時は『中川までは喫煙車で、中川からは喫煙コーナーのご利用となります』と言っていました。中川からは伊勢志摩ライナーのマークが付いていたので、なるほどと思いましたが、このAceに関しての説明はありませんでした。もちろん、私はこれに関して不満は無いのですが、うるさいお客さんも居るだろうなと、変な心配をしてしまいます。今日の私の場合だと『だったら最初からガラガラの1号車を売れよ!』と言って来る乗客も居るかも知れません。



結局、一度もスナックカーに乗ることなく伊勢中川まで来てしまいました。ここから名古屋までは伊勢志摩ライナーのようです。
帰路は近鉄を使わない予定なので、スナックカーに乗れなかったのは少々残念ですが、気を取り直してこちらも初めての乗車となる伊勢志摩ライナーを楽しむことにします。普通席がなかなかの乗車率だったこともあり、奮発してデラックスカーに乗りました。中川から名古屋まで、200円の奮発です。
デラックスシートはアーバンライナーで何度か乗ったことがありますが、伊勢志摩ライナーのそれも大変快適なものです。ただ、観光特急の色合いが濃いのか、車内の照明が明るすぎるように感じ、少し仮眠を取りたかったのですが、それは叶いませんでした。



眠れないので車内の冒険に行きます。やはり気になるのが隣の車両、グループシートです。10名程の乗車で、サラリーマンが楽しそうに談笑していました。ちょっとした非日常を楽しむにはもってこいの車両かなと思います。
普通席はやはりよく乗っていて、6割は超えている感じでした。3号車まで来たので、喫煙コーナーまで行く事にします。ここで、喫煙コーナーが先ほどのAceと同じレイアウトである事に気付きました。伊勢志摩ライナーはリニューアルに際して全席禁煙となり、このデザインの喫煙コーナーが誕生したようです。

最後は5号車のグループシートに5分程腰掛けたところで、近鉄名古屋に到着しました。
とうとうスナックカーを見る事は出来なかったなぁと思っていると、向かいのホームに停まっていた賢島行き特急の後ろがスナックカーでした。ラッキー!
じっくり観察し、発車メロディ「ドナウ川の漣」を聞いて発車を見送りました。



名古屋の夜を栄で満喫し、翌朝。仕事は11時からだったのですが、その後すぐに大阪へ戻らなくてはなりません。
前月に食べることができなかった味噌煮込みうどんをどうしても食べたくて調べてみると、名古屋駅地下のお店は10時から営業しているようでしたので、開店と同時に味噌煮込みうどんを食べることにしました。



一言に「味噌煮込みうどんの山本屋」と言えども、「山本屋」は「総本家山本屋」と「山本屋本店」の2種類あることは周知の通りです。
諸説ありますが、大元は大須の「山本屋」(既に閉店)であり、「総本家」が主人流で「本店」が妻流であるというのが実態のようです。餃子でお馴染み「王将」も兄弟で京都・大阪とわかれていますが、そんなものなのでしょうか。
これまでに両方の味噌煮込みうどんを食べた事がありますが、総じて私は「本店」の方が好みです。
朝10時にも関わらず、ご飯も漬物もおかわりし、大満足で会場へ向かいました。

帰路は結局近鉄特急を利用することになりました。名門・名阪甲特急です。
やってきたのは「アーバンライナーNEXT」。これも初めての乗車です。



デラックスシートに腰かけるとぐっすりと眠ってしまい、気付けば布施あたりでした。
鶴橋で下車し、仕事場に向かいます。
ACE、ビスタEX、Ace、伊勢志摩ライナーにネクストと、今回も近鉄特急を満喫することができました。