天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

バンコク タイ国鉄 スカイトレイン

2018-02-01 | 日記


国鉄バーンスー駅は、クランテープ駅(バンコク中央駅)から来た列車が北本線、東北本線、南本線に別れる分岐駅です。さぞかし賑やかなターミナルかと思っていましたが、さっぱりとした何もない駅でした。改札も時刻表もありません。駅事務所もどれかわかりませんでした。ただ、ここは地下鉄へのアクセスが良いということで、今後大々的に改修され、バンコク中央駅の機能を持ってくる予定もあるのだそうです。少し離れたところに大型クレーンが何台も稼働していまして、後で航空地図を見て見ますとかなり大きな高架駅を建設しているように見えました。ネット情報を見てみますとなんと、2階に12面ホーム、3階に12面ホームを有するとか!やることがド派手すぎます。阪急梅田駅が上下にあるような感じでしょうか、想像も出来ません。こうなると、やはりバンスー発着列車が多数を占めることになるのでしょうか。今後が大変楽しみです。。

地図をみて、クランテープ駅がどちらに向きにあるかを確認し、来た列車に乗ることにして併設された食堂でご飯を食べることにしました。プーケット空港では食事を半分も食べずに下げられたので、お腹が空いていたのです。
おかずが何品か並んでいて、どう注文していいかもわかりませんでしたが、適当にジェスチャーしますと意とした食事が運ばてきました。グリーンカレーと、ミンチの炒め物、そしてライスです。
さすがになかなか癖のあるご飯、辛さも観光客向けではなく、剥き出しの痛みが襲ってきます。美味しいですねー。



食べている最中に反対方面行きのディーゼルカーが走ってきました。ようやく、ここが駅であることを確認します。食べ終わって一息着いた時、機関車の汽笛が聞こえ、クランテープ方面への客車列車が入線してきました!
駅にいた荷物を受けとる人に、これがクランテープ駅に行くことを確認し、ステップをかけ上がって機関車の次位に連結された荷客車に乗り込みます。行商の方達なのか何なのか、大きな荷物を持った人々で溢れています。いよいよ憧れの、タイ国鉄客車列車の旅がスタートです。



客席は全て埋まっているようで、デッキで過ごすことにしました。体を乗り出して風を感じます。いいですねー。
暫くすると列車は減速し、サムセン駅の構内へ入線。何人かが走行中にデッキから飛び降りました。私も飛び降り、後方の車両に移ります。再び機関車の警笛一発、ガックンと客車が引っ張られて発車。距離的に考えれば終点に直ぐ着くのかと思っていましたが、まあまあ低速で楽しませてくれます。高層ビルが立ち並ぶ都会の喧騒からも外れた住宅街、生活地帯を列車は進みます。



また列車が減速し、何人かが走行中に降りたので、これも駅だろうと私も降りてみましたら、今度は列車は止まることなく加速を始めました。ヤバいっ!と思って全力で走り、デッキの手すりに手を掛けますと、デッキにいた男性二人が車内に引き上げてくれました。こんなとこに取り残されてしまったら流石に慌てたと思います。
次にも駅なのか何なのかわからない所で停車。また同じ過ちを起こさないよう大人しくしていましたが、ここでは15分くらい停車し、その間にディーゼルカーが対抗から2本、追い越しが一本ありました。何せ車内放送も何もありませんので、何で止まっているか、いつ発車するかもわかりません。しかし、誰も騒ぐことも慌てることもありません。全てがゆったりしています。



先の日記で、クランテープからドンムアンまでの間はディーゼルカーでシャトル運行をすれば面白そうだと書きましたが、ただでさえこのようなグダグダな運行状況ですので、不可能であることがわかりました。やはり乗ってみないとわかりません。
ようやく列車はゆーっくりと発車し、終点 クランテープ駅の構内に滑り込んで行きました。ヤードに沢山の客車が停まっています。少年時代、大きな駅に着くときは併設された留置線を見るのが楽しみでした。その感じが蘇ります。お目当てのブルートレインを発見出来ずにいましたが、客車列車は終着駅クランテープに到着しました。





どこか昔の上野駅のような雰囲気のクランテープ駅。様々な人間ドラマの交差点なのでしょう。今から発車するであろう列車は活気に溢れています。中央箇所に立ち尽くし、深呼吸してこの駅のエネルギーを吸収します。美しい駅です。荷物車への搬入、食堂車の営業準備、30年前までは日本のどの駅でも見られたような光景が日常として流れています。よく見ると、フォークリフトで積み込んでいた荷物は大量の仏像ですね。これも面白いです。





ふと右手に目をやりますと、高貴な紫色の客車が停まっていました。見覚えのある窓割り、シルエット。いました!色や幌は変わっているものの、紛れもない14系・25系ブルートレインです!



遠い異国の地に来て約14年。こうして再会できたことに大興奮でした。こうなってくると車内にも入ってみたくなります。制服を着た人に頼みましたが断られたものの、日本からこの列車に会いに来たなどとお願いし続けましたら、やれやれという感じでオッケーを頂きました。
車内に入ると、それはまさに「国鉄型寝台客車」。乗務した時の思い出が甦ります。車掌室の配電盤には日本語がまだ刻まれてきて、ここがタイであることを忘れてしまうほどです。マットレスやトイレなどは結構変わっていましたが、こうして現地に適応されて現存しているのがかえって嬉しくなります。







バンコクに来て本当に良かった、そう強く思ってホームに降りますと、向かいには展望車やラウンジカーを連ねた豪華列車が停まっています。どんな運用なのかなーっとぼんやり見ていましたが、何となしに懐かしい感じも受けます、、、12系でした!
またもや大興奮!しかも14系ハザまで連結しています。またまた許可を得て車内に入ります。これまた紛れもない14系。12系の改造車のほうは、貫通扉に南京錠がされていて、駅員さんもそれはどないもならんとのことでした。昔のジョイフルトレインみたいな感じの列車。「プレステージ」と呼ばれているようです。車内には会議室、レストラン、寝室などが確認できます。団体輸送用の列車で、誰でも借りることが出来るようです。走っている姿を見たいですし、パッケージツアーを組めば日本からの旅客で埋まりそうですね。これからもまだまだ、日本製車両が活躍してくれそうです。





後から知ったのですが、14系・24系のほうは既に定期運用からは外れているとのこと。それでも、他の車両の代打で1両や2両連結されて運行されたりはしているようです。
ホームを挟んで対峙する日本の客車列車たち。無理してバンコクにきた甲斐がありました。
大感激の中、時間も限られているので改札を出ます。改札を出たところも上野駅のような雰囲気です。いっそ、国鉄線でドンムアンに行くことも考えましたが、やはり時間が不安なので諦めました。



再び地下鉄ブルーラインに乗車し、二駅先のシーロムへ。ここからはスカイトレイン(高架鉄道)シーロム線に乗ります。
新交通システムと高架道路が並走するあたり、地下鉄御堂筋線の地上区間のような雰囲気で、シーロム駅の地上は江坂駅や東三国駅のそれとそっくりです。日本の技術・資金協力がこの街にもあったらしく、日本の国旗が印刷された横断幕が歩道橋に掲出されていました。



スカイトレインの券売機は紙幣も使えました。乗車券はカードで、差し込んで入場します。
先ほどの国鉄線とは大きく変わって、大都会バンコクの中枢を駆け抜けていきます。また2駅先のサイアム駅で、今度は同じスカイトレインのスクンビット線に乗り換えます。
サイアム駅は、乗り換えの便がいいように2層式ホームになっていて、それぞれの線が2階と3階に分かれ、同一ホーム乗り換えが出来るようになっています。雰囲気的にはポートライナー中公園駅のようで、機能的には地下鉄大国町駅といえばわかりやすいでしょうか。
ほとんど待ち時間もなく向かいのホームにスクンビット線が入線し、この列車で終点のモーチット駅まで乗車しました。

続きます