天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

TCS自動運転ユニットN

2014-01-29 | レイアウト
私の祖父の家の玄関には、ポイントtoポイントの小さいレイアウトがあります。
単線の片端にポイントが1か所あるだけで、2列車が同一線路上を行ったり来たりするだけのものなのですが、なかなか見ていて飽きないもので、子供の頃、これを眺めるのが大好きでした。
センサーレールやシステムは、Tomixの純正のものを使用していました。私が初めてカタログを買ってもらったのが昭和の最後頃だったのですが、その時にはもう、この製品はカタログに掲載されていませんでした。

それから約20年が経過し、装いも新たに2005年に発売されたTomixの「TCS自動運転ユニットN」は、簡単に自動運転をレイアウトに組み込むことが出来、そのため、小さなレイアウトでも楽しみが広がる製品として一定の評価があるようです。
しかし、Nゲージユーザーのブログやホームページを見てみましても、あまりこの事を記事にしている人は少ないようです。
この製品は、ランダム運転からポイントtoポイント、スイッチバックなど多種多様な自動運転を行う事が出来ますが、一度レイアウトに組み込んでしまえば、運転方法がひとつに限られてしまいますことと、その都度組み立てるお座敷レイアウトでは配線が多くて手間が大きい事、センサーレールの価格などがマイナス要因なのかも知れません。
電圧が0.5Aしかありませんので、2モーターや室内灯を組み込んだ編成ものが安定して走行できないのも、普及を妨げているのでしょうか。
また、組み込んだポイントレールは任意に切り替えることが出来ないのも、改良していただきたい点です。

私は長らく、機関区に自動運転ユニットを組み込みたいと思い続けていました。そしてこの度、目処が経ちましたので、導入することにしました。



コントローラーと同じくらいの大きさで、運転パターンと停車時間や加減速を調整するダイヤルが付いています。
機関区は6線。そのうち3線を自動運転対応にします。運転モードは「5番」です。



説明書通りにポイントとセンサーレールの配線を行いました。結構グチャグチャします。
これをお座敷レイアウトに組み込むのはなかなか手間が掛かると思います。



機関車の引き上げ線を一旦外してセンサーレールを組み込み、試運転を行いました。

その様子の動画は、次のアドレスにupしています。



http://youtu.be/PKOwMOgkQhQ

ポイントも誤作動なく動き、安定した走行です。
次々に機関車が行ったり来たりする様子を眺めているのは、とても楽しいものです。日頃眠っている機関車の運動不足解消にもいいかもしれません。
加減速ダイヤルを強くしすぎますと、センサーレールから大きくはみ出してしまうので、ほぼ「0」の位置にしていますが、違和感はありません。
レールや車輪をきちんと手入れしていますと、途中で止まったりすることもなく、ストレスフリーで楽しむことが出来ます。
本当にいい買物をしたと、大満足の試運転でした。



機関区の配線も決めてしまいました。
直流電気が止まっているところが自動運転対応です。その隣2線に庫を置き、庫の裏手に1線あるという配線です。
DD51が停車している線路は、ダミーです。

自動運転により、私が作業している間もコトコトと機関車が走ってくれていて、これも楽しいものになりました。
はやくこの区間のシーナリーに着手したいと思います。





12系「くつろぎ」「江戸」

2014-01-28 | 車両【国鉄・JR】
「くつろぎ」は2002年、TOMIXが12系をハイグレード仕様で発売した後に製品化されました。
旧塗装と新塗装が発売されましたが、私は新塗装を購入しています。
このセットは試験的要素があったのか、ウレタンも他の製品と違いとても硬い素材が使われています。そして理由は判りませんが、紙箱で覆われています。
床下や台車に使われている素材も、艶が少なくやや白っぽい気がします。
また、私の思い違いかもしれませんが、カプラーポケットカバーの金属は、他のものよりも柔らかい気がします。
他の製品同様にカプラーポケットのカバーを外すと、グニャッと曲がってしまいました。
発売以来、再生産されていないと思います。
実車は横川の「碓氷鉄道文化村」でしか見たことがありませんが、これに付属していたジャンパ栓が気になって購入したような記憶があります。

一方の「江戸」はマイクロエースから2008年に発売され、2011年に再生産されたようです。
「江戸」は、私が中学1年生の時、初めて1人で東京に撮影旅行へ出かけたのですが、その時に池袋駅で偶然出会い、とても興奮したのを覚えています。
雑誌で「ロイヤルエンジン」ことEF58‐61号機が牽引する写真を見て、その美しさに惹かれました。
61号機とジョイフルトレインといえば、「サロンエクスプレス東京」のイメージが強いですが、「江戸」との組み合わせも結構あったように思います。

「くつろぎ」は購入から12年、「江戸」は6年が経ちましたが、ここでようやくケースから出す次第です。



加工は最小限に止めます。
「くつろぎ」のオロフ、一方は製品に付属しているジャンパ栓を取り付け、TNカプラーに交換しました。
もう一方のオロフは、KATOの「オハネフ24 あけぼの ジャンパ栓」「スハネフ14 前面用カプラーセット」を組み合わせ、「EF66ナックルカプラー」を取り付け、ツメの部分をライターで熱したドライバーを使用して熱着し、ゴム系接着剤で車両に取り付けました。
「江戸」も同様の加工をしています。TNカプラー側は、TOMIXのジャンパ栓を現物合わせでカットし、接着しています。

中間カプラーをKATOカプラーに変更し、クーラーに墨入れを行って完成としました。
キャスコの12両ウレタンの天地をほんの少しずつカットし、収納しています。



なぜ加工を最小限に止めたかというと、実は、模型の収納棚がもうすぐ一杯になりそうなので、少しでもブックケースを減らすためにこの2編成を加工したという理由もあるからです。

山セクション19

2014-01-18 | レイアウト
線路を取り付けた鉄橋をレイアウトに組み込んでいきます。
当初はレイアウトを見て右手からデッキガーター、下路トラス、曲線デッキガーター、プレートガーターの順で製作するつもりでした。



しかし、レイアウトの設置場所変更によってプラン全体が変わってしまい、それによって川の流れを変えることになったのですが、
それでは鉄橋の設置位置と川の流れが上手く組み合ってくれないことがわかりました。
また、側を走る非電化線とのバランスもどうもしっくりきません。



鉄橋の配線を変えたり、いろいろと試した結果、曲線ガーター橋を諦めて、鉄橋部分は直線にし、下路トラス橋の位置を変えることで調整することにしました。



本当は下路トラス橋を川岸に持ってきたかった(撮影し易いように)のですが、川の流れが変わった以上、これの位置も変更しなくてはなりませんでした。
大鉄橋の大体真ん中あたりに下路トラス橋を持ってきました。



鉄橋を直線にすることで、鉄橋アプローチする本線の配線も変更します。
KATOの複線プレート線路をレザーソーでカットし、繋ぎ合わせてアプローチ角度を調整しました。





橋脚はKATOやTOMIXの製品を繋ぎ合わせ、長さを調整しています。
パテやプラ板で繋ぎ目を隠し、やすり掛けしてサーフェイサーを塗装。軽くウィザリングしています。
ここまでの作業で試験走行し、鉄橋の高さが平行になっているか、繋ぎ目に無理が無いかをテストしました。
下から覗き込むとその高さからくる迫力に、これまでの手間が報われた思いがします。



フレキシブルレールを枕木から話し、ガイドレールとしてゴム系接着剤で取り付けました。
その後、鉄橋部分をマスキングして、エアブラシでウッドブラウンを吹き付けました。



レール上面の塗料を剥がします。良い素材があれば渡り板として使用したいと思います。
こうして上り本線の鉄橋の位置が決まったので、次は川と地形の製作に掛かりたいと思います。

14系 急行「はまなす」

2014-01-12 | 車両【国鉄・JR】
中学1年生の冬、友人3人と北海道に行きました。
大阪を20時に出て「大垣夜行」で東京へ。そこからひたすらボックスシートの車両で北上を続け、夜の青森に到着。
クタクタになった体を「はまなす」の簡易理リクライニングシートに沈めると、あと言う間に深い眠りに陥り、気が付けば朝の札幌でした。
それから20年以上の後、札幌出張の際に札幌→千歳間を2回、乗車しています。
現在では最後の定期急行、客車列車となってしまった「はまなす」ですが、これも新幹線延伸で去就が注目されるところです。

模型では15年くらい前にマイクロエースから発売されましたが、あまりの出来の酷さに閉口し、購入はしませんでした。
そして去年、TOMIXとKATOから相次いで発売となりました。カプラーの事を考えればTOMIXの方が良いと思いますが、寝台車の屋根の表現が気に入ったのでKATOの製品を購入しています。



行先表示、種別サボ、号車札と全てが綺麗に印刷されていて、手を加えるところが無い製品です。
付属品もナックルカプラーとスハフ14のジャンパ栓だけというシンプルさです。寝台車のハシゴも再現されています。
あまりに完璧すぎて少々拍子抜けの感じがしますが、たまにはこんな製品もいいかなと思っていました。



しかし、暫くすると「N小屋」からメイクアップシートが発売され、これで俄然、製作意欲に火が付きました。
「買ってすぐ走らせる」というKATOのコンセプトも良いですが、私ややはりひと手間加えたいようです。



先ずは「10206 座席カバー」を貼り付けます。
これはシールになっていて、デザインナイフの先ですくい取り、貼り付ける作業を繰り返します。
気が遠くなる様な数に思いましたが、集中してひたすらシールを貼りますと、1両20分程度で貼り終わりました。



シールを貼り終え、車体を被せて比較してみます。思っていたより目立ち、効果があると思います。



「10609 はまなす室内表現シール」は、座席車の床面と、カーペット車の床、カーペットが表現できます。
今まで私が購入してきた「N小屋」の製品は、印刷されたシートで、両面テープを自ら貼る必要がありましたが、これらはシールになっていますので、すぐに加工することが出来ます。



カーペット車のボディを被せてみました。こちらは全くと言って良いほど何も見えません。
室内灯を入れると良いのでしょうが、入れないのならやらなくて良いかもしれません。



寝台車には「10651 B寝台シール」を使用し、下段のみシールを貼ります。ベッドの部分と、背もたれの部分です。
座席車には「10704 はまなす車端ドアパーツ」で室内ドアを表現できます。こちらは従来からのシート状のもので、両面テープで貼り付けました。



オハフのジャンパ栓は艶消し黒で塗装します。栓受けのパーツがややちゃっちい印象でしたので、艶消しクリアを塗って落ち着かせました。



最後に各車のクーラー等に墨入れを行い、以上で急行「はまなす」のドレスアップは完了です。
無くなる前にもう一度、全区間を乗りたいと思っていますが、実現しますでしょうか。



山セクション18

2014-01-10 | レイアウト
山セクションの製作目標は「大カーブ」「大鉄橋」「崖に沿う非電化線」です。
そのうち、最後に残った大鉄橋部分の製作を行います。



とりあえず本線の運転ができるようにと、やっつけ仕事で適当に線路を引いていました。
大鉄橋は、大手メーカーから販売されている下路式トラス鉄橋を使用すると、運転ポジションから大カーブが見えにくくなるので、上路式トラス鉄橋と上路式デッキガーター橋で製作することにしました。ただし、本線と非電化線を跨ぐ部分は、高さがあまりありませんので、上路式プレートガーター橋を使用します。フローベルデというメーカーからペーパーキットが販売されていますので、これを使用します。
また、大鉄橋の一部分は曲線になる為、加工しやすいようにKATOの「デッキガーター橋」も使用します。



製作意欲を掻き立てる、ワクワクするようなパッケージです。
ペーパーキットはサンケイの「サツキとメイの家」以来の作成です。
先ずは塗装をし、説明書通りに組み立てていきます。接着には木工用ボンドを使用しました。



パーツ点数が多く、気が遠くなる作業が続きます。部品が欠落していて、再送してもらうハプニングもありました。
時間がある時に少しずつ、根気よく組み立てていきますが、パーツ自体はしっかりしており、気持ちよく組むことが出来ます。



プラ完成品には無い細い手すり、細かいメッシュの渡り板、抜けた鉄骨。惚れ惚れするような出来栄えです。
これがペーパーかと驚きます。プラ完成品と比べるとお値段は高めですが、本当に良くできた製品だと思います。
フローベルデさんは駅舎シリーズも製品化しているようで、気に入ったものが出れば購入してしまいそうです。



木工用ボンドでトラス鉄橋とプレートガーター橋を接着します。こうして見てみると、なかなか長く大きなものになりました。
乾いてから仕上げにもう一度スプレーで塗装しています。



最後にフレキシブル線路をゴム系接着剤で固定して、一応完成です。枕木も作成しようと思いましたが、過去に作ったものを見ますと、手間の割には完成後の見た目にさほど変化が無かったので、手を抜きました。
まだまだウィザリングやガイドレールの取り付け、架線柱の取り付けなど、やることはいっぱいあります。