天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

山セクション17

2013-09-12 | レイアウト
ローカル線の鉄橋を仕上げていきます。


本線はウッドブラウンで塗装しましたが、よりローカル色を出そうと、もう少し濃いマホガニーをエアブラシで吹き付けました。
メリハリは大きくなりましたが、雨の日のような、やや暗い印象になったので、今後は再考することにします。



バラストはトミックスのブラウンです。
バラストはKATO製の方がキメが細かく、実物に則しているのですが、こちらのほうがより「バラストらしい」印象になると思っています。
都合の良い言い方をすると、デフォルメも大事かなというところです。

本線はバラストを撒いてからエアブラシを吹きますが、ローカル線は、あまりバラストを交換してなくて全体的にサビや汚れの色が回っているような表現にしたかったので、エアブラシを吹いてからバラストを撒いています。



カッターナイフでレールの表面を剥いで、通電チェックです。
このローカル線は、レールを敷いた時に一度だけ走行チェックをしただけで、それ以降、恐らく10年近くになりますが、一度も通電した事がありませんでした。
フィーダーが駅セクションにしかないので、駅セクションから山セクションまで仮線を敷き、10年ぶりに列車を走行させました。



接点回復剤のアルケ「LOCO」を付けて、DD51が鉄橋を渡ります。
ずっと土木作業ばかりでしたが、やっぱりNゲージは走らせてナンボだと思います。エンドレスにはなっていないので行ったり来たりの往復運転ばかりでしたが、楽しくて仕方ありません。スローで運転したり、客車を繋げたりして、随分と遊んでいました。



トミックスのカラーパウダーを木工用ボンドと水で溶いてペースト状にし、川の堤防に塗りました。
乾燥する前にカラーパウダーのライトブラウンをパラパラと撒いて、自然な感じにしています。



本線の鉄橋を仮置きして、全体のイメージを掴みます。
道路とローカル線をプレートガーター橋で跨ぎ、川の部分はデッキガーター橋に変わります。
車両を置くと、高さも際立ちます。

次はデッキガーター橋の下の部分、ローカル線の法面を作業します。

マニ44 「カートレインユーロ名古屋」

2013-09-09 | 車両【国鉄・JR】
早朝の新大阪駅で撮影している時、北方貨物線から名古屋方面に向けて一筋の白い矢が走り去りました。それが、私が初めて見た「カートレインユーロ名古屋」でした。
時刻表には掲載されていましたが、関西地区は全て通過扱いでしたので時刻を把握しておらず、シャッターチャンスを逃して悔しい思いをしたものです。
その後、北方貨物線経由から大阪駅経由に改められ、大阪駅で運転停車が行われました。その時にじっくり観察したのを覚えています。

模型では1997年頃だと思いますが、グリーンマックスから「カートレインユーロ名古屋」色として塗装済みのマニ44が発売されました。完成品では無く、通常の板キットに塗装が施された商品でした。編成を揃えようかと思いましたが、TOMIXから発売されていた「ユーロライナー」の旧製品はほぼ白色に近いボディで、KATOから発売されたEF65の「ユーロライナー色」は青みがかった灰色、そしてグリーンマックスのマニ44はかなり青みが強い塗装で、この編成の特徴である「編成美」を演出できるものではありませんでした。
さらに、マニ44は車高がとても高く、これもマイナス要因でした。



2011年になって、グリーンマックスからマニ44が完全新規の完成品として発売され、しかも「カートレインユーロ名古屋色」も発売されることになりました。告知ポスターには「車高を見直し…」という文言が見られたので、大変期待して購入しました。
しかし、製品を取り出してみると、肝心要の車高はあまり下がっておらず、TOMIXの「ユーロライナー」と並べるとその差は歴然でした。新規製品で良くなった点は、窓ガラスがはめ込み式になった事と、妻面がややシャープになったことくらいでしょうか。



旧製品のマニ44であれば、台車を取り付けるリングの部分を加工し、ボディ内側のリブを削れば車高が若干下がると模型サイトなどで多数紹介されていますが、この新製品はボディと台車上部の間に隙間がほとんど無く、その手法は使えませんでした。
台車の上部を削り、床パーツをボディにめり込ます方法ならば何とかなりそうでしたが、下回りの見た目は格段に悪くなります。
「カートレインユーロ名古屋」の編成を組みたいがためにTOMIXのユーロライナーも機関車も全て新たに購入したのに、随分な裏切られようです。加工する気も一気に醒めました。



あれから2年が経ち、京阪80形を加工している時に購入した「アルナイン」の4㎜径車輪を見て、「これは使えるのかも」と思い、すぐにマニ44の車輪を交換してみました。グリーンマックスの車輪径は約5.6㎜ですから、単純に0.8㎜下がる事になります。車輪を交換したマニ44とTOMIXのユーロライナーと並べてみると、帯の位置が実車とほとんど同じ感じの高さになり、効果覿面でした。
次の画像は、左が製品のまま、右がアルナインの車輪に交換したものです。



続いてユーロライナーとの比較です。実感的です。



これに気を良くしてようやくマニ44の加工を始めました。
車輪は先述の通り、全て「アルナイン」の4㎜径のものに交換しています。
次にカプラーですが、KATOから発売されたジャンパ栓付きのものに交換してみたところ、アーノルドカプラーの時とあまり変わらない広い連結間隔でしたので、ボディマウントTNカプラーに交換しました。カプラー台座のツメを切り取ってゴム系接着剤で固着しています。
最初の画像は、奥がアーノルドカプラー、手前がKATOカプラーです。
次の画像は、奥がアーノルドカプラー、手前がTNカプラーです。



次にテールマークを取り付けます。
テールマークは大きな四角のものと、丸型のものがあります。よく分からないのですが、どうやら丸から四角になって丸に戻ったようです。
この四角のテールマークは、1986年に運転された「バイクトレインなごや」の流用だという記事を見た事があります。編成は「ナコ座」×4両にマニ44×2両で、マニ44は青い車体に大きく「BIKE TRAIN なごや」と書かれていたものでした。ナコ座は畳敷きのお座敷客車。乗客は当然ライダーですから、ライダースーツに身を包んだ人たちが大勢、畳の上に座っているという、ちょっと滑稽な車内を想像してしまいます。
余談が過ぎましたが、夜明け前に浮かび上がるテールマークとテールライトが、この編成のいいアクセントになっていますので、ぜひ再現したく、加工しました。

先ず、集電に関する加工です。
集電できるための台車に交換する必要がありますので、KATOの集電板が付いたTR50台車に振り替えます。車輪はアルナインの4㎜経です。次に、床板の台車周辺に集電板のポッチが出てこられるよう、穴を開けます。床板にはKATOの「妙高」増結セットに入っていて、編成の中に組み込まれていたマニ37の通電板を所々ゴム系接着剤で貼りつけ、これで集電出来るようになりました。



レールの上に置いて集電具合をチェックすると、ジジジ、ジジジと音が鳴り、パワーパックのパイロットランプが点滅しました。どうやらショートしているようです。原因はアルナインの車輪で、これは車軸と車輪の部分で絶縁する方式の為、軸自体が絶縁されていないようです。
車輪をそのままKATOのものを使用すれば済むのですが、そうすればせっかく下げた車高がまた上がってしまいます。テールマーク点灯を取るか、車高下げを取るか、とても悩みましたが、折衷案として、KATOのBトレインショーティ用車輪を使用する事にしました。この車輪は5㎜経で、アルナインの4㎜径よりは大きいですが、通常のTR50に付属している5.6㎜経よりは小さいです。
最初の画像は左からアルナインの4㎜経、KATOのBトレインショーティ用5mm経、グリーンマックスの5.6㎜経です。
次の画像は4㎜経と5㎜径の差です。



ライトユニットはKATO製カニ21のものを使用しました。
最近ではLEDが主流で、驚くほど小型になっていますが、昔ながらのライトの方が加工し易いのでこちらにしました。



次にボディの加工です。トミックス485系ボンネット車に取り付けるトレインマークをカットし、根元部分を使用します。それに合わせてボディをくり抜きました。ライトレンズは先程のマニ37のレンズを使用しています。マニ50に付いていたレンズは、マニ37に振り替えました。集電板は取られ、赤レンズは取られ、挙句透明レンズを取り付けられ、マニ37にとっては散々です。



テールマークは透明プラバンにシールを貼り付け、フチを銀色で塗装し、ゴム系接着剤でボディから顔を出した485系のレンズに取り付けました。



ここまでで一度、ボディを被せて試験点灯します。
やはり、白いボディですからかなり光漏れがします。
光らせたいのはテールマークとライトレンズだけなので、遮光ボックスを作るべきなのですが、テールマークの位置がドアの窓にかかる高さであり、ドアが車体の端にあることから、なかなか難しそうだったので、諦めて黒いプラバンで窓を覆う事にしました。
後はボディ内側を真っ黒に塗装して遮光しています。
画像は遮光前と遮光後の比較です。



側面のロゴマークですが、実物は塗装された鉄板が取り付けられているので、それに倣い艶消し白に塗装したプラバンにシールを貼ってからゴム系接着剤で取り付けました。



せっかくTNカプラーに交換したので、車端部をさらに引き締めようと、ステップを取り付けてみました。
使用したのはレボリューションファクトリーの「490 ステップ 50系用」です。
マニ44のステップですが、大型と小型の2種類があり、このパーツにも両方が入っています。
ステップの違いですが、いろいろ調べてみますと、どうやらマニ44‐2037までが小型で、2038以降は大型が取り付けられているようです。
この法則に従ってステップを取り付けました。
画像左が大型ステップで、右が小型ステップなのですが、ちょっとインパクトに欠ける気がします。



TOMIXのカニ24に付属していた開放テコを取り付け、「架線注意」のシールを貼りました。
編成の反対側には丸型のテールマークを取り付けています。
プラバンを銀色に塗り、シールを貼ってパンチでくり抜いて再度フチを銀色で塗ってゴム系接着剤で取り付けました。



4㎜経の車輪を手にしなければ、いつまでも「お蔵入り」になっていただろうマニ44でしたが、ようやく編成として組む事が出来て嬉しいです。
「マニ44の車高は車輪交換で下げる」というのは、モデラーの方々からすればいい加減な方法なのでしょうが、手軽に雰囲気を出すには良い方法ではないかと自己満足しております。

京阪 80形

2013-09-02 | 車両【私鉄】
京津線は、実は数回しか乗った事がありません。
撮影には、500形が廃車になる前に数回訪れただけです。その時は500形が目的だったので、80形は何気なく撮影しただけでした。
京阪ファンとしては、京都地下鉄東西線開業は京阪線がぶった切られるような感覚を受け、歓迎するものでは無く、三条-御陵間廃止後は興味を持つ事はありませんでした。
京津線利用者数は1997年と2012年を比べると減少しているようで、年間の赤字額も石山坂本線を含めると年間15億円ほどと、なかなか苦戦しているようです。地下鉄東西線の開通自体はさておき、東西線への乗り入れが果たして良かったのかどうか、疑問に感じます。

そんな現実を垣間見ると、より「古き良き時代」への思いが強くなる訳ですが、2012年の事業者販売鉄道コレクションがまさかの80形。1900系、2000系と発売されてきたので、てっきり本線系統かと思っていましたが、良い意味で期待を裏切られ、発売日は喜んで朝から駅で並び、購入しました。

箱から取り出して眺めますと、なかなかよく出来たプロポーションで、あの頃を懐かしむことができます。いつもであれば、鉄道コレクションを購入すると走行できるようにいろいろと加工しますが、80形が活躍できるようなレイアウトはありませんし、箱には「動力・走行パーツは販売していません(2012年現在)」と書いています。この「2012年現在」という言葉が引っ掛かりますが、まあこれはこれでコレクションとして置いておこうかと思っていました。しかし、やはり工作好きとしては動力化して動かしたくなるもので、2両編成のお手軽さもあって小加工する事にしました。



トミックスの動力ユニット「TM-TR01」を購入し、寸法を合わせてみます。この動力ユニットは、車体長に合わせて長さが3段階に変更できるようになっています。幅はちょうどいいのですが、長さが足りませんでした。切り離すと1つの台車でしか集電できないようになりますが、リード線をハンダ付けすれば何とかなるかなと、いろいろと考えてみたり、ネット上の作例を見たりしていますと、アルモデルというメーカーから「鉄コレ動力TM-TR01延長改造キット(京阪80形・台車中心間54mm)」という、そのものズバリの商品が発売されているのを見つけ、すぐに購入しました。



このキット、一言で言うと「親切・丁寧」な商品です。
説明書はカラー写真をたくさん盛り込んでいて判り易く、工程ひとつひとつが解説されています。
エッチングパーツもハンダや接着剤を使う事無く、ヤットコで曲げていくだけでしっかりと組み上がります。さらに嬉しいのは、T車用の4㎜径車輪が付属していることで、一般流通していないこの径の車輪が手に入るのは有難いです。この車輪、他にも流用できそうです。



動力ユニットの延長が主な工作ですが、付属の排障器は見た目を大いに向上させてくれます。
クーラーのメッシュ部分を表現するパーツも付属しており、これは厚みがあるので評価が分かれるところですが、私は貧乏性なのでこれも取り付ける事にしました。
ナンバーはグリーンマックスの京阪2400系用で、過去に2000系で使用したものを流用しています。
よって、前面のサイズは少し違います。



パンタはどれが正解かよく判りませんが、実物の印象からグリーンマックスのPT42を使用しました。



完成した80形を机の上でコトコト走らせましたが、愛嬌があって楽しいものです。
こんな小型車が似合う小さなレイアウトも作りたくなります。
2両編成ということで気軽に楽しく工作することができました。