天空の土木作業

鉄道模型レイアウトの制作記録

南海 10000系 7100系「サザン」

2012-09-18 | 車両【私鉄】
子供の頃、和歌の浦への社員旅行へ何度か連れて行ってもらいました。
最初の年は1000系「四国号」で、その後は「サザン」か車だったと思います。

今でこそ名鉄でも見られるように、特別車と普通車が併結して走ることはさほど珍しい事ではありませんが、当時は大変ユニークな存在で、10000系に乗せて貰った時は何とも言えない優越感に浸っていました。

また、すっかり影を薄めたものの、連絡船接続特急という側面も「サザン」の魅力です。

そんな「サザン」の模型ですが、先ずは10000系がグリーンマックスから完成品として発売されました。
色が変わった今の「サザン」も、中間車のバリエーションがあって面白いですが、やはり南海と言えば緑色の旧色が好きです。
流行りのデザインを取り入れつつ、南海伝統のツートンカラーを上手に取り入れた配色は、傑作だと思います。
10000系発売から何年か経ち、現行仕様ながらも併結相手の7100系がマイクロエースから発売されたので、コレクションに加えました。



緑色時代の「サザン」は、10000系2両+7000系または7100系4両の6両編成が一般的でしたが、10000系のみ4両または6両の全車指定席特急、さらに10000系4両+普通車4両の8両編成なども存在していました。この4+4の編成が妙に印象に残っているので、それを再現すべく揃えましたが、7100系単独の6両としても走らせたいので、全部で10両を揃えました。



南海10000系は、それ同士をドローバーで連結する仕様で、ここは同じグリーンマックスの近鉄シリーズと変わらないのですが、残念なことにTNカプラー対応にはなっていませんでした。そこで、スカートだけ取り外してTNカプラーを固着した床下に移植したのですが、接着剤で固められたスカートパーツだけを外すのがとても困難で、時間も手間も掛かる加工でした。
2両はそのようにしたのですが、よくよくこのパーツを見ると、TNカプラーに干渉する部分さえ削ってしまえば何とかなりそうでしたので、ピンバイスとカッターでTNカプラーと同じ形の溝を掘り、TNカプラーをゴム系接着剤でくっつけてみると、とてもスマートに加工が済みました。最初からこの方法をしておけば良かったと後悔しています。
画像中央が製品で、右がTNカプラー。その溝を真似て成型したのが左のパーツです。



右がスカート移植、左がパーツ加工です。左は構造上、バネを外さなければ台車と干渉するので、カプラーを中心に止めることはできなくなりました。



中間の幌はトミックスの485系用をゴム系接着剤で取り付けました。
幌を付けると、KATOカプラーでは長さが足りないので、こちらもTNカプラーを取り付けますが、TNカプラーもそのまま取り付けたのでは幌が邪魔になるので、車体側の突起物を削り取り、前方へずらして瞬間接着剤で固着しています。



大変シャープな出来の製品ですが、残念なのはクーラーのモールドが甘い事です。僅かなくぼみが表現されただけで、何とかこの部分にコントラストを出したいと思い、艶消しの黒を塗ってみましたが、モールドが甘くて塗料がはみ出したり、かえってオーバーな表現になったりと上手く行かず、うすめ液で何度も修正を試みましたが、どうしても納得のいくものが出来ませんでした。
そんな折り、たまたま店頭で見つけたのがレールクラフト阿波座さんから発売されている「南海10000系クーラーメッシュお手軽シール」という、そのものズバリの商品。これを貼りつけるとグッとリアルになり、しかも作業は簡単。まさに救世主となりました。



最後に製品に付属しているシールを張り付けて、10000系は完成です。

7100系はリバイバル塗装として登場した現行の仕様。これを「サザン」時代にするために、スカートを外し、前面の車番をうすめ液で消去しました。本当はもっといろいろ違うのでしょうが、これで雰囲気は出たかと思います。
カプラーは先頭車側をTNカプラーにし、中間はKATOカプラーにしましたが、これも幌が邪魔になるので、カプラーアダプターの柄を長くして取り付けています。

現行仕様のスカートと車番が付いた顔つきもなかなかカッコイイので、10000系に連結する側の車番はそのまま残しています。また、付属の2両編成も、4両編成と同様に片側だけ車番を消しました。



7100系の屋根は賑やかで、特にボコボコと付いたクーラーキセは目立ちます。とても手間でしたが、メッシュ部分に墨入れをしてコントラストを付けました。数が多い分、墨入れ後はとても落ち着いた印象になり、その労を忘れさせてくれます。



前面と側面のシールですが、緑色「サザン」時代のものが見つからず、今のところは棚上げにしています。

10000系の前面方向幕と、7100系の車番有り・無しによって、編成のバリエーションを楽しめるようにしました。

【サザン・難波】4両
←10000系増結→←10000系基本→

【サザン・和歌山港】6両または8両
←10000系基本→(←10000系増結→)←7100系4両→

【現行仕様・普通】6両
←7100系4両→←7100系2両→

厳密には現行仕様・普通の場合、7100系の連結順序は違うと思います。

この1箱を仕上げる為に、ここまで加工が必要とは思ってもみませんでした。
ここ数年のうちでも、これだけ時間が掛かった編成はありません。
それだけに、8両編成の「サザン」がレイアウトを走行した時の嬉しさは格別でした。

この調子で、去年から手つかずの「四国号」も仕上げたいと思います。

近鉄12200系

2012-09-14 | 車両【私鉄】
近鉄特急に乗った事は少なく、幼少期にビスタカーで賢島に行ったきり、大学生まで乗ることはなかったかと思います。
家族旅行で鳥羽方面に行くことは何度かありましたが、その際も鳥羽駅周辺で撮影するのみで、乗ることはありませんでした。

模型でも、近鉄特急の完成品はビスタカーとアーバンライナーが発売されていた程度で、なかなか縁も興味もない存在でした。
その後、名古屋や伊勢方面に行く機会に数度は乗りましたが、それでも模型を買ったり作ったりするほどではありませんでした。

去年の夏、仕事で八尾に3日間滞在したのですが、その時の仕事場が線路の真横で、朝から晩まで行き交う近鉄電車をずっと見ることが出来ました。大阪市内へ向かう10両編成の特急や、多彩な編成のバリエーション、そしてその本数の多さに一気に魅了され、鳥羽駅周辺で写真を撮った思い出も重なり、急に興味を持つようになりました。

折しも、グリーンマックスから12200系シリーズが完成品として発売されたこともあって、オーソドックスな更新車2+4の6両編成を購入しました。やがては10両編成にしたいのですが、全て12200系スナックカーの編成では単調すぎますし、できればサニーカーを連結したいのですが、キットを組む自信は無いので、当面はこのまま走らせることにしてシール等を貼り付けました。



近鉄の面白みと言えば、編成のバリエーションがその最たるものでしょう。それを可能にしたのはTNカプラーですが、この製品もちゃんと対応しており、説明書通りにパーツをくっつければ綺麗に装着することが出来ました。
画像の右側がTNカプラーで、左が製品のままのダミーカプラーです。運転台側に連結器中間体格納箱を取り付けることで、賑やかになって引き締まります。



中間連結器はKATOカプラーに交換し、幌はトミックスの211系用をゴム系接着剤で取り付けました。
アンテナパーツは所定の穴ではやや窮屈だったので、デザインナイフで広げています。



グリーンマックス製品の楽しみはシール貼りです。豊富なバリエーションから何を選ぶか、ワクワクします。
今回は「特急・上本町」を選びました。「大阪上本町」ではありません。側面も「上本町行き」です。
ただ、中間に入る顔には、お遊びで「特急・鳥羽」としています。
号車札は一般的なJR車と比べ大きく目立つので、貼り付けた効果は大きいと思います。しかし、何れ10両編成にする時には全て貼り変える必要があります。
シールで驚いたのが座席番号案内の表記でした。こんなものまで集録されていますし、車両による違いもちゃんと表現されています。客室ドアの左上部分にちょっとしたアクセントとなっているのが画像で判りますでしょうか。

クーラーのルーバーに墨入れを行いましたが、あまりにも小さく、目立たない割に時間が掛かるので2両で止めました。

近鉄特急についてはまだまだ勉強不足ですが、昔見た鳥羽駅のイメージを模型で再現できればと、もう少し編成を増やしたいと思っています。


キハ85「ひだ」 キハ8500「北アルプス」

2012-09-10 | 車両【国鉄・JR】
KATOのキハ85系は、長らくよく遊んでいるモデルで、数年前に増結先頭車を1両増備したのを機に床下の再塗装と室内の塗装、幌アダプターの取り付けとジャンパー付きカプラーへの交換を行いました。

実車にも数回、乗る機会がありましたが、渓谷に沿って走る雄大な高山本線は、何度乗っても楽しいものですし、デビューから間もなく四半世紀が経つとは思えない車内設備や走行性能は、さすがJR東海初の特急型車両だと感心させられます。

高山本線でカメラを構えたことも何度かありましたが、JR西日本の急行「たかやま」や臨時急行も走っていて、賑やかな路線でした。その中でも名鉄のキハ8500は異色の存在で、夢中になってシャッターを切ったものです。
その後、ついに「ひだ」と「北アルプス」の併結が行われるようになり、当初は繁忙期に5両+5両の10両で高山本線に轟音を響かせ中がら走行していました。私がこの編成を実際に見た時は5両+3両でしたが、コントラストがあるようで統一感のあるこの編成は、模型として残したい編成の一つでした。



マイクロエースから名鉄キハ8500系が発売となり、5両セットを購入しました。
しかし、5両+5両の編成はあまり印象に残っていないので、モーター付きで2両を売却し、モーター無しの3両にしました。
意外に高値で売却することが出来たのに驚きましたが、同時に発売された会津鉄道時代のキハ8500系が4両セットしかなく、実車が2両で運転されていたので、それを求める方にとっては手ごろだったという理由かもしれません。



中間に入る運転台付きのキハ85系100番台と、キハ8500系を連結することになりますが、キハ85系100番台はKATOのキハ82系カプラーを取り付けてあり、キハ8500系もこのカプラーを取り付けました。
TNカプラーであればほぼ無加工で取り付けることが出来たのですが、そうすると併結相手のキハ85系100番台のカプラーを交換しなければならず、さらに、「ひだ」としてキハ85系だけで走行する場合に、その100番台の併結相手となるもう一方の100番台のカプラーも交換しなくてはならないので、キハ8500系の1両を加工するだけにして作業を少なくしました。
車体側はプラバンでカサを整え、カプラーをゴム系接着剤で固定し、瞬間接着剤をごく小量流し込んで固定しています。

中間連結器は、マイクロエースのカプラーアダプターを使用して、灰色に塗装したKATOカプラーを取り付けますが、長さが足りないのでパテと瞬間接着剤で柄を伸ばして固定しています。



これで併結出来るようになりました。
実車の方は、キハ85系は度重なる編成変更やバリアフリー対応改造などを行っていて、その形を少しずつ変えているようです。キハ8500系は、もはや会津鉄道にもその存在はありません。
多客期には様々な編成で運転されていたキハ85系で、私もいろんなスタイルでこの模型を楽しんできましたが、キハ8500系を含めたことで、今後はさらに多くのバリエーションで末永く楽しみたいと思います。

伊勢志摩 近鉄特急

2012-09-01 | 日記
鳥羽へ行ってきました。
近鉄特急に乗るのは半年振りですが、その時は往復ともアーバンライナーだったので、今回は汎用車に乗りたいと思っていましたが、時刻を見るとどうも「伊勢志摩ライナー」ではなさそうだったので、後は運に任せるとして、大して調べずに出発しました。

職場の香里園からは鶴橋経由と丹波橋経由で悩むところですが、先のダイヤ改定で京伊特急は大幅に削減されましたので、鶴橋に経由にしました。
駅では朝のラッシュ輸送を終えて寝屋川車庫に向かう13000系が停車していました。近くでじっくり見るのは初めてです。2600系を置きかえるという意味では敵のような存在ですが、3000系のデザインを上手に踏襲していて、なかなかカッコイイ車だと思います。



鶴橋のホームで特急券を買いました。
なんと、禁煙席は満席とのこと。なかなかの乗車率です。仕方なく喫煙席を取りました。
AceだかACEだかが来るのかと思っていましたが、やってきたのは30000系「ビスタEX」でした。私が見た時刻表ではビスタカーの表示は無かったので、嬉しかったです。



編成は30000系単独で、喫煙車は一番前の1号車です。ビスタカーに乗るのはとても久しい事で、ビスタEXに乗るのは初めてです。シートモケットがカラフルなものに変更されていました。
私は愛煙家ですが、列車に乗っている時間くらいは我慢しますし、喫煙車はニオイが付くので好きではないのですが、喫煙車に乗った以上は、やはりタバコを吸ってしまいます。
今、こうして座席でタバコを吸える車両は、数えるほどになってしまいました。駅でタバコを吸える鉄道会社も、少なくなっています。
私が乗務を始めた平成5年、雷鳥号の禁煙車は指定席3両、自由席1両の4両だけでした。新幹線も、半分以上が喫煙車でした。そこからどんどん禁煙車が増え、一時期は喫煙車は満席なのに禁煙車はガラガラなんて状態がありましたが、今乗っている喫煙車は半分程度の乗車率で禁煙車が満席。時代の流れを感じます。
座席と壁に取り付けられた灰皿にもノスタルジーを感じるまでになりました。



近鉄と南海に乗ると何故か食べたくなるのが「柿の葉寿司」です。奈良県五条の名物なのですが、両社とも売店で売っているものなので、ついつい買ってしまいます。鶴橋駅で夏季限定のものがあったので、それを買いました。シャリにゴマを混ぜたもの、刻みわさびを混ぜたものがあり、この辺りが夏季限定の特徴なんだそうです。美味しかったです。



画像は鳥羽駅から少し南、鳥羽水族館側からの写真です。
スナックカーが来たので慌てて携帯のカメラで撮りました。
小学生のころ、家族旅行で何度か鳥羽に来ていますが、その頃は水族館の一部施設がまだ線路の反対側にありました。
そこからクネクネと曲がる線路をフランジ音高らかにゆっくりと走る近鉄特急が間近に見えるのですが、これがとてもカッコ良くて、大好きなポイントでした。しかし模型では近鉄特急にあまり興味を示しませんでした。発売されていたアイテムが少なかったことと、見る機会も乗る機会も少なかったからかと思います。今では完成品としてスナックカーも18400系も発売されています。
当時は単線で、小さなトンネルを潜り抜けたりしていたのですが、今ではこの辺りは複線になり、線路はやや海寄りに引き直されていました。後で調べると平成4年に工事は終了していたようです。ちなみに私が最後にここで近鉄特急を見たのが平成2年でした。



帰路はちょっと時間調整をすれば京都行きがあったので、丹波橋経由で帰る事にしました。
車両はまたもビスタEXですが、今度は禁煙の2階席に乗りました。1日3往復にまで削減された京伊特急ですが、伊勢市を出た時点で8割程度の乗車率。8月で夏休み期間とはいえ、平日ですから、よく乗っていると思います。
ビスタEXの2階席ですが、気になるほどかなり揺れました。やがてあまり気にならなくなりましたが、それが線路状態によるものなのか、慣れなのかはわかりません。

大和八木で大阪行き特急との連絡を見ます。名古屋始発で、この列車の4分前を走る難波行きを待たせてこの京都行きが到着。2分の乗り換え時間の後、難波行きが発車し、その2分後に京都行きが発車します。昔から繰り返されるお馴染みの光景ですが、もうそんなに頻繁に見ることはできません。


6分停車を終えて発車する難波行き。左奥に見えるのが私が乗る京都行き

八木の連絡線を満喫し、西大寺を出ると荷物をまとめてデッキに出て、リニューアルされた階下席を見物します。
ヨットのキャビンをイメージしたというだけあって、明るく開放的な雰囲気に生まれ変わっていました。
この日は4室とも家族連れが利用していましたが、子供達は大喜びではしゃいでいました。しかし、出張の中年6人がこの空間に放り込まれると、なかなかしんどいものがあるように思います。
一度は弁当やビールを買い込んで、ここでワイワイと移動を楽しみたいものです。



結局、往復ともビスタカーに乗っただけでしたが、喫煙車に二階席、八木の接続、短絡線乗車と、あまり乗ることの無い近鉄特急を大いに満喫することができました。