つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

柿の木

2012-11-27 17:21:35 | ジャズ

 夏の間は一向にめだたなかった柿の木が、いまの季節になるときわだってくる。みごとに実っていたものが半分になり、四分の一になり、
 五つ、六つを数えるだけになると、ヒヨドリのとまっている姿がよくみえてくる。
 明るくってどことなく陰のある風景だ。

 昔から柿色という表現があるが、初冬の日に映える柿の実の色は何といったらいいのだろう。
 「四季をこの一瞬にあつめて冷たく光ってゐるこの色」といった人がいる。冷たさのある朱色の実には夕暮れ時の光がふさわしい。

 正岡子規の「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」の鐘も、朝を告げる鐘ではなく夕べを告げる鐘であったろう。
 「柿などといふものは従来詩人にも歌よみにも見放されてをるもので」と子規は書いている。

 唐木順三氏になると、柿は礼賛の対象になる。”まことに一顆(か)明珠、あゝ、これが柿だ。柿の実だ。日本の秋だ。生命の充実だ。
 ・・・・・・柿は母の心をつたへる。ふるさとの色をつたへる ”(飛花落葉)

 エノコログサが枯葉色に染まりだしたのに、アカマンマの花はまだ赤い。道ばたのザクロの木に、かっと口を開いたままの実が一つ、
 ひからびてぶらさがっている。・・・・・師走が近い・・・


 今日聴いたジャズ・・・


 PER DANIELSSON TRIO・・・「TIME WILL TELL」


 スウェーデン出身、オスカー・ピーターソン、ビル・エヴァンスを聴いて育ち、BENGT HALLBERG などに習ったという経歴を持つ、
 PER DANIELSSON率いるピアノ・トリオ作品。
 エヴァンス・トリオのドラマーとして活躍したマーティ・モレルを迎えてのアルバム。

 DANIELSSONは、芯が通ったタッチとジャズ・ピアノの伝統的な美しさを兼ね備え持った逸材。
 スタンダードもあり、MARTY MORELLが書いた曲、”SONG FOR BILL”という美しいバラード・・ベースのRICHARD DREXLERが書いた、
 心温まる ”HEART COMMUNION”も美しく感動的。。聴くほどに、素晴らしさを感じる作品に仕上がっている。


1・OUTPOSTED・・・2・CONTRASY・・・3・YESTERDAY’S GARDENIAS・・・4・TIME WILL TELL・・・5・MY WISH・・・
6・HERE’S THAT RAINY DAY・・・7・SECOND CHANCE・・・8・SONG FOR BILL・・・9・IN YOUR OWN SWEET WAY・・・
10・HEART COMMUNION・・・11・STEP BY STEP・・・12・OLD FOLKS・・・


 all tracks written by per danielsson unless otherwise noted・


  PER DANIELSSON(p)
  RICHARD DREXLER(b)
  MARTY MORELL(ds)


  2010年11月6&7日録音・・・

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