つれづれなるままに聴いたジャズ

  よるの雨の音は

さびしい胸にともしびのように

   ともる



 

茶の花

2012-11-26 15:36:51 | ジャズ

 江戸時代の俳人・山口素堂は「茶の花や利休が目にはよしの山」と詠っている。貞門、談林俳諧の特色である見立ての面白さを
 狙った作品といえる。
 「茶の花が咲いている。茶人利休の目には、これが吉野山の花盛りとも映るだろう」との意。
 茶の花を吉野の桜にたとえているのである。

 茶は葉を飲用とするツバキ科の常緑低木。チベットから中国南西部の山岳地帯が原産。インドの野生種には15メートルに達するものが
 あるという。中国では紀元前10世紀の周代に薬用とされ、日本へは8世紀の天平時代に薬用として伝わったという。

 僧栄西が12世紀に宋から種子を持ち帰り、宇治に栽植させたのが日本における本格的な茶のはじまりだといわれる。

 花は晩秋から初冬にかけて白色五弁に小さく咲き、濃い金色の蘂(しべ)を多数持ち、芳香を放つ。花の色や木の姿が茶人の嗜好にかない、
 「わび」「さび」の世界へと発展していった。また俳諧の題詠としても取り上げられた。


  ”茶の花の咲くまで忘れられし径(みち)”(小川 笹舟)・・・


  今日聴いたジャズ・・・


  JIM TOMLINSON・・・「BRAZILIAN SKETCHES」



 
  本作は、1966年9月9日生まれ、イングランド出身、ロンドンで活躍中のテナー・サックス奏者、ジム・トムリンソンの
  リーダー・アルバム。
  11曲中、A・C・ジョビンの曲9曲(1、2、3、4、5、6、8、9、11)コール・ポーターの曲、一曲(7)ルイス・ボンファ
  の曲、一曲(10)で構成されている。
  4曲には、奥様のステイシー・ケントが参加し、さすがに息の合った、心憎いばかりの歌が聴ける。

  トムリンソンはオックスフォード大学でPPE(政治、哲学、経済)の学位も取得している。音楽を本格的に学ぶようになったのは、
  20代からで、スタン・ゲッツ、レスター・ヤングなどから影響を受けている。


1・DREAMER・・2・十字架・・3・リジア・・4・SO NICE・・5・SO DANCO SAMBA・・6・ONCE I LOVED・・7・I CONCENTRATE
  ON YOU・・8・黒と白の肖像・・9・SHE’S CARIOCA・・10・THE GENTLE RAIN・・11・NO MORE BLUES・・・

 本作は、テナー、ヴォーカルを引き立てている、ピアノ、ギター、ベース、ドラムスの存在が大きいことも特筆すべきことだと思う。
 個人的には、ジョビンの楽曲の中でもとりわけ好きな、黒と白の肖像をトムリンソンのテナーで聴けるのが嬉しい。


  JIM TOMLINSON(ts)
  COLIN OXLEY(g)
  JOHN PEARCE(p 1、4、6、11)
  DAVID NEWTON(p 2、7、10)
  SIMON THORPE(b)
  CHRIS WELLS(ds perc)

  STACEY KENT(vo 1、4、7、10)


  2001年4月13、14日録音・・・


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