昨日今日明日

きのうを思い、きょうを実感し、あすに想いを馳せよう。
若年性或いは老人性痴呆症にならない為にもね?

Cuando Caliente SHIZUOKA#20

2006年01月21日 | Weblog
 沼津市の特区構想に思う

 沼津市教育委員会は二十日、「同市言語教育特区」の申請を近く国に行うことを同日の市議会文教消防委員会で明らかにした。英語と国語を合わせた言語能力の向上、底上げを目指す特区は認定されれば全国初。三月下旬に国の認可が下り次第、四月から拠点推進校を中心に市立小、中学校で実施する方針。
 計画では、市立高中等部を除く全校に「言語科」を新設。情報を正確に受け取り、自分の言葉で表現する能力を育成する「読解の時間」と、英語を使って相手とコミュニケーションする能力を育成する「英語の時間」を二つの柱とする。
 言語科の時間は生活科や総合学習の時間を削って充てる。授業の進め方については、学識経験者らによる言語教育推進委員会を設置し、独自のカリキュラムの作成や見直し、教材の開発などを進めていく。英語の時間に必要な外国語指導助手の配置も、現在の四人から二十四人に増員する方向で検討していることなども報告された。
 委員からは「教師のレベルでばらつきが出る」「教師の意識の徹底をしなければ効果はない」などの指摘や、「全国に先駆けてやるのに準備が足りないのでは」と懸念する声が相次いだ。工藤達朗教育長は「教員がどのように理解し、前向きに取り組むかにすべてがかかっている。出てきた課題の解決をしながら進めて行きたい」と述べた。(静岡新聞)

 最近、アジア地域において日本の学生の外国語能力(英語能力に限った話)が台湾、シンガポール、韓国、中国あたりと比べて劣っていることが判明し、俄かに何とかしなければならないという脅迫観念が日本国民の間に醸成されつつあるのも確かである。今回の沼津市の特区構想もそういう国民的感情から誘発された一面もあろう。
 
 私など、いい年になってから、中国語などを学んでみると、言語構造が英語によくもこんなに似ているものだと感じ入ること頻りである。一番の特徴は名詞と動詞の形が同じである場合が多い。それに、日本語の発声方法があまりにも単純なため、外国語の発音が識別できないのである。中国の子供たちなどは国語の時間には教師から口移しで発音を覚えさせられる。絶えず教師の発音を復唱して体得するという習慣のなかで育つのである。
 ところが、日本語の話し言葉の発音方法など、小学校に上がるころには体得してしまっているのであるから、先生に日本語の発音を教えていただくという態度が身につかないのであろう。日本の教育界に望まれることは、子供たちに「先生から教えていただかないと分らないのだ」という実感を持たせる教育システムの構築が最重要なことだと思う。

 私の話はいつも本線から反れてしまって大変恐縮するのであるが、沼津市は新しい試みを全国に先駆けて始めるのであるから、「沼津に続け!」という良い前例となるべく頑張っていただきたい。