富山きのこクラブの皆様
何となく春めいてきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?この時期の定番となりました、中央植物園/きのこ部会のきのこ染め講習会が開かれ、7名の参加がありました。
今回はウメノキゴケという地衣類を使った染めに挑戦です。
植物園の前館長 黒川 逍氏が世界的権威だそうで、冒頭、橋屋さんから地衣類に関するご説明がありました。橋屋さんは、富山県内でまだウメノキゴケの仲間を見たことがないそうで、今回は京都で採取されたものです。
クリーニングしたウメノキゴケにアンモニア水とオキシドールを入れて発酵させた原液です。1日1回以上攪拌し、発酵させる為に1ヶ月以上おく必要があります。
酢酸で中和した液に適量の水を加えて、絹布を浸け、加熱しながら攪拌します。
80~90℃で30分程度染色した後、加熱を止め、放冷しながら30~40℃まで染色を続けます。
軽く水洗いして陰干しします。
なかなか美しい色に染まりました。しかし、この色素は紫外線によって分解されやすいそうです。
今回はロクショウグサレキンを使っての染にも挑戦しました。
削った木屑(一昨年使用したものでした)をアルカリ中で煮沸し、ろ過します。1回目のろ液はタンニンが多く、色が濁るので捨てます。
ろ過滓に、さらに水酸化ナトリウムとハイドロ(チオ硫酸ナトリウム)を加えて煮沸・ろ過して抽出液にします。
色素の名前はXylodein(キシロディン)といい、酸化すると青緑色に発色、還元されると黄褐色になります。泡の表面が空気中の酸素で酸化され青緑色になっています。
中和した抽出液に絹布(糸)を浸し、80~90℃で30分程度染色した後、加熱を止め放冷しながら30~40℃まで染色を続けます。
染色後水洗いして空気酸化すると次第に青緑色に発色しますが、さらに酸通しをして鮮やかな青緑色に発色させます。
今回はやや薄い色でしたが、きれいに染まりました。ロクショウグサレキンはフレッシュなほうが良いのかもしれません。
女性有志でコチニールを使った染めに挑戦する次第となりました。結果報告を待ちましょう。
コチニールはウチワサボテンにつくカイガラムシに含まれる染料で、口紅の材料にもなるそうです。
橋屋さんが「きのこ堂」で仕入れこられたきのこグッズです。
「きのこ展」に向けた準備は着々と進んでいるようです。
富山きのこクラブの皆様、次回の「きのこ染めその4」はカイメンタケ(Phaeolus schweinitzii (Fr.) Pat.)で行います。カラマツなどの針葉樹の根元に出ますので、見かけた方は採取・乾燥しご提供ください。
よろしくお願いいたします。
では。
_/_/_/_/_/ Sola1one 遅くなって御免 _/_/_/_/_/
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