Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

人生はシネマティック!

2020-09-25 15:01:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


Singapore Gripに次いでまたまた第二次世界大戦なイギリスです。

2016年にUK、2017年秋に日本公開された映画ですが、何となく映画館まで行かずじまいでいたらアマゾンプライムで見かけて即見ました。気分が「歴史をもっと知りたい!」になっていて正解でした。

戦時中に、男性スタッフが不足したのと国民プロパガンダ映画のため女性の視点も必要とされて、映画製作の秘書に応募したら脚本家への道が開かれた女性が主人公の話です。

そこで、テーマが女性の社会進出と恋愛や家庭の兼ね合いと映画愛のふたつという、身近に興味のある界隈でした。

1940年当時の映画製作における大人の事情は、「事実に基づく物語」の脚色や演出から、軍事的、政治的な状況(ダンケルクで退去が成功はしたものの状況は未だドイツ優勢、イギリスはアメリカの援軍が頼り)でじっさいにはいるはずのないアメリカ兵を出演させたり、アメリカ観客に受けるよう「爆発もロマンスも派手な演出」を要請されて、過密スケジュールの中脚本を変更していく製作陣の姿がリアルで今もそうなんだろうなあと想像させました。

この映画のメインキャラにジェマ・アタートンとビル・ナイはナーイスキャスティング!と指を打ちたくなりますけどサム・クラフリンがヒロインのロマンスの相手というのにどうも役不足な気がして、作中のアメリカの言い分にも一理ある!と首を縦に振りながら賛成しました(笑)。アメリカ人俳優のように歯並びのキレイなブロンドでなくていいんですが、仕事の仲間としてはよかったけど、うーん、仕事の顔から恋人の顔に変われない人だったなあ。。。それが知的イギリス人というものかしら。

その分!ビル・ナイはいい仕事してました!ビル・ナイの俳優役を見るだけのためにもこの映画は見る価値があると言えるくらい^^

でもラジオドラマの「チャールズ・パリス・ミステリー」で「ENDEAVOUR」ファンの売れない俳優を演じていたのを先に聞いていたので、そのキャラを本作の売れてた俳優にも重ねてしまって困りました!

劇中劇でダンケルクで船に乗るおじいちゃん役



ところで、原題「THEIR FINEST」はダンケルク後のチャーチルの演説から取られて、チャーチルの映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の原題「DARKEST HOUR」も同年に作られたというのが面白いですね。実際はdarkestだったナチスにやられていたこの時期を、「大英帝国が1000年続いて後に振り返った時に輝ける時代だったと思えるように今を乗り切るのだ」という演説で、戦勝国になったから良かったですけどチャーチル首相。


SINGAPORE GRIP 2

2020-09-24 10:45:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
映画「英国総督最後の家」(アマプラ特典)で植民地インドの独立を英国とインド双方からの視点を見ておもしろかったので、このドラマも今度はシンガポールね!と今世界で影響力を持つアジアの国のことを英国ドラマファンが知るのにいいチャンスです。



英国植民化のシンガポールを舞台にした1978年出版の小説のドラマ化エピ2です。

1の終わりに父が死んでシンガポールにやってきたマシュー(ルーク・トレッダウェイ)が父の共同経営者の息子と娘に夜遊びに引き回されるの巻。

このモンティが2代目バカ息子で差別発言を飛ばしまくるのですが、第二次世界大戦中当時の金儲けで植民地に来た白人の本音を、「ブライズヘッド再訪」のセバスチャンが最悪になったようなキャラに言わせるのは、それをないことにして植民地の富を貪っている他の紳士淑女の本心の代弁者。イギリスで「差別だ!」と評判がよろしくない一因か。



上の写真で見ても、そのモンティは特権階級ぶりが板についてるけど主役イケメン枠のはずのマシューはぎこちない(涙)。

真ん中のジョーンは、彼女の両親の企み=「娘と共同経営者の息子を結婚させて権力を独占」を素直に自分の野望にもしていてマシューに初対面から連続アタック攻撃しまくりで手を握ってます・・・社長夫人になれるから何の疑問も抱かないけど、マシューって、ルークが怪しい影のある懐疑的なオーラ出してるの気づいてない・・・ま、ニコール・キッドマンの若い頃に似ている美人さんだから自分しか見えてないのかもしれないけど、

ジョーンだけでなく、マシューとの関係を期待させる中国人女性Vera(ヴィエラと発音してた)も、エピ1でマシューの写真を見て「ハンサムね」と言って一目惚れしたのはわかったけれど、エピ2ではジョーンにも負けないアタックぶりが開始されて、いきなりSit Com並みのマシュー争奪戦に突入したのには笑いました。



でもそれは、本当のギャグならいいけれど、お嬢のジョーンならまだそのおバカさんぶりは仕方ないけど、占領下のアジア人があまりお下品に出るのは、モンティじゃないけど現地の女性が白人から見てセックス奴隷みたいにしか見られてない状況下では賢い行動ではないので、

まだ正体が明かされてないVeraが高貴の身分だったとかいうオチをくれないと精神衛生上良くありません。流暢な英語を話すとかロシアにいたとかミステリアスな布石は小出しにされているので、この先がっかりすることがありませんように!

アイルランド俳優でコリン・モーガンとも共演してたカラム・ミーニーが心のオアシスです。隣のディヴィッド・モリシーはマシューの父の共同経営者役。植民地の安い労働力でゴム事業をして儲けてるのは何の罪悪感もないいい人ぶり。




アンダーテイカー葬る男と4つの事件

2020-09-23 20:10:00 | エディ・レッドメイン
エディ・レッドメインが出ている2009年の映画を見ました。

邦題「アンダーテイカー」は原題をカタカナにしたかのような顔をして・・・



まさかのオリジナル邦題?!全然違うし主役のひとりエディを推して売ろうというにもエディの作中の職業「葬儀屋」を英語にしたからって、それってエディだけが主役だと勘違いさせる手法だとしたら少なくとも私が引っかかったから意味があったのか、うーむ。



しかしクリスマスも近いロサンジェルスを舞台に、映画冒頭は25年間の務所上がり犯罪組織の男たちが出てきて、邦題の「葬る」がぴったりなハードボイルドな幕開けなんです。それが起承転結の結あたりでPOWDER BLUEというほんわかしたタイトル通りファンタジーになるので、これは邦題と原題両方で体を表しています。

エディは私の期待通り、ナードな清純派の若者を演じています。うまいです。

例えばこのシーンで見つめているのは死体です。死化粧を施こす真剣な眼差し。



ここでお姫様抱っこしているのは誤ってひいてしまった犬。打ち所が良かったので脚の怪我だけで済んだからって「お前は運がいいぞ!名前もそうしよう、ラッキー!」・・・って死人を普段相手にしているからでしょうか、死ななければラッキー。



そしてっちょっと分かり難いこの写真は、子供相手に操り人形の演技をしているところ。



極め付きは名前で、Qwerty Doolittle(クワーティ・ドリトル)というんです。変な名前ですよね?!

この名前、本当にある名前なのか調べようとして意味がわかりました。キーボードの上段左から6つの文字なのです?!この文字配列のことをQWERTYというのですが、これが人命となるとやっぱり変な名前です。そして苗字の方も、ドリトル先生のDr. Dolittleよりもoが1コ多い。ooってなんだかマヌケなイメージがします。

人がよくて、真面目に葬儀屋やってて、操り人形が上手く、コミュ症でもないのに、イケメンなのに変な名前の孤独な若者・・・そんな妖精さんのような人が本当にいると思わせてくれるのがイートン校&ケンブリッジ大卒のエリートの演技力というものでしょうか。



エディを見るのも、ハードボイルドファンタジーも楽しめたけど、この映画4人もメインキャラクター要らなかったんでは。場末のロサンジェルスの人たちの人生を複数並行して描いて街のキャラクターを表現したかったのかもしれないけど、その割には数人の人生に深く感情移入させられて、街のクリスマスの空気感みたいなものは感じられなかったです。それぞれのストーリーは良かっただけに惜しい。



アガサ・クリスティーの世界を味わう

2020-09-22 19:12:00 | イギリス
毎年秋に、「バトラー付きのアフタヌーンティー」などの企画で「英国フェア」をやってくれる帝国ホテルのアクアラウンジが、



今年はアガサ・クリスティーの生誕と帝国ホテル誕生が同じ130年ということで、クリスティー小説に登場するメニューをセットにしてくれました。

BRITISH AFTERNOON TEA WITH AGATHE CHRISTIE

どのメニューがどの小説に登場するかキチンとリストアップされています。



ソーシャル・ディスタンシングのため4人に8席分用意され、よくアフタヌーンティーの3段トレーは二人分が一緒に盛り付けられているものですが、トレーもひとり1setの割り当てです。お皿に隙間が多いのはそういうわけです。



左からポピーシードケーキ、トライフル、ブレッド&バタープディング、
下にメレンゲ



ラムの煮込み、ロブスターのサラダ、キッパーズのフィッシュケーキ

甘くないメニューが大充実なのが嬉しいです。アフタヌーンティーっていわばお食事なのでケーキは一皿でもちょうどなのかも。



チーズとキュウリのサンドイッチ、サーモンムースのクランペット、シェパーズパイ



そしてスコーンもひとりひとりに恭しくナプキンに包まれて給されました。冷めないおもてなしありがたし。



プレーンとレーズンが鎮座しておりました。



コロナで席に余裕をもたせるためオンライン予約はやってなく電話での予約でした。

以前1度来たことのあるラウンジのティータイムですが、やはりだいぶ人が少なく、本当にクリスティーの小説に出てくる高級ホテルのような空間でした。

制服も由緒正しいミリタリー風や女性でもネクタイ着用などモダンな外資系ホテルにはない伝統が感じられて、バトラー付きのティーじゃなかったけれどそれも兼ねて楽しめた気分です。

窓際の席をお願いしたのでガラスの向こうは皇居、インペリアルでロイヤルな午後で世間の4連休最終日の喧騒とも無縁でございました。

過密東京をゆったりと過ごせる・・・新コロナウィルスに負けないうちは密かな愉しみ。


HSP脳の島皮質が忙しい

2020-09-21 22:24:00 | 近況


HSPとは、「Highly Sensitive Person」の略だそうで日本語だと心理学で「繊細な人」と呼ばれるそうです。いや、でも英語のHighly(非常に)はどこ行っちゃったんだろ?直訳だと「非常に繊細な人」ですよね。

この言葉を知ったのは、今の職場で先輩のひとりがご自分のことをHSPだと言ったからでした。実を言うとその方は、別のスタッフから「やたら細かい人」「すぐに勝手に表などを作って作業を増やす」「頑張り屋」などとも言われてた人なので、私はその人をアグレッシブな人なのかとイメージしてただけに真逆。。。

そしてHSPの特徴が、

ー人が大勢いると疲れる
ー人や刺激に過敏
ー共感力が高い
ー小さなことにクヨクヨする

などということを知っていやこれ私じゃ?と直ぐに思いました。

そしたらTHE BIG ISSUEの最新号No.391にも特集ページがあったので、さっそく読んで

『2010年以降に脳の研究が進んだことで、HSPは脳の機能に特徴があることがわかってきた』

ことを知って、自分が今まで悩んできたことは脳の特徴のせいだとわかりました。

HSPは5人にひとりくらいいるそうで、マイノリティとはいえ結構いるんですね。

それにコチラのセルフチェック(気になる方は是非チェックどうぞ)によれば私は「中」程度のHSPで、人により程度もそれぞれみたいです。

なのでHSPの特徴でも私に当てはまらないのもあって、例えば「芸術的な資質を持っている人が多い」とか「人に配慮できる」とか大体優れた点は私には当てはまらないんですけど。芸術ってピンとこないし、よく「天然」と言われて人に申し訳ない失礼なことをしてしまう鈍感さもあってますます落ち込むという。。。

でも「大勢が苦手」「ひとりの時間が必要」これは絶対なのでHSPなのは間違いないです。

THE BIG ISSUEの特集によると、そんな過敏な人の自衛方法として

ー見えないバリアーをイメージする
ー自分の気持ちを言葉に表す
ーひとりの時間を作ったり情報をシャットダウンする

という3つのことが書かれていました。私は偏頭痛もちでもあって、時に頭痛が酷くなって吐き気もする時PCスマホから1日離れてると回復するのは身体が無理やり情報からシャットダウンさせているのでしょうか(笑)。でもHSPとしては頭痛はそうしてリセットしてくれるので実はうまく機能しているのかもです。HSPは鬱になりやすいそうなんですが、私は落ち込みは頭痛と同じで3日で復活します。HSPのくせに図太いです。

子供の頃は、母に「なんでクヨクヨ考えるのか」と言われたりして、その母の言葉にもさらにクヨクヨと落ち込んでいたのですが、脳のせいとわかってスッキリ、母や、私に「なんでそんなことを考えるのよ?!」と言った人は絶対HSPでないマジョリティなんでしょうね。

HSPに向く仕事は「人に配慮でき、思いやりがあるので、医療、教育、福祉など人を助ける仕事に向いています。」とTHE BIG ISSUEにはあったんですが、・・・うーん、一応今フロント係という接客のある仕事してるけど、思いやりは自分の好きな人にだけやたらと発揮する性格でもあるので向いてないです。好きな人以外へのサービスは疲れるからイヤ・・・