Singapore Gripに次いでまたまた第二次世界大戦なイギリスです。
2016年にUK、2017年秋に日本公開された映画ですが、何となく映画館まで行かずじまいでいたらアマゾンプライムで見かけて即見ました。気分が「歴史をもっと知りたい!」になっていて正解でした。
戦時中に、男性スタッフが不足したのと国民プロパガンダ映画のため女性の視点も必要とされて、映画製作の秘書に応募したら脚本家への道が開かれた女性が主人公の話です。
そこで、テーマが女性の社会進出と恋愛や家庭の兼ね合いと映画愛のふたつという、身近に興味のある界隈でした。
1940年当時の映画製作における大人の事情は、「事実に基づく物語」の脚色や演出から、軍事的、政治的な状況(ダンケルクで退去が成功はしたものの状況は未だドイツ優勢、イギリスはアメリカの援軍が頼り)でじっさいにはいるはずのないアメリカ兵を出演させたり、アメリカ観客に受けるよう「爆発もロマンスも派手な演出」を要請されて、過密スケジュールの中脚本を変更していく製作陣の姿がリアルで今もそうなんだろうなあと想像させました。
この映画のメインキャラにジェマ・アタートンとビル・ナイはナーイスキャスティング!と指を打ちたくなりますけどサム・クラフリンがヒロインのロマンスの相手というのにどうも役不足な気がして、作中のアメリカの言い分にも一理ある!と首を縦に振りながら賛成しました(笑)。アメリカ人俳優のように歯並びのキレイなブロンドでなくていいんですが、仕事の仲間としてはよかったけど、うーん、仕事の顔から恋人の顔に変われない人だったなあ。。。それが知的イギリス人というものかしら。
その分!ビル・ナイはいい仕事してました!ビル・ナイの俳優役を見るだけのためにもこの映画は見る価値があると言えるくらい^^
でもラジオドラマの「チャールズ・パリス・ミステリー」で「ENDEAVOUR」ファンの売れない俳優を演じていたのを先に聞いていたので、そのキャラを本作の売れてた俳優にも重ねてしまって困りました!
劇中劇でダンケルクで船に乗るおじいちゃん役
ところで、原題「THEIR FINEST」はダンケルク後のチャーチルの演説から取られて、チャーチルの映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」の原題「DARKEST HOUR」も同年に作られたというのが面白いですね。実際はdarkestだったナチスにやられていたこの時期を、「大英帝国が1000年続いて後に振り返った時に輝ける時代だったと思えるように今を乗り切るのだ」という演説で、戦勝国になったから良かったですけどチャーチル首相。