Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ブレードランナー2049

2017-10-28 12:58:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


公開日の10/27、きのうは会社の創設者が来た職場が緊張感に包まれた特別な日でした。飲食の準備、いつもの仕事もそのVIPの滞在に合わせ時間変更したため私もシフトが遅くなり、時間変更に対応できないエスプレッソマシーンのシステムのせいで振り回されてバッタバタの1日を終えたのでした。

なんだかそんな日こそ「ブレードランナー」の新作を見るのにふさわしい気がして劇場を検索したら、案の定9:00pmの回は終わりが11:55で電車で帰宅には微妙な時間のせいか席がまだ半分残っていたのでスマホで予約、

職場のある丸の内から日本橋まで歩くことにしました。途中、いつも行きたかった「サラベス」(NYでは行ったけど東京では未体験)があったので、ここで夕食を食べていこう!とウキウキ入り口まで行ったのですが、雰囲気はかなりちゃんとしたレストランで50分以内に着席〜注文〜堪能〜会計はムリそうだったので、結局食べたのは場末の天ぷらそば!

・・・丸の内〜日本橋を歩くと東京駅八重洲付近を通り、ピカピカのビル街で高級店しかないかと思うと、その谷間にまだすぐに食べられるお蕎麦屋さんがあってさすが元祖ブレードランナー東京です。


いい加減本編のお話に。。。

まず元祖ブレードランナー「強力わかもと」の世界にはハングル文字が加わり、新宿歌舞伎町というよりも台湾とか(行ったことないけど)香港やマレーシアなど他のアジアの都市みが強化されていた感じです。思えばあれ以来、歌舞伎町にちょっと誇らしげに外国人のお客さんを連れて行けるようになりました。

でも相変わらず西洋人にとってディストピアはアジアのイメージなんだと良くも悪くもレトロな気持ちに。

それはAIの喋る言語が日本語だったり、成功した巨大企業創設者ウォレス(ジャレッド・レト)が着物を来ていたりと、この映画の美学なのですね。

そのウォレスが目玉はないんですが、かっこよくて、美形悪役バンザイな感じです。

1番素晴らしかったのは音響で、これが魂に刺さるような、潜在意識に響くような音なんですね。映像もSF映画の中でも一流感はあるんですが、この映画にしかない、と思えるオリジナリティを感じたのは音の方でした。

物語の流れが淡々とゆっくり進んでいくのもよくて、他のSFのスピード感とは対照的に、トム・フォードの前作「シングル・マン」や「裏切りのサーカス」の時間に近い。

さて、前作から続く「レプリカント」と「人間」の差は・・・というテーマですが、私はあまりその辺には興味がなく、レプリカントという、作中の言葉でも的確に表されていましたが、「奴隷」階級について考えてしまいました。

主人公K(ライアン・ゴズリング)は新型レプリカントで人間に従順にできていて人間のためによく働くー

・・・それって社畜・・・

って日本人は思ったのではないでしょうか?

折しもその日私が体験した、NYからのVIPのためにせっせと働いた自分。生きるお金を得るために仕事が必要だからVIPが飲むかもしれないコーヒーを遅くまで稼働させて、コーヒーマシーンがいつもの時間になってもミルク容器の洗浄がされないため「ミルク洗浄!」とアラートを出してピコピコ点滅して働きを止めてるのに、意志があり融通がきく人間の方はそれに翻弄されて。。。

貧富の差拡大の時代、労働者こそ奴隷として生きるしかないレプリカントだよと、2049始まってすぐ、画像も出る前の文字を読んですぐに思いました。

雇い主に従順に生きていたらKのように悪態で叫びたくなる人たちが、日本の社畜以外にも、日本人から見たら人権と尊厳を持って生きられるように見える英語圏の白人の男性にもいるということなのかな、とも思いました。


ところで、1983年のレイチェルはこの新作の中でどうやって撮影されたのでしょう。

私は、多分、1作目も映画館で見たと思うのですが、あの時も、昨日も、レイチェルは完璧に美しいと思いました。あの説得力に匹敵する美女が今回出なかったのは残念でした。

ラブはスケ番風で怖いし、ジョイは隣のかわいこちゃんぽくて、やはりレイチェルが完璧なキャラなので同じタイプは出せなかったのか、

記憶鑑定をするアナ博士は役柄のためかあまり見た人の記憶に残らないようなキャラになっていましたし。

まったくどうでもいいことですけど、アナ博士の境遇が、シャーロックの妹ユーラスを思い出しちゃいました。