Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ブラナー・シアター・ライブ「冬物語」

2016-11-05 11:05:00 | その他の映画・ドラマ・舞台


シェイクスピア作品をもっと知りたいと思っていたので、これを見に行ってきました。いつ始まったのかも知らなかったのですが、ケネス・ブラナー・カンパニーの映画収録作品を上映するシリーズ「ブラナー・シアター・ライブ」の第1作です。

ケネス・ブラナーは英国演劇界の王子みたいでしたが、自分の劇団を作っていることは初めて知りました。これは2015年からのようで、本当に自分の名前で領地を確保したのね(笑)。でもジュディ・デンチやデレク・ジャコビ、リリー・ジェイムズ、リチャード・マッデンなどのカンパニー外のスターも出演させています。

「冬物語」は実は予習も何もしないで、当日にチケットを取っていきました。というのも昨夜は夫が留守で、「家でドラマ三昧」と秤にかけて結局今しか見られないということでこっちがドラマに勝ったんです(笑)。

実は、そのタイトルから勝手に想像して「夏の夜の夢」みたいなファンタジー風の作品かと思っていたのですが、「冬物語」は幕が開くと暗い照明の中、王室とはいえ現実的な話が、そう、まるでオセロ的な緊張感を持って始まったのでした。

そういう話かと思うと、姫が捨てられた先には牧歌的な羊飼いの父息子が登場し、息子に至っては道化師?と思わせるテンポのズレ、と思ってたら本当の道化は行商人で羊飼いの息子は単なるネジのゆるい残念な子だったという、同じ劇が続いているとは思えないほど途中で世界が変わりました。

そのあとは、成長した姫と王子のロマンスが中心の、やっぱり「夏の夜の夢」的な熱愛話が、最初のシリアスな現実劇に戻っていった・・・と思ったら、

最後はまるで「魔女が石に人間の命を吹き込みました」とジュディ・デンチの存在感が大きすぎて全ては彼女の仕組んだ筋書き通りに運びましたね的な(実際はそうではない)ファンタジーなのか喜劇なのか悲劇なのかわからない、全く普通のイギリス人の話を聞いているような(ジョークも大真面目な顔で言う、嘘か本当か判別不能)物語でした。


お話のポイントは、王様が妄想に狂って家族を失い、冷静になって後悔、懺悔し、運良く失った家族の3分の2は取り返す、まあめでたし。というもの。


実は私もよく、夫と行き違いで「私がなんでこんな目にあうのだ」と自分の人生を呪うような出来事に会うんです。

それは「冬物語」の王様じゃないから人を投獄したり追放したりできないけど、その出来事の最中というのは理性ではないものに脳を占領されてしまうんですね。

でもそういうことって第3者から見たらこんな空回りなんだな~って、

激情にかられるものではない・・・と夜11時に夫が留守の家に足を運びました。




最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (hedgehog)
2016-11-09 20:49:40
しましまさん

「冬物語」、私は英国ロイヤル・バレエの新作「ウィンターズ・テイル」をスクリーン上映で観た際にがっちり予習していたので余裕でしたが、しましまさんはこのバレエはご覧になってなかったんですね。バレエでは、ジュディ・デンチが演じた役をゼナイダ・ヤノフスキーが踊っていて、最高でした。

>自分の劇団を作っていることは初めて知りました。

実は彼、1987年にルネサンス・シアター・カンパニーという自分の劇団を立ち上げてました。評判も良かったと思うのですが、映画の仕事とかが増えたため1992年に解散しています。演劇ファンにしてみれば、「せっかくの才能を映画なんかで浪費してる場合じゃないよ!」でしょうが、とかく才人すぎるせいでいろんなことに手を出しちゃうんでしょうね。また、映画監督としても優秀なだけに、ファンとしては嬉しくも苦しいところだw

ともあれ、ようやく舞台に本格復帰したブラナーを日本語字幕つきで見られることに、私は小躍りして喜んでいます。残る2作もとっても楽しみ♡
返信する
Unknown (しましま)
2016-11-09 23:36:25
hedgehogさん

hedgehogさんのブログで勉強させてもらいました^^

そうなんです、なんかこの作品にはなぜか縁がなかったんです。
バレエといえば、昔ロンドンでシルヴィー・ギエムのチケットを
買っていたのに怪我でキャンセルになったことがあって、
その演目に「Winter’s Tale」も入っていたのですよねーああ惜しい。

ブラナーさん、ハムレットと違ってこの舞台を映画に、という企画の方が
本領発揮なのかもしれませんね。
しかし幕間のギャリック劇場の観客のインタビュー見て、
イギリスでは人々に本当愛されてるのだな~とわかりました。

私は明日から義理の両親が来るので今週末は自分の楽しみイベントは
お預けです。感想をブログで読ませていただくのを楽しみにしています。
返信する

コメントを投稿