アンセルくんとタロンくんは、ふたりとも「映画に出てたら見たい」くらいに好きな俳優さんたちで、今回ダブルですから初めてこの映画の話を聞いた時から「見に行く!」と決めていました。
しかもふたりともスーツで決めてるし、タイトルがかっこいい!
『お金持ちのボンボンイケメンたちが結成する社交クラブの欲望まみれのスキャンダル』
・・・だがこのコピーはあの最悪映画を思い出させる・・・「ライオット・クラブ」
そして見た結果は、やはりライオット・クラブだった!!
この映画は実話をもとになっているのですが、舞台は1980年初頭のLA。その時代を回想する主人公ジョー(アンセル・エルゴート)の目線で語られます。
だからそこには現代の目線も存在し、過去を俯瞰できているはずなんですが、
儲かる投資と富裕層から金を集め、実際には投資は失敗しているのを別の新たな投資から配当だと先の出資者に額を増やして渡すことで当面は金の集まる偽事業、
これって今の人が聞いたら「よくある詐欺」じゃないですか。
この事件の場合は、弾みで殺人まで犯してしまうものの、そこまで悪ではない若造詐欺師たちなのでボロが出て捕まる・・・という
あまりにも意外性がなさすぎる展開なのでした。
アンセルくんがスーツで決める(あの時代のステイタス「アルマーニ」で)のは今までの映画ではなかったので、櫛の通ったスマートな姿は良かったですけど、
同じ悪党の世界で光り輝いてた「ベイビー・ドライバー」の時とは違いました。
富裕層の世界に憧れて金を集めてはみたものの、ちっとも富裕な暮らしを楽しめない中途半端な男の役自体がダメなのかもしれません。
タロンくんの方は、甘い言葉でジョーを動かしながらも腹黒いディーンの役がうまかったです。「キングスマン」では心の優しい子に見えたタロンくん、ここでは本当に顔で演技して心はいつも裏切ってるだろー!って男にしか見えない。
ジョーの彼女役のエマ・ロバーツも私の好みでないので、ジョーが彼女に本気になったのもなんでかよくわからなかったです。
そして、ビリオネア・ボーイズ・クラブをBBCって略すの、違和感ないのかな?!BBCですよ?!いくら30年近く前とはいえ、ロゴまで英国放送協会にしか見えなかった・・・
やっぱり、金で金を呼ぶという発想がケチな犯罪人にしか思えない昨今だから乗り切れなかったのかなあ。同じ実在の悪の世界を描いた「ブラック・スキャンダル」の方が心底「悪人ってやつは・・・」と未知の世界を見てしまったジーーンとくるものがありました。
でも、映画館「新宿武蔵野館」さんは、この映画のいいところ、打ち出すべきところがしっかりとお分かりでサービス精神にあふれているので、上の写真のようなふたりに挟まれるショットコーナーが用意されていました!