やっとの事で見られた円盤「The HAPPY PRINCE」です。
コリン・モーガンのヴィクトリアンファッションがもう美しくて、ますます大きいスクリーンで見たくなります。あの19世紀末〜20世紀初頭の紳士服は男性が1番美しく見える魔法の時代です。
「戦場からのラブレター」でもコリンのそんな姿が見られましたが、役柄が、ボジーといえば貴族で贅沢好きですのでこちらの方が着飾っています!
でもってブロンドの長髪という、普段のコリンとは全然違うイメージで、
でもって性格悪いんですヨゥ!!!美形悪役キャラ!
しかしちょっとアレなのは、身長183cmというコリンが小さく見えるほどのルパート・エヴィレットの高身長のせいで、美形ヴィランが小物に見えてしまうのがちょっと残念でした。でもいいのかな、美形だけど性格悪い小物ってのはボジーらしいのかも。
イングランド人の貴族ということで、しゃべり方もだけど声もいつものコリンじゃないみたい。イタリア語もフランス語も、ヒステリー雄叫びも聞けますからね、コリンを幅広〜く堪能できますね。
それに比べオスカー・ワイルドの方は、暗く重い覚悟はしていたのですが、さすが戯曲の得意な作家だけありセリフにユーモアがあるので梅毒で死ぬボロボロの人間を品を保ち可愛げのある人物にルパートさんは演じていました。
ところでワイルドは実は46歳で没しているんです。彼のもう一人の親しい友人ロビーやボジーはワイルドとそれぞれ15歳と16歳の歳の差なので彼らが30歳で俳優さんたちもそれらしいのですが、
この映画は主にワイルドの晩年3年間を描いていて獄中生活のやつれや病気の進行のための演出でもあるとは思うけど、ワイルドが老けすぎでは・・・?と思いました。
思い出シーンの中ではちゃんと40歳くらいに見えてるのに、やはりそれくらい有罪判決と投獄が彼の健康に被害を及ぼしたとルパートさんは言いたかったのかな。
名声のある人気作家だったのに罪人となり汽車で搬送されていくワイルドを見つけた民衆はひどい仕打ちでした。
上の動画でオスカーの隣に座ってるのがロビーで、彼は困窮したオスカーをずっと助け、オスカーの死後も彼の負債を支払ったり名誉を守り続けたそうです。
そのロビーとボジーは当然ながら対立。ボジーはオスカーとの愛に自信を持っているのに、なぜか落ちぶれたオスカーには冷たい。ヒステリックな面がある貴族の三男の我儘でしょうか。興味深い複雑な人間なんです。
全編を、タイトルである「幸福の王子」の物語の朗読が流れます。自分の持ってるものを全てツバメにあげてしまう王子の銅像はオスカー自身、遠くに飛び立っていくツバメはボジーだったのかな。そうか、そういう童話だったのか。