映画に撮られたこの作品を見た時(その時のブログ)に、「もしもこれが日本で公演されたら絶対に見に行く!」と心に誓いました。
誓いを守ってよかった、生の迫力と面白さはお芝居と同じだけれど、バレエの場合踊りがカンタンそうに見えて超絶技巧、しかもマシュー・ボーン振り付けはいわゆる古典よりも振りが大げさで動きが激しいので、その緊張感で見ている方は身動きができなくなるくらいでした。
パンフレットを参考に幕ごとの感想
第1幕 The Baby Aurora 1890年 オーロラ姫の誕生
むかしむかし、国王夫妻が闇の妖精カラボスのおかげで授かった姫は、家来たちが手を焼くほどの元気な赤ちゃんでした。
ここで黒子が操る姫の赤ちゃん人形がなかなかちょっと恐ろしいのですが、原題のサブタイトルは「とあるゴシック・ロマンス」なので雰囲気がセットにもぴったり。翻弄される家来たちの芝居も笑える中にも、ヴィクトリア調の使用人の衣装も完璧なので、もうここで夢の国!もちろんセットも重厚で舞台用にデザインされていても学芸会ぽい観客の想像力に頼るところがない。完璧です。
ベビー・オーロラが眠っていると現れるライラック伯爵たちの「いい妖精」も、一見変。目の周りにマスクのような黒いシャドウをつけてるし、衣装がワーストドレッサーで有名なヘレナ・ボナム・カーターのプライベートを思い出させるようなゴテゴテさ。この時は装飾過多なヴィクトリア時代だから時代設定は正しいのだけど、妖精にしては毒々しいのです。でもそこがマシュー・ボーンなのかな・・・とこの時点では思う。
しかしカラボスが出たら妖精たちはやはりかわゆしと思える悪役オーラが。ライラック伯爵が小柄なのにカラボスまずでかい。パステルカラーの妖精に比べ、深紅と黒。カラボス役のアダム・マスケルは下に写真もチラ見えしてるけどイケメンなんですがとにかく大柄なんですよ。
第2幕 Aurora's Coming of Age 1911年 大人になったオーロラ姫
Coming of Ageとは成人のことですが、それが21歳なのが現代のイギリスだと思い出します。ヴィクトリア女王は18歳で摂政なしで戴冠だったけど。いやオーロラはそもそもイギリスの姫じゃないか。
姫のお誕生会が繰り広げられるガーデンパーティー、映画「眺めのいい部屋」風。特にオーロラにくっついてくる花婿候補が、眼鏡で堅物でダニエル・ディールイスが演じたセシルにそっくり!踊ると汗だくで役柄にぴったりで演技でも一生懸命汗をぬぐっていて、あれは本人が考えた演出なのかとおかしくなってしまいました。
この2幕でヒロインの姫と、狩猟番レオが出るんですが、姫はかなりぽっちゃりだし、レオは本当に森が似合う植物系の男の子で、本来なら姫&王子の役柄のはずがぜんぜんロイヤルじゃないふたり。でも可愛い。この舞台の一番の美男美女は王と王妃だった。欲を言ったらレオはコリン・モーガンのマーリンで行って欲しかったが、ダンサーじゃないとこの舞台には出られないし。
2幕のクライマックスはレオに噛み付いたライラック伯爵のヴァンパイアの牙でした。どうも毒のある妖精たちだと思っていたら!そういうことだったのか。おかげでレオは不死となりオーロラを100年待つことができるのですね~
ここで休憩、下りた幕に「休憩100年」と出る演出が憎い。
第3幕 Aurora Wakes Up 2011年 オーロラ姫の目覚め
100年経って、お城の外では観光客がピースサインして写真を撮っていますが、中には100年前のパジャマとコルセットで眠りながら踊る人たちが。女性のレースの付いたアンダーパンツはストレッチ生地に見えないけど大丈夫なのかがやけに気になりました。後ろにジッパーやボタンのようなものが見えて、ということはやはり伸びない生地?お尻ばかり見てしまった女性に比べ、男性は股引みたいなのを履いて上半身は裸のボーンお得意というか、いや時代劇のジャケット着て踊るより涼しくていいよねーとか、ダンサーというと筋肉の彫刻のよう人も多いけど、彼らはそうでもなくてそこが可愛い、とか真剣な美しい踊りを見ている私の頭の中の下世話さよ・・・
第4幕 The Wedding 昨日 結婚式
カラドックは、実はオーロラのことを好きなのか?とも頭にかすりましたが、やはりそうじゃなかったのが衣装に書かれた「リベンジ」の文字でハッキリしました。無理矢理姫と結婚して、犯して刺して殺す・・・すごい・・・復讐のフルコース。
カラドックは中の人はハンサムなのに、カラボスの面影があるので熟女というか美魔女にも見えてすごい色香が。眠った姫との踊りが悪魔フェロモン全開でした。
で、ここでもライラック伯爵が、仲人さんのように、時には寝ている間に靴をつくってくれる小人さんのように、レオの後押しをして、レオが走る姿が健気で憎めない。
過程は思いっきりマシュー・ボーン式なのに、最初と同じで「いつまでも幸せに暮らしました」で終わるのが拍子抜けもちょっぴりあるけど、古典としてのバランスをとったとても愛らしく頭のいいまとめ方でした。
映画版をけっこう後ろの席で見ても良かったので、ふつうのS席よりもちょっとお値段の高い席を奮発して2列目中央で見られたのですが、なぜか私の前の席は前半空いていて、この上ない眺めながらも最前列真ん中が空いてるって何???と思ったら後半席に座った人はなんと劇場に来る時エスカレーターで私の前にいた人だったんです。早く来てたのに席に着かないなんて、関係者かと思うけど空席をダンサーが見たら気にならないのかしら。
久しぶりに生のバレエを近くで見たので、また自分でもバレエがやりたくなってしまいました。休日に通えるところ探してみようかなあ・・・美容と健康のための運動くらいにしかできないけど。それよりも生まれ変わったら男の子になりたい!と初めて思ったかも。そして子供の時にバレエを始めて舞台に立ちたいなあ。そのためには才能だけでなく容姿にも恵まれないとなあ。神様、ライラック伯爵様、お願いします。
誓いを守ってよかった、生の迫力と面白さはお芝居と同じだけれど、バレエの場合踊りがカンタンそうに見えて超絶技巧、しかもマシュー・ボーン振り付けはいわゆる古典よりも振りが大げさで動きが激しいので、その緊張感で見ている方は身動きができなくなるくらいでした。
パンフレットを参考に幕ごとの感想
第1幕 The Baby Aurora 1890年 オーロラ姫の誕生
むかしむかし、国王夫妻が闇の妖精カラボスのおかげで授かった姫は、家来たちが手を焼くほどの元気な赤ちゃんでした。
ここで黒子が操る姫の赤ちゃん人形がなかなかちょっと恐ろしいのですが、原題のサブタイトルは「とあるゴシック・ロマンス」なので雰囲気がセットにもぴったり。翻弄される家来たちの芝居も笑える中にも、ヴィクトリア調の使用人の衣装も完璧なので、もうここで夢の国!もちろんセットも重厚で舞台用にデザインされていても学芸会ぽい観客の想像力に頼るところがない。完璧です。
ベビー・オーロラが眠っていると現れるライラック伯爵たちの「いい妖精」も、一見変。目の周りにマスクのような黒いシャドウをつけてるし、衣装がワーストドレッサーで有名なヘレナ・ボナム・カーターのプライベートを思い出させるようなゴテゴテさ。この時は装飾過多なヴィクトリア時代だから時代設定は正しいのだけど、妖精にしては毒々しいのです。でもそこがマシュー・ボーンなのかな・・・とこの時点では思う。
しかしカラボスが出たら妖精たちはやはりかわゆしと思える悪役オーラが。ライラック伯爵が小柄なのにカラボスまずでかい。パステルカラーの妖精に比べ、深紅と黒。カラボス役のアダム・マスケルは下に写真もチラ見えしてるけどイケメンなんですがとにかく大柄なんですよ。
第2幕 Aurora's Coming of Age 1911年 大人になったオーロラ姫
Coming of Ageとは成人のことですが、それが21歳なのが現代のイギリスだと思い出します。ヴィクトリア女王は18歳で摂政なしで戴冠だったけど。いやオーロラはそもそもイギリスの姫じゃないか。
姫のお誕生会が繰り広げられるガーデンパーティー、映画「眺めのいい部屋」風。特にオーロラにくっついてくる花婿候補が、眼鏡で堅物でダニエル・ディールイスが演じたセシルにそっくり!踊ると汗だくで役柄にぴったりで演技でも一生懸命汗をぬぐっていて、あれは本人が考えた演出なのかとおかしくなってしまいました。
この2幕でヒロインの姫と、狩猟番レオが出るんですが、姫はかなりぽっちゃりだし、レオは本当に森が似合う植物系の男の子で、本来なら姫&王子の役柄のはずがぜんぜんロイヤルじゃないふたり。でも可愛い。この舞台の一番の美男美女は王と王妃だった。欲を言ったらレオはコリン・モーガンのマーリンで行って欲しかったが、ダンサーじゃないとこの舞台には出られないし。
2幕のクライマックスはレオに噛み付いたライラック伯爵のヴァンパイアの牙でした。どうも毒のある妖精たちだと思っていたら!そういうことだったのか。おかげでレオは不死となりオーロラを100年待つことができるのですね~
ここで休憩、下りた幕に「休憩100年」と出る演出が憎い。
第3幕 Aurora Wakes Up 2011年 オーロラ姫の目覚め
100年経って、お城の外では観光客がピースサインして写真を撮っていますが、中には100年前のパジャマとコルセットで眠りながら踊る人たちが。女性のレースの付いたアンダーパンツはストレッチ生地に見えないけど大丈夫なのかがやけに気になりました。後ろにジッパーやボタンのようなものが見えて、ということはやはり伸びない生地?お尻ばかり見てしまった女性に比べ、男性は股引みたいなのを履いて上半身は裸のボーンお得意というか、いや時代劇のジャケット着て踊るより涼しくていいよねーとか、ダンサーというと筋肉の彫刻のよう人も多いけど、彼らはそうでもなくてそこが可愛い、とか真剣な美しい踊りを見ている私の頭の中の下世話さよ・・・
第4幕 The Wedding 昨日 結婚式
カラドックは、実はオーロラのことを好きなのか?とも頭にかすりましたが、やはりそうじゃなかったのが衣装に書かれた「リベンジ」の文字でハッキリしました。無理矢理姫と結婚して、犯して刺して殺す・・・すごい・・・復讐のフルコース。
カラドックは中の人はハンサムなのに、カラボスの面影があるので熟女というか美魔女にも見えてすごい色香が。眠った姫との踊りが悪魔フェロモン全開でした。
で、ここでもライラック伯爵が、仲人さんのように、時には寝ている間に靴をつくってくれる小人さんのように、レオの後押しをして、レオが走る姿が健気で憎めない。
過程は思いっきりマシュー・ボーン式なのに、最初と同じで「いつまでも幸せに暮らしました」で終わるのが拍子抜けもちょっぴりあるけど、古典としてのバランスをとったとても愛らしく頭のいいまとめ方でした。
映画版をけっこう後ろの席で見ても良かったので、ふつうのS席よりもちょっとお値段の高い席を奮発して2列目中央で見られたのですが、なぜか私の前の席は前半空いていて、この上ない眺めながらも最前列真ん中が空いてるって何???と思ったら後半席に座った人はなんと劇場に来る時エスカレーターで私の前にいた人だったんです。早く来てたのに席に着かないなんて、関係者かと思うけど空席をダンサーが見たら気にならないのかしら。
久しぶりに生のバレエを近くで見たので、また自分でもバレエがやりたくなってしまいました。休日に通えるところ探してみようかなあ・・・美容と健康のための運動くらいにしかできないけど。それよりも生まれ変わったら男の子になりたい!と初めて思ったかも。そして子供の時にバレエを始めて舞台に立ちたいなあ。そのためには才能だけでなく容姿にも恵まれないとなあ。神様、ライラック伯爵様、お願いします。