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Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説

2022-11-26 20:17:40 | その他の映画・ドラマ・舞台

久々の映画館での映画でした。ちょうど本日、同日にこの映画上映と同じ渋谷東急BUNKAMURAにて「マリー・クワント展」も始まりました。私はコロナ初期の2020年にロンドンでそちらは見て、とても良かったのでこのドキュメンタリー映画も楽しみにしていたのです。

マリーは13歳になった時に悲しくて泣いたそうで、それは「大人になったら良き妻やセクシーな女性が着るべきメイクや髪型、服を身につけなくてはならないから」だったそうです。それを知って、私が彼女の服が大好きな理由がわかりました。彼女は本来の女性服ではない紳士服などを女性用に拝借/応用したり、ストッキングが嫌いなのでタイツを考案したり、髪型もヴィダル・サッスーンの未来的なショートヘアを自分やモデルに取り入れたり、ミニスカートやヒールの低い靴なら歩いたり走ったりできるからです。

それまでの「良き女性らしい」服というのは貴族の女性が着てるような、今でいえばキャサリン皇太子妃のような正統派エレガントルックということですね。キャサリン妃のような生活ならそれはいいけど、一般人は働いたり出勤したり家事をしたりと動き回って気持ち良く過ごせる服が必要ですものね!

まあ要するに、メンズルックや少女服が幾つになっても好きなので、マリークワントもずっと好きです。

そして彼女の人生において、楽しい性格で彼女をよく理解してくれた夫の存在がとても大きかったことを知りました。なんと長身で享楽的な貴族の男性!王子様か!羨ましい限り・・・

そして働き者で確信的な彼女の後継者のように、ヴィヴィアン・ウエストウッドのことも取り上げられていて、マリーとファッションを中心としたイギリス、ロンドンのカルチャードキュメンタリーとしても楽しめました。

 

 

 

 


エノーラ・ホームズの事件簿2

2022-11-21 13:33:37 | その他の映画・ドラマ・舞台

映画館に行きたいのは山々なのに、空前のお絵描きブームなため外出の時間がもったいなく配信で楽しんでいます。

待ってましたのエノーラ・ホームズは続編も楽しいです。主演のミリーは大ヒットドラマ「ストレンジャー・シングス」のヒロインとして子役から大人へと成長してきましたが、ドラマ以外の写真見て「子役の時の方が可愛かった・・・」と失礼ながら思ってしまったところ・・・さすが女優!エノーラ役はとっても生意気少女全開でかわいい!

そしてストーリーも現代のフェミニズムも反映させながら、少女マンガのような「ハンサムで気が弱いが正義感は強い貴族の男の子」を出してるところがお見事です。

エノーラはシャーロック・ホームズの妹という設定ですが、シャーロックにヘンリー・カヴィルをキャスティングも正解だし、行っちゃってるホームズ家のママがヘレナ・ボナム・カーターなのもピッタリ。

しかし、少女マンガでも海外が舞台で貴族とか泥棒とか探偵とか出てくるのは1960年代のオードリー・ヘップバーンが主演のおしゃれコメディハリウッド映画が元になっているセンス・・・と私は思っていたのですが、現代まで脈々と受け継がれているのかな。なにぶんマンガを読まなくなったので確信がないけど、日本のオタク的マンガやアニメが世界でも人気だし、私の昔のマンガのクセでしか描けないイラストも「好き」と言ってくださる方が国内外にチラホラいらして、おもしろい現象だなと思っています。

「エノーラ」も少女向け小説が原作、きっと作家さんもオタクに違いない。

 


クリエーション・ストーリーズ

2022-10-28 20:54:06 | その他の映画・ドラマ・舞台

久々に映画館へ足を運んで見たのがこの「クリエーション・ストーリーズ」という、1990年代のブリット・ポップを大いに盛り上がらせて、売りまくったレコード・レーベル設立者アラン・マッギーの「ほぼ実話」。

こちらは「トレインスポッティング」と脚本家が同じでダニー・ボイルがエグゼグティブ・プロデュースをしているので、とってもヤクザでガラが悪くドラッグと酒まみれなのに憎めない男というキャラになっているのが共通点。

スコットランドの田舎では、ボウイに憧れセックス・ピストルズに魂を揺すぶられる青春なのに親と同居で父親が超堅物労働者なのでまったくアランの長所も認められず、ロンドンで一旗あげるのも似てますね。

エルトン・ジョンの「ロケットマン」のように、ドラッグからの「更生施設」に入りグループセッションなどに参加するのだけれど、そこでドラマチックに自分と向き合い更生したエルトンに比べ、アランはそこでもめっちゃマイペースだったのが痛快でした。

しかし田舎の親というのは、子供がちょっとはみ出すとやはり世間体もさながら自分の生き方を否定されていると感じるのでしょうかね、世界中に自分を守るために子供を潰そうとする親はいるんだな。まあ手堅く国鉄などで働けばパッとすることは一生ないだろうけど当時は一生地味には安泰だったんでしょう。それが時代変わってイギリスも日本も労働者は頑張って働いても生きていけない世の中になってきちゃって、そんな時代の親は何を子供に押し付けたらいいのやら。

ジーザス&メリーチェイン、プライマル・スクリーム、オアシスなどを発掘した先見の明があるアランが、アシッド・ハウスにも即どっぷりと浸かったシーンがあり、アシッドハウスには関わったことは知らなかったし映画中でも何をやったとかあまりわからなかったのですが、そのムーブメントの中日本人の女性4人組が彼のファンクラブのように現れるんです。ちゃんと日本人をキャスティングしていて今風の可愛い子達を使っていたのも共感が持てました。そして何より、私がロンドンで初めて「受け入れられた感」を感じたムーブメントがアシッドハウスだったので、それが取り入れられていたのが嬉しかったです。だって・・・やっぱりブリットロックとかもっと古いニューロマンチック時代というのは、中には物好きなイギリス人もいて日本人をかまってくれるけど、やっぱり白人主体のムーブメントでアジア人はビートルズのオノヨーコくらいの違和感はあったわけです。それがハウスの時代には、誰でもウェルカムになったのが映画中でもみんな踊りまくってて「これだよこれ」と懐かしかったです。


イーディ、83歳 はじめての山登り

2022-09-13 17:38:17 | その他の映画・ドラマ・舞台

オリジナルの「主任警部モース」を演じた故ジョン・ソーの奥様であるシーラ・ハンコックが主演、という切口で知ったこの映画、内容をてんこ盛りにした邦題にもひかれて見てみました。

私の20代後半くらいからのモットー「やらないで後悔したくない」にも重なるので勇敢なおばあちゃんになるための教えを乞うつもりだったのですが・・・

3人目の女性首相のいるイギリスでも、今80歳の若かった頃には亭主関白も存在して、妻として母としての義務に生きた女性もいたのだな・・・とまずちょっぴりガッカリ。

とは言え、イーディは日本で想像するような「芯の強い女性」ではなく「言動も強い口の減らない婆さん」だったのです^^;

イーディのチャーミングなところは、不健康なあのイングリッシュ・ブレックファストが好きで、家でベーコンを焼いていたら娘が来てそれを戸棚に隠すところ(笑)でも見つかって即ゴミ箱に捨てられてしまうんですが。ちょっとそれにもびっくり・・・いくらなんでもベーコン自体があんなに悪者扱いされてるなんて・・・

少女時代は活発でパパとキャンプなどを楽しんでいたイーディが結婚したのは、旅行を無駄遣いとするケチな男で、しかも血栓で歩行も会話もできなくなって30年も世話をする羽目になってしまったのです。

そんな、施設に任せるにはお金も必要だろうし、昔の人の道徳観で妻が世話をすべきという考えだったのでしょうけど、まあそんな苦行を確かによく頑張りました。

で夫の死後、娘に老人ホームに入るよう促されて既に墓場に入れられるような気になり、荷物の整理中に見つけた昔の絵葉書を見て、やり残した事を思い出しスコットランドはハイランドに出発したのでした。

しかしね、今のご時世、介護付き集合住宅とかもあって、それだといざ何かあったら介護士が常駐しているので安心だけれど普段は全く一人暮らしのマンションと同じ、ってのもあるのでそういう所に住めば良いんじゃ・・・とも思ったんですけど、値段もマンションよりは高い上に、やはり高齢者限定住宅、ってところで墓場感は一掃できないかもしれないですね。

まあ体育会系女子だっただけに、昔の夢を叶えたいってところでいきなりハイランド登山ですか?!って高ハードルなところが映画にもなるわけですね。

数多くのスポーツを生み出したイギリスだけあって、ハイランドに行けばハイキングにボート漕ぎやテント張り、火おこしに飯盒炊飯がついてきて、それに必要なアウトドアな服、靴、バックパックなど色々必要というのが興味深かった。

イーディが昔使っていたオールドスクール系のキャンプ用品はロマンがありますが、マイクロファイバーに比べて践祚いう映画に出てきそうなキャンバス地は重くて担いで山を登るものじゃないですね。

私は10代の時に不健康なUKロックに染まったせいで「体育は嫌いだ」人間になったので、肉体スキルが必要なことでやり残すことはないと思っていたのですが、つい先日、スパークス出演のせいで20年ぶりのオールナイト音楽フェスというものに行った時には、ちょっぴりイーディみたいだったかも知れません。

フェスから4日間スパークスイベントをやり抜いた時には「やり切った」と思ったと同時に、人生って何があるかわからないので、これからも更なる試練を神様が用意してくれてるかも知れないと思いました。

ということは、やはりいつも心にイーディを、ということで自分には縁がないだろうなんて思わないようにします!

アマプラで配信中


反発

2022-09-07 21:59:17 | その他の映画・ドラマ・舞台

1965年のカトリーヌ・ドゥヌーブの出ている映画を見ました。実は最近、髪が伸びてセミロングになったため、ちょっとレトロな60年代風ファッションに凝っており、そのお手本がカトリーヌ・ドゥヌーブなので見る気になったのです。

しかも舞台がロンドンで、彼女はポーランド人の役ですが全編英語です。60年代のロンドンも見たかったですし。

ところがそんな邪な動機は、サイコ・ホラーという本作にすぐに裏切られます。

設定は、主人公のキャロルは姉と二人暮らしで、姉が妻帯者と付き合いだして毎晩その男が泊まりに来るため姉の喘ぎ声やその男の髭剃りや歯ブラシが気持ち悪くて仕方がありません。でもキャロルは気が小さいので「私の問題よ、関係ないでしょ」という姉に逆らえないのです。

キャロルは内に篭る性格のため、その悩みを人に言えず精神が壊れて行き、しかもとびきり美人なので男に言い寄られ、妄想と現実に苦しめられ殺人を犯してしまうという、暗〜〜〜〜〜いストーリー。

これ、現実だったら、キャロルには相談に乗ってくれそうな同僚もいたし、職場で様子のおかしいキャロルを叱るどころか心配してくれる経営者の女性もいたので、なんとか乗り切れないこともなかったのでは・・・と思うのですが、

この映画はどうしてもカトリーヌ・ドゥヌーブの美しさ、それに心を奪われる男は当然、そしてその美女は誰の男にもならず乙女のまま自己破壊して欲しい・・・という勝手な男の理想&妄想を映像化したのではないか、と私には思えました。

この時実はカトリーヌ・ドゥヌーブはまだ22歳でロジェ・ヴァディムとの子供を産んでおり、そんな現実は置いといて、美女の存在はかくあるべきというパワーを男性映画人に与えたドゥヌーブすごいなと納得しながら彼女のドアップ、(映画館であの目をスクリーンいっぱいに映したいと思ったのでしょうね、そうでしょうとも)手先、フラットの中を歩き回る素足を堪能いたしました。