世界中にばらまかれる不条理の雨
男であれ、女であれ
戦争であれ、平和であれ
貧困であれ、豊かであれ
それは絶え間なく降り注ぐのだ
容赦なく降り注ぐのだ
もう止むことはない
永遠に止むことはない
「残念だけど諦めなさい」と誰かが美しく笑ってる
男であれ、女であれ
戦争であれ、平和であれ
貧困であれ、豊かであれ
それは絶え間なく降り注ぐのだ
容赦なく降り注ぐのだ
もう止むことはない
永遠に止むことはない
「残念だけど諦めなさい」と誰かが美しく笑ってる
潮騒がこころを揺さぶる
西の空を見上げれば斜陽が眩しい
海辺にカフカはいなかった
カフカの繊細は腹立たしい
いれば、その背中を蹴ってやりたかった
限りなく透明に近い駅に滑り込んだ銀河鉄道に乗り込む
鉄道員の合図もそこそこに銀河は出発
メロスと並べて走らせたらどちらが速いか
トンネル抜けたら案の定、雪国だった
東京の雪と違って、さらさらして心地よい
童心に帰り、寒さも忘れた
いっそすべてを忘れたい
ガリレオみたいに強くなれない
人間失格でいいじゃないか
カリスマも模倣犯も、人みな大河の一滴と言い聞かせ
見知らぬ少女が死んだという
外国で戦渦に巻き込まれたのではなく
事件や事故でもなく
闘病生活を送っていたわけでもない
元気だった少女が突然、死んだという
不条理という言葉が浮かぶが、少し青くさい
もう長いこと生きてるんだから
僕らは他の生物との違いを見せつけるため
心の土地に思想や希望
それから理想や尊厳、努力、未来
さまざまな、美しいと感じる物を作り上げてきた
良かれと思い、作り上げてきたのだ
そして、その心の風景を眺め、うっとりしていた
しかし、こうして少女が突然、死んだ時
それらの建物が揺れだし、崩れそうになり、僕らは動揺を隠せなくなる