口をきくのが上手くなりました
どんな酔しれた人にでも
口をきくのが上手くなりました
ルージュひくたびに分かります
あの人追いかけて この町へ着いた頃は
まだルージュはただひとつ うす桜
あの人追いかけて繰り返す人違い
いつか泣き慣れて
つくり笑いが上手くなりました
心なじめない人にでも
つくり笑いが上手くなりました
ルージュひくたびに分かります
生まれた時から渡り鳥も渡る気で
つばさをつくろう事も知るまいに
気がつきゃ鏡も忘れかけたうす桜
おかしな色と笑う
つくり笑いが上手くなりました
ルージュひくたびに分かります
作詞は中島みゆき。
冒頭の「口をきくのが上手くなりました」
確かに上手くなります。体が大きかったり、年は取っていても「この人、子供なんだな」と思うことありますよね。
「あの人追いかけてこの町に着いた頃は、まだルージュはただひとつうす桜」
この頃は主人公の女性も外見はもちろん、内面にも幼さが残っていたことを伺わせます。
「つくり笑いが上手くなりました」
これも上手くなります。愛想笑いとは違いますけど。
「生まれた時から渡り鳥も渡る気で、つばさをつくろう事も知るまいに」
ここ好きです。生まれた時には分からなくても、女になることは約束されている。
渡り鳥をもってくるあたりが、中島みゆきの才能でしょう。
「気がつきゃ鏡も忘れかけたうす桜、おかしな色と笑う」
直接的には鏡に写った自分の唇の色を見て、笑っているのでしょう。あまりにも不釣り合いで。
みゆきさんは人の心を動かす言葉を持っている稀有なアーティストです。まだまだ現役でいてください。