下記で動画が観られます
https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn?a=20200512-00141421-fnn-soci
やはり、以前の生活に戻っていくためには、治療薬、そしてワクチンができることが必要不可欠になってくる。
そんな中で11日、安倍首相は、新型コロナウイルスのワクチン開発について、国会で、「早ければ7月には治験が開始できる見込み」と言及した。
さらに、大阪府の吉村知事も「オール大阪」でワクチン開発に臨むことを宣言。
吉村知事「ワクチンの治験については、早ければ7月から開始できる」
国や自治体のトップが、治験を7月に行うと言及。
その日本中が期待を寄せるワクチン開発のキーマン、大阪府や医療機関と共同開発チームで指揮を執る、大阪大学大学院・森下竜一寄附講座教授に話を伺う。
ワクチン開発のキーマン・森下教授に伺うのは、「日の丸ワクチンの開発は今、どこまでできているのか」、「いつ、ワクチンを接種できるのか」の2点。
佐々木恭子キャスター「まず森下さん、ワクチンの開発、今どんな状況ですか?」
大阪大学大学院・森下竜一寄付講座教授「順調に進んでいます。本当に多くの企業の方が関わって、数百人の方が昼夜問わず開発に着手してもらっています」
佐々木キャスター「皆さんの士気はいかがですか?」
森下寄附講座教授「非常に高いですし、早くしないといけないということで、ゴールデンウイークも返上で、皆さん、どこの大学の方も努力されている状況です」
世界に先駆けて開発していこうという意気込みだと思うが、重要なのは「メード・イン・ジャパンであること」という点。
佐々木キャスター「森下先生、これはなぜメード・イン・ジャパンが大事なんでしょうか?」
森下寄附講座教授「世界中同時に、新型コロナの感染が起こっていますので、要するに自分の国民が最優先なんですね。そうすると、例えばアメリカですと、3億人以上の方がいらっしゃいますから、そこに打ってから日本に出すということに、どうしてもならざるを得ませんし、世界中、まずは自国のものを作ると。そういう意味では、日本で作らないと、私どもワクチンを手に入れることはできませんので、日本独自の開発が重要になります」
佐々木キャスター「風間さんは、ここまでいかがですか?」
フジテレビ・風間晋解説委員「それがやっぱり、世界の現実なんだなと思いますね。ただ接種する立場からすれば、国産であれ外国産であれ、早くて安全で安くあればいいという考え方もあると思うんです。ただ、僕らはやっぱり国産が一番安心できるじゃないですか。だから頑張ってくださいという感じですね」
期待が大きいと思うが、今、森下寄附講座教授のチームが開発しているワクチンは、従来のものとは違うという。
「DNAワクチン」と呼ばれるものだが、これはいったい、どういうものなのだろうか。
森下寄附講座教授「まずは、今回の新型コロナウイルスの絵を見ていただきたいと思います。これが新型コロナウイルスですが、実は、ウイルスが細胞に入るために重要な『スパイク』という、とげの部分なんです。これが鍵みたいなものでして、細胞の表面にある鍵穴(かぎあな)に結合すると、ウイルスが細胞に入るんです。今回は、この鍵を利用します。結局、鍵の部分の遺伝子をDNAワクチンで打つと、体の中で、とげの部分だけできるんです。そうすると、このとげに対して、抗体ができる。ウイルスと抗体が結合することで、細胞の方に入らない。こういう仕組みです」
佐々木キャスター「ウイルスが入っていないとげを、あらかじめ体に入れて、抗体を作っておくということなんですか?」
森下寄付講座教授「そうです。ですから、非常にウイルスそのものを利用するわけじゃないので、安全ですし、簡単にできるというのが、1つ特徴なんですね」
佐々木キャスター「このメリットとしては、どういうところがありますか?」
森下寄附講座教授「通常のワクチンはどう作るかと説明すると、普通は、鶏の卵で作るんですね。鶏の卵にウイルスを不活化する、あるいは弱毒化して弱くして入れます。そうすると、ウイルスを弱くするのが数カ月。鶏の卵で増やすのが、だいたい5~8カ月くらいかかる。その間に、ウイルスそのものを使いますので、弱くなっていても、元のウイルスで感染リスクがあったり、副作用が起こる。一方、今回のDNAワクチンは、ウイルスは使いませんから、製造工程の感染は起こりませんし、副作用も少ない。期間も非常に短い。遺伝子情報があればすぐ作れます。今回は20日間でワクチンの原型を作ったんですが、世界で一番早い最速だと思います」
佐々木キャスター「上田さん、ここまで聞いていると、とてもいい話が多いんですが、気になる点はありますか?」
文化人類学者・上田紀行さん「ウイルスは、変異して強毒化していくっていうことをいわれるんですが、これは外側のスパイクの部分は変わらないので、内側の遺伝情報がどう変わってもOKということですか?」
森下寄附講座教授「外側のとげの部分も変異することはあるんですが、変異すると、ウイルスそのものが細胞にくっつかなくなる。ウイルスの得ではないので、ほとんど変異は起こらないです。今回も、変異は起こってるんですが、基本的には、そのウイルスは効くと」
佐々木キャスター「デメリットなどはないんでしょうか?」
森下寄附講座教授「副作用に関しては、やってみないとわからない。全員の方に抗体ができるわけではないです。ですから、50%、60%くらいをまず目指して。もっといいものができるかもしれませんが、最適なものを作ろうと思うと1年、2年かかってしまうので、まずは、社会生活を取り戻せる形でワクチンを作るということで、ある程度スピードも重視ということです」
DNAワクチンの工程表。
3月に開発が始まって、5月には動物実験、7月には、30人程度の臨床試験を行って、9月には400~500人程度の臨床試験を行っていくという。
現在、順調にも思えるが、実は、森下寄附講座教授の中には焦りもあるという。
コメントから
世の為人の為に人生を捧げた緒方洪庵先生の適塾を本流とする
大阪大バイオベンチャーのアンジェス。
複数の企業が協力し、AI技術も導入されている。
6月中には公表されるであろう動物実験結果次第で
7月に予定されている治験も期待せずにはいられない。
迅速なスピード開発と安全性を兼ね備え、
一定以上の確実な抗体価が得られるワクチンが
完成することを願っている。
通常のワクチンの最終治験では偽薬を含めて数千人(ロタウイルスは7万人)に接種した後に数ヶ月から数年でも普通の生活の中での感染を待ちます。
このコロナの世界的危機ではチャレンジ・トライアルという治験協力者を意図的に感染させる事により治験協力者数の縮小と期間の大幅な短縮が可能な手法が検討されています。
治療法が確立されていない死者も出るコロナの様な病状には今までチャレンジ・トライアルは実施されていません。
倫理的な問題が高いので先日WHOは19ページにも及ぶ指針(18〜30歳はリスクが低いので推奨対象等) を発表し容認する方向です。
開発期間の短縮は公益性が高く他国に追従して日本もチャレンジ・トライアルを採用する公算が大きい。
治験協力者の安全をより高く担保する為には海外メディアの様に日本のメディアも取り上げなくてはならない事案と感じます。